表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

プロローグ

 僕は学校の屋上、フェンスを乗り越えて重力に身を委ねた。

 恐らく、僕の勝ちだ。話しかけてきた男の残念そうな顔がゆっくりと見える。

 五階建ての校舎の屋上から身を委ねた僕の身体は、まるで時がスローモーションになったかのように。ゆっくりと五階、四階と校舎のガラスに僕の姿を映し出す。

 死の間際。

 時間が延びると言うけれど、それかもしれない。

 走馬燈。

 それかも知れない。頭の中に今までの記憶がたたき込まれる。

 もう忘れていたはずの、生まれたときに見た父の顔と母の顔。母に抱かれて温かかった温もり。幼馴染みだった女の子の笑顔。友人とバカやってた記憶。

 全く。

 死の間際に優しい記憶だけが過ぎるなんて。

 神様が居るので有れば。

 こんな時に見せなくてもいいのになんて、恨みをぶつけたくなる。

 そして。

 僕の身体は、地面に溶けていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