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タロウ冒険記  作者: じょー
第3章 神秘を求めて
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第66話 その頃のルールト王国 その2

思い出した様に書いたから短いです!

もう少ししたらもう1話投稿します。

この話の次から4章です!



『ピヨ!ピヨピヨピヨ!!』

「ん?君は確か…以前にも手紙を、今回もそうか。」


私が書類仕事をしていると、窓をつつく前より一回り大きくなった鳥があの子から手紙を運んで来てくれた。前の手紙ではタロウ君と旅に出るとの事で心配もあったが…こうして手紙が来るという事は元気でやっているのだろうな。


「どれどれ…」


『お父様へ。

至急、知らせたい事がありまして手紙を書くことにしました。

私達は今真っ赤な火山で有名な国、ヒートテ国に居ます。


伝えたい事とは、魔族についてです。

先程、山の山頂で魔王ルウィンが精霊と戦っている所に出くわし、タロウが戦い負けました。幸いな事に見逃され、命はありますがタロウはとても悔しそうです。タロウが可哀想です。


それは置いておいて、タロウとの戦いの後に魔王は言いました、竜の加護を集め、使いこなすまでは表舞台には出てこないと。それがいつになるかは分かりませんが、3、4年以上は掛かると思います。


その間に魔族の幹部はどう動くか魔王も知らない様で、攻めてくる者も現れるかも知れないと思い、手紙を書きました。ルールト王国の戦力強化、3国での協力体制の見直し、他国への知らせはお父様に任せます。私とタロウもまだまだ鍛え直そうと思います。


お父様も体に気を付けてくださいね。カルミナより。


あ、あとタロウがキスしてくれたんですよ!嬉しかったです!』




「おい、誰か!至急、領地を持つ伯爵以上の上級貴族の当主に召集をかけろ!宰相!グラウェル家はリヨンを呼べ!これは大至急だ!!」


「は、はい!かしこまりました!」


タロウ…私の可愛い娘に…拐うのは良しとしたが…リヨンめ!


◇◇◇


「リヨン、やってくれたな…」

「へ、陛下、大至急という事で急いで参上しましたが…いったい何の用件にございましょう…」


「お主の息子のタロウの事だ!」

「タロウ?タロウがいったい何を?」


「あろうことか、カルミナと接吻をしたと先日カルミナから届いた手紙に書いてあったのだ!」

「へ、陛下。恐れながら、その用件で貴族を集めた訳ではありますまい。」


「そっちはあれだ、タロウが魔王と戦って負けたとか魔族の動きが活発になるとかの用件だ。」

「なんですと!?タロウが負けた?タロウは、タロウはどうなったのですか!?」


「落ち着け、命はあるらしい。二人は鍛え直すと手紙にはあった。」

「そう…ですか。それなら大丈夫です。接吻くらい、良いじゃないですか。予定通りですよ」


「うぬ…そうなのだが、いざ娘が年頃になると心配でな」

「カルミナ王女殿下はしっかりなさってます。心配するだけ無駄ですよ。なんせ相手はうちのタロウです。これ以上の優良物件はありますまい。はっはっは!」


「お前も親バカは大概だな。では、明日に集めた貴族に領地の防衛の強化をする方針を伝える。お前の所のウイングはまだ若い。明日はお前も立ち会ってやれ」

「はっ!かしこまりました。では、失礼致します。」



リヨンが部屋から退室し、1人になる。正確には姿の見えない護衛が潜んでる為に1人では無いがそれは何十年と続けば慣れるものだ。


「明日からの事を纏めねばな…」


私も部屋を出て宰相を呼び出し、明日の話し合いの為の準備を進めた。



◇◇◇


「ルールト王、それは誠の情報であろうな?」

「ウォンド王の言うとおりですな、魔族の動きが活発になるって本当ですかな?」

「我が娘が知らせてくれた事だ。私は信じておる。だからこうしてウォンド王、コフィン王と情報の交換、協力体制の見直しについて話し合いの場を設けたのだ」



ルールト王国での話し合いは自国という事もあり多少のいざこざはあったものの…とりあえず、貴族達も行動を開始してくれている。


今日はルールト王国、ウォンド王国、コフィン王国で三国同盟を結んでいる事もあり、各国王に集まってもらって話し合いをしていた。


「今後の魔族の動きに合わせて各国の戦力強化はもちろん、幹部クラスとなったら協力要請もあると思われる。その時に問題なく事が運ぶようここで話しておきたいのだ。」


「それにしても魔王の強さが見えて来ませんな…」

「どれ程の強化を図ればいいのやら…」


「手紙には、覚えて居ますかな?昨年の我が国のタロウという生徒を」

「居ましたな、うちの娘のコインが今年会えなかったのを残念にしてましたよ」

「我が息子もリベンジに燃えていましがたね。たしか、彼は魔法の才能が豊かだったはず」


「そうです。そのタロウが魔王には届かなかったそうだ。本人達からの手紙は無事を知らせるものだったが…タロウが負けるとなると、魔王軍の質は高いやも知れませぬ。出来る限りの強化は図るべきでしょう。」


「なんと!?そうであったか…コフィンは武力より知力がメインですから戦略を考え直さねばなりませんね」

「たしかに、それなら三国での協力体制も見直す必要がありそうですな」


「コフィン王、ウォンド王、協力して事にあたりましょう。他の国々には私から手紙を出して、協力し合える隣国と手を組むよう伝えておく事にします。では、話し合いの続きを…」



三国との話し合いは1日では纏まりきらず、2日、3日と過ぎていった。三国とも納得出来る案を擦り合わせるのに時間がかかるのは仕方ない事と割り切って、次のやる事へと向かう。


「宰相、他国で大きな国へ手紙を送れ。その際に近隣諸国へと通達もお願いするよう書いておけ。どの国に攻めいって来るかは分からんが、海のある国にはより警戒するようにと伝えろ!」


「かしこまりました。すぐ手配します。」


「各国からの使者が来た場合は我が息子達に相手をさせよ。手紙の返信は宰相、お前に一任する。」


「お任せください。陛下、少しお休みになられては?」

「…疲れてる様に見えるか?」


「少し…」

「そうか。少し仮眠を取って来る。軍への指示はヴァナール侯爵に任せるよう伝えよ。民には噂レベルで情報を流しておけ、いきなりだと混乱もするだろうからな」


「仰せのままに。」

「では、少し離れる」



はぁ…とりあえず出来る事はしたから、あとは魔族が動き出す前にどれだけ国が強くなれるかだな…。


カルミナ、私は頑張っているかな?

たまには帰ってきてもいいんだよ?


タロウ君には少しお話があるけどね



◇◇◇


???「へっくしゅい!」



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