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HOMER STAYER  作者: 襲雷
11/12

第11話:ボス戦と決着

「ふう、これで何とかなりそう・・・って、棗さんまで何やってるんですか!?」

「いや、鎧に着替えてるのだが何かおかしいか?」

「ええ、どこからツッコンでいいか迷うほどに」

「そうか・・やはり色は黒の方がいいのだがな・・・赤は軟派でよくない」

「違う!色じゃない!?何で先輩まで参戦しようとしているのかですよ!!」

「直接拳を交えてみないことには、わからないこともあるだろうからな」

「拳で語る系!?」

「ふむ、今の鎧はチタン製なのだな、軽くていいな」

軽くスルーされた


「ぜぇぜぇ・・・これで終わりだ!!」

メカ侍の銃弾を紙一重で避けて、秀吉のエアガンがメカ侍の頭にヒットする

最後の一体が電源が切れたように崩れ落ちた

あの後、2組は逃げ回りながらも何とか再会できた

現在舞台は体育館、ここにも何体もメカ侍の亡骸が転がっていた

「にしても悪趣味にもほどがある。真吾は大丈夫なのか?」

珍しく、太陽も怒っている。真吾の安否が気になることもあるのだろう

「しかし、おかしい、この攻撃には真意が見えてこない、どうにも本気には思えない

次の手が来ると考えた方がいいだろう」

「えぇ〜まだ来るの〜おいらもう疲れたよ〜」

「まぁ流れで言ったら、雑魚は倒したからボスが出てくるのがベタな展開だよなぁ」

秀吉がゲームの流れどおりの話をした瞬間


『その通り〜!!!』

体育館のスピーカーから、気の抜けるような女の声が聞こえてきた

「また、お前か!!」

『君らは〜思った以上に強者のようだ〜最終兵器をこちらも投入させてもらうよ〜〜』

間延びした声では、どれだけ本気かわからない

「な、なんか、想像を遥かに下回るのかなー?」

姫もその声に呆れて肩をおとす


『君らを倒すにはぁ〜こいつしかいない〜!』

パッとどこからか体育館のステージにスポットライトが当たる

そこには、一体の鎧武者と縄でグルグル巻きにされた真吾が現れたのだった

見た目はさっきのメカ侍とあまり変わらない

唯一変わったのはかぶとの中から、長い黒髪が付いたくらいだろう

「真吾!!」

「ゴメン、皆・・・」

軽く、うなだれる真吾、いろいろ謝ることはたしかにいろいろあるのだが・・・

「お前・・・縄で縛られているなんて・・・そんな趣味が!!?」

「違う、頼むからそれは違うと信じれ!!」

なかなかに緊張感のない人質とその仲間達だった


「ホントにボスキャラか・・・」

「気をつけろ・・あの気配、並じゃない・・・」

気を抜けていたところから又シリアスモードに入る


『名づけて、なっちデラックスぅ〜』


シーン・・・・


「ダサい・・・」

はっきり言うね、沙耶さん


『何ぃ〜〜!!生意気だぞぉ小娘ぇ〜!!

 あいつからやっちゃえ!!やっちゃえ〜

 なっち〜』

何だかヒートアップしてきました


「・・・気合が入らんな」

ボソッとボス武者が言った気がした

しかし、その刹那フッと空気が切り裂かれた


「くっ早い!!」

ステージ上から20mは離れているだろう沙耶の下に一秒とかからなかったろう

ボス侍もとい棗は刀は使わず右拳をくりだす

ブオンっという音とともに風が周りにまで届く

食らったら2発といらず1発でノックアウトだ

その拳を紙一重でかわす沙耶

「ふむ、いい動きだ、初撃をかわされたのは久しぶりだ・・・

 だが!!」


スコン・・・


棗が繰り出した拳を避けた沙耶だったがその避けた反対方向から

沙耶のアゴに棗の左のハイキックがアゴに的確にヒット

脳を揺らされ、体への伝達情報が遮断される


「かっはっ・・・」

一撃で崩れる沙耶、一気に意識を刈り取られる


「沙耶!!」

秀吉が駆け寄ろうとするのを太陽が制する

「なんだよ!俺があいつをぶちのめしてやる!!」

激昂する秀吉

「待て、不用意に射程に入ると殺られるぞ

 それに・・・」

チャキっと腰の刀に手を当て


「沙耶の仇は俺が取る!!」


ぶわっっと太陽から禍々しいオーラが出ているのが見えるようだった


「ふっ相手にとって不足はないな」

ぶわっと棗も腰の刀に手をやり、力をこめた瞬間オーラのように空気が揺れる


お互い居合い抜きの構えで対峙したまま動かない


・・・

・・・


お互い一歩も動かずピーンとした空気だけが張り詰める

汗が冷たく感じた


その瞬間

「はっくしょん!!チクショー!」


ダッ!!!ガキン・・・


空気読めよ、姫!!!

