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7 ユニークスキル

「ノエル、そろそろ機嫌を直してもらえると嬉しいんだけど」

「別に機嫌悪くなってないし」

 目に見えて機嫌が悪いのは俺にもわかる。どうしたものかとあたりを探ると手に硬い感触のものが当たった。騎士団長からもらった円柱型の金属でできた塊だ。一体何なのかはよくわからない。

「ねえ、ノエル。これ騎士団長さんからもらったんだけど何か分かる?」

 そっぽを向いていたノエルがこちらを向く。

「あ~、それ缶詰だよ」

「かんづめ?初めて聞いた」

 名前は分かった。缶詰というらしいがそれだけ聞いても一体何なのかは見当もつかない。

 用途を考えているとノエルはそれを俺から取り上げた。

「わかりやすくいうと、保存食かな。団長も変わった人で戦いの最中でも美味しいものが食べたいって言って突然持ってきたんだよね。上に金具がついてるでしょ。これを起こしてあげて金具を持ったままうまく上の金属の板をはがしていくの」

 ノエルは説明しながら缶詰を開けていった。ノエルの言うとおり缶詰の中には動物の肉と思われるものと液体が入っていた

「これは鶏の肉かな。はい、食べてみて」

 ノエルは俺に封が開いた缶詰と部屋にあったフォークを渡してくれた。

 缶に入っていたにしては普通の見た目だと思い、肉の一切れを口に運ぶ。

「えっ、すごく美味しいんだけど。これが保存食?毎日でも食べられるよ」

 俺は缶に入っていた肉をすぐに平らげてしまった。

 ノエルは俺の食べる勢いに笑っていた。

 俺はつい数分前まで何かに苦悩していた気もするが忘れてしまった。


 缶詰も食べて一息ついたところで俺はマリアさんとの会話で疑問に思ったことを聞いてみることにした。

「ノエル、ユニークスキルって何?普通のスキルと違うの?」

「そっか、ユニ君スキルも知らなかったからユニークスキルも知るはずないよね。そうだ、馬車の中で話したスキルを確認できるスキル板のあるところに今から行かない?ユニークスキルについての説明も向かいながらするよ」

 俺はノエルの申し出を了承し、二人で部屋を出た。


 俺とノエルは街の中を二人並んで歩いていた。王宮に行く途中でも歩いたがそのときは謁見に緊張していて周りを見る余裕がなかった。

 街道には色々な店があり、人も多くて賑わっている。

「ユニークスキルっていうのは、その人だけに発現する特別なスキルって感じかな。珍しいからその分すごい能力のものが多いんだよ」

「ノエルはユニークスキル持ってるの?」

 俺の質問に対してノエルは少し渋い顔をする。

「私はユニークスキル持ってないんだ。だからこそ、魔法とか剣術を頑張ってる。皆の役に立てるように」

 そういえば、ノエルは魔法部隊の副隊長だったことを思い出す。その地位になるにはよほど努力したんだろうなと感心する。

「俺はノエルも十分すごいと思うよ」

 そうかなと、ノエルは照れたように笑う。

 

 話しながら歩いているといつの間にか目的としていたスキル板の前に着いた。スキル板はちょっとした広場の中央に置かれている。大きさは横一メートル、縦二メートルで厚みが五メートルほどある。表面はスベスベしていて鏡のようだ。

「スキル板に触れてるとカードが出てきて、それにスキルとかが書いてるんだよ。それと、カードは大切に持っておいたほうがいいよ。スキルが増えるとカードに勝手に追加されるから」

 俺は言われたとおりに手をスキル板に触れさせた。しばらく待っているとスキル板からカードが出てきた。俺とノエルは出てきたカードの内容を確認する。


名前 ユニ

年齢21

ユニークスキル 今を紡ぐ戒め

スキル

レガシースキル 言語マスター ドレスメイカー

魔法適正 火 水 風 土 空間


「ユニ君、ユニークスキルあるよ。すごい、ユニークスキル持ってる人は本当に少ないからかなりレアだよ」

 ノエルは興奮気味にはしゃいでる。俺はスキルについてはよく分からないが、彼女がこんなになってるということは珍しいことなんだと思う。

「でも、なんかよくわからない名前なんだけど。戒め?」

「ユニ君、このスキルカードのすごいのはここからで、なんと効果を知りたいスキルを指で押すと効果が分かるのです。早速効果見てみよう」

 言われるがままに俺は戒めを指で押すとなにやら説明文が出てきた


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時を止める


「なにこれ?読めないんだけど」

 そんなはずはとノエルものぞき込むが、反応は俺と一緒で困惑している。

「でも最後に時を止めるって書いてるよ。もし本当にできたらすごいよ。ユニ君、やってみてよ」

「やってみてって言われても、スキルなんてどう使えばいいのか」

「頭の中で使うぞってイメージするの。そうすると多分できるから」

 ノエルの抽象的な説明にどうしたものかと考えていたが、とりあえず言われたとおりに戒めを使おうとイメージする。しかし、何か起こったような気もしない。

「ノエル、やっぱダメな気がするんだけど」

 そう話しかけてみたが、反応がなかった。心配になってノエルの顔に近づく。そうしてると突然彼女は動き始めた。

「わっ!、どうしたの?突然、その、そんなに顔を近づけて」

 ノエルは顔を赤くしながら俺に言う。

「話しかけても返事かなかったから心配で・・・」

 言い終える前に俺は気づいた。

「時が、止まってたんだ。止まってたからノエルは返事をすることができなかったんだ。ノエル、もう一回時を止めてみてもいい?」

 ノエルは頷き、俺は再びイメージして戒めを発動しようとする。しかし、先ほどのようにすぐには発動しない。

 どうして発動しないか思い悩みながらもずっと発動のイメージをしていると、突然また発動できた気がした。俺はそれを確かめるためにノエルの顔に手を触れさせた。

 少しするとノエルは動きだし、先ほどと同じように顔を赤くさせた。

 それから俺はノエルの協力の下(半ば強引でもあるが)今を紡ぐ戒めについて能力を解析した。

 

まず、時を止められるのは五秒程度。そして時を止めたあとは一分のインターバルが必要となる。時を止めている間の俺の攻撃は有効である(時を止めてる最中にノエルに軽くデコピンをしたら、時が動き始めてから痛みを感じた。そのあと怒られた)。時を止めている最中に止まっているものを動かすことは可能である(時が止まっている最中にノエルを担いで移動させることができた。そのあと怒られた)


 以上が三十分ほど試してみた成果なのだが、俺はふと思うところがあった。

「ノエル、思ったことがあるんだけど、言っていい?」

「いいよ」

「俺のユニークスキルってしょぼくない?」

 ノエルは返答に困っているように見える。

「でも、時を止められるって使いようによっては仕使えるんじゃ・・・ないかな!」

 そう答えたノエルが俺には苦し紛れに当たり障りのないことを絞り出してるように見えた。

「ちなみに、他のユニークスキルってどんなのがあるの?」

「代表的なのは馬車でも話した創造、調和、暗黒だよね。この三つは世界の秩序を維持すると同時に強力な効果もあるよ。あとはハーモニアの国の幹部の二人が風とか雷を操ってたような・・・」

 ふむふむと俺は頷く。そこで改めて俺は思った。

「あのさあ、思ったことがあるんだけど、言っていい?」

「だめ」

 今度はノエルも何を言うのか勘づいたようで即刻否定された。

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