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先行く人、残った人

作者: 芦進伸哉

 さよなら、さよなら。

 消えゆく命。

 あなたの事は、忘れない。

 さよなら、さよなら。

 消えゆく命の灯火。

 こうしている間にも、あちこちで「命」言う灯火は揺らいで今にも消えようとしているのだろうか。


 サヨナラ、サヨナラ。

 さよなら、世界。

 あぁ、どうか泣かないで。私はそんな顔を望んだ訳ではない。

 サヨナラ、サヨナラ。

 さよなら、皆。

 お願い、泣かないで。 私は皆の笑顔が好きなの。

 こんな事を望んだ訳ではないのに。

 あぁ、神はまだ私に罰を、罪を、試練を与えると言うのか。


 望んだ死。 望まない涙。

 あぁ、どうか泣かないで。



 こんにちは、こんにちは。

 あなたが消えた世界。

 あなたが死んだと言うのに朝はまたやってくるの。


 この世界は、あなたと一緒に進んでいると思ってはいても結局あなたはあの日のまま止まっていて。

 あの日「どうしておいて行くの」と泣いたけれど、本当において行ってしまったのは私なのでしょうか。

 こんなにも大好きなあなたに、どうしてまだ酷いことをしなければならないのでしょう。


 ハロー、ハロー。

 初めまして、新しい出会い。

 あなたを忘れた訳じゃあない。

 都合がいいかもしれないけれど、あなたが作ってくれた出会いだと思うと嬉しくて涙が出そうになるの。


 さよなら、あなた。

 サヨナラ、世界。

 こんにちは、進んでいく世界。


 ハロー、新しい出会いと絆。

 私はあなたに何を残してあげられたのでしょうか。

 もしかしたらあなたを不幸な目に合わせてしまったかもしれない。

 私は後悔ばかりの毎日です。

 それでも、あなたと出会えてからの日々が私の中で色付いたままだから。

 だからきっと私はまた笑うのでしょう。

 笑って、涙して。怒るのです。それはあなたがくれた感情だから。

 だから後悔と、懺悔以外に言わせてください。


「あなたに出会えて、本当によかった!! 私は幸せでした」


 だからあなたも願わくば、幸せであるように。

 また、あなたと会えますように。

大切な人が亡くなった後、世界が終わるぐらいの感覚になった当たり前のように次の日はやってきて、他の人は何もなかったように生活を送っているのに衝撃を受けました。

そんな当たり前が少し受け入れられなかった数日間と、受け入れた時のお話。

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