ってかチクショーってオヤジかよ!!

モニター前でツッこんでいる間にも決着がついた様だった


見ると棗の剣が真っ二つに折れていた


「ふっ」

ニヒルな笑みを浮かべる太陽




しかし

「いい勝負だったな」

カキンっと折れた刀を棗が納めた瞬間

「ぐっ・・・無念・・・」

ドサッ・・・

太陽が崩れ落ちた

「たっ太陽ーーーーー!!」

秀吉の叫びが響いた

「峰打ちだ、安心しろ」

「折れたのは強く殴りすぎたせい!?」

「手加減を間違えた」

さらっとヒドイ


「え〜と棗先輩、足怪我してるんですよね?」

「昨日、動いたら完治してたそうよ〜、なっち規格外だから〜」

「人間ですよね?」

「たぶんね〜」

真吾のツッコミはどこまで届いたのか不明であった


「これで、あとお前ら2人だ」

ジロッと秀吉と姫をロックオン

武闘派2人が倒され、お笑い担当は絶体絶命


「え〜と、タイム?」

姫が状況を省みずに無理な相談を持ちかける

「・・・5分だ」

そこにノる棗も律儀だ


「あの、これ全滅した場合どうなるんですか?」

通信機を通して真吾が祭に尋ねる

「ん〜どうなるかはなっち次第だけどね〜

とりあえず、あの2人が一発でもなっちにいれられたら合格ね〜」

「棗先輩次第って言うなら必要以上に痛めつけられないですよね・・・

 でも太陽と沙耶でも一発入れられなかったのに・・・あいつら」

「ん〜わからないわよ〜、」

「えっ・・何をもってそんな適当な・・・」

「いいからいいから〜ほら5分経つわよ〜」

しぶしぶ成り行きに任せるしかない真吾であった


「5分だ」

そう言って2人に向かって威風堂々と歩き出す棗

「くっもう5分、早いんじゃないの!!」

「姫、俺の言った通りにな!!」

「ん、わかった」

だっと駆け出す姫

その方向には倒れている沙耶と太陽

「むっ・・気絶している二人を起こすつもりか?しかし!!」

姫に向かって、駆け出す棗

一瞬で距離をつぶされる


「考えが甘い!!」

拳を振りかぶり、その拳が姫へと襲い掛かる


「そっちがなぁ!!」

「何!?」

当たると思われた瞬間、秀吉が姫の前へと躍り出るが


バキッ・・・


秀吉の顔へクリーンヒット

「くっはぁ!」

あぁやっぱり


「盾になる男気はたいしたもんだ、なかなかやるではないか」

崩れ落ちる秀吉に棗は素直に感嘆した

いつも不真面目な男がここまで本気になることがあるのだと

やはり、真吾達のグループは必要だ

そう心に決めていた、その時だった


ガッチャン、ガッチャン


「へ、へへへ・・捕まえたぜ」

崩れ落ちる秀吉がまだ生きていた

気が付くと右腕が重い・・・

「なっ!?これは手錠!?」

棗の右腕と秀吉の左腕が手錠で拘束されていた

「これで・・・グホッ・・自由に動けないだろ・・!そして!!」


バフゥ!!

棗と秀吉の周りに特濃の煙が充満した

「姫のシスコン兄貴特製の煙玉だ、これで視覚もないから攻撃などかわせないだろ?」

「このっ油断した!!」

煙の外に出ようとするが、秀吉に抱きつかれ、上手く動けない

振りほどこうと秀吉に気を取られていると


「ふふふ〜〜最後を決めるのはやっぱり、おいらだよねー

 秀吉、いっくぜ〜〜〜」

ジャキンとエアマシンガンを構える姫、

音で棗もそれに気づく

「くぅ、こっちにはお前の仲間がいるのだろう、それを巻き添えにするのか?」

棗としては、煙幕の中に秀吉がいる限り撃ってこないとタカをくくっていた

しかし

「へっ?それが何か?」

ズルッと力が抜ける棗

「へへっ自慢じゃないがな・・・」

秀吉がボソッと呟く

「グループ内の俺の扱いを知らなかった・・それがあんたの敗因だ!!」

ホント威張ることではないな、秀吉


「秀吉・・・生まれ変わって星になれーー!!!ふぁいやーーー!!!」


煙幕の中へ銃弾の雨が降り注ぐ

ずだだだだだっ!!(※注意、いい子の皆さんは人に向けてエアガンを撃ってはいけませんよ)


「けど!むしろ俺が的!?ぎゃーーーー!!ガクッ・・・」


「か・い・か・ん☆てへっ☆」


姫の顔が満面の笑みだったのが、秀吉の言葉の証明となったのだった




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