第5話 タロウ、姉に頼る
本日2話目です。よろしくお願いします。
ニーナ姉さんの部屋の前まできた。
「にーなねぇ、おりますかー」
部屋の中から足音が聞こえてきた
「タロウちゃん、どうしたの!」
ニーナ姉さんはとりあえず元気だな。まずは餌付けから始めよう。
「あのね、すりむにおかしもらったからにーなねぇと食べようとおもって」
「タロウちゃんは、いい子ね!お姉さんの事が好きなのね!」
思考がぶっ飛んでるが、元気だしとりあえず合わせておくか。
「うん。にーなねぇすきー」
「きゃー!タロウちゃんかわいい!さっそくお部屋で食べましょう!お茶をいれてこないとね!」
コンコン、ドアがノックされた。
「タロウ様、ニーナ様、お茶をお持ちしました。」
ここに来る前にサシャさんに紅茶をお願いしている。抜かりはない。
「タロウ様、ニーナ様、片付けるさいにまたお呼びください。」
サシャさんはすぐに出ていったが好都合だった。
お菓子をむしゃむしゃ食べてニーナ姉も上機嫌そうだな。さっそく聞くか。
「にーなねぇはまほうってつかえるのー?」
すると、ニーナ姉はすんごい得意気な顔になった。
「私はね、火魔法と風魔法と水魔法とに適性があったみたい。適性ってわかる?相性がいいって意味よ!」
3つも魔法適性があるのか。多いのか少ないのかわからんな。でもなんかニーナ姉さんにぴったりな魔法だな。特に火と風。
「タロウちゃん?今なんか変なこと考えなかった?」
す、鋭い。とりあえず首を横に振っておく。
「そう?…それでね!他のスキルとかもあって父様も母様も喜んでくれたわ!」
スキル…そうスキルね。なんぞ?スキルって。
「にーなねぇ、すきるってなんですかー?」
「スキルっていうのはね。その人が習得した特技ってやつよ!特技って分かる?得意なことって意味よ!」
なんとなく分かった。話を聞くと、魔法も棒術も礼儀作法も裁縫もスキルで纏められているらしい。
そういえばニーナ姉さんは棒をよく振り回してたな…
「にーなねぇ、すきるってどうやってみるのですかー?」
「魔力を言葉にのせてステータスを見るのよ!」
ニーナ姉は終始どや顔してるけど、そこがわかんないんですよ姉様。
「まりょくをのせるってなんですか?」
シンプルに聞いてみることにしよう。今のニーナ姉なら何でも教えてくれる気がする。
「うーん。タロウちゃんはまだ5歳じゃないから難しいかもね!」
5歳ってなんかあるのか?
「5さいになるとなにかあるのですかー?」
「5歳になったらね、教会で成長の儀をするのよ!そしたら魔力を感じられるようになるんだって!」
教会で成長の儀か…なんかうさんくさいな。なんとなくだけど。
「でもね!まだ魔力の操作が上手くできない内は魔法を使っちゃダメなんだって!母様も父様も言ってたわ!」
「にーなねぇもまだまほうはつかってないんですか?」
「そうよ!まだ魔力を扱う練習中なの!暴走したらバーンってなるんだって!だから、練習も1人でしちゃダメだって。」
こえぇーーー!!魔力こえぇーーー!
だから母様もウィング兄さんも教えてくれなかったのか。
大人しく5歳までは他の出来ることしておこう。どんな魔法が使えてもいいようにしとかなくっちゃ。
ニーナ姉がいきなりステータス!と言葉にした。
「タロウちゃんには特別に私のステータス見せてあげる!ほんとは見せちゃダメって言われたけど!」
これはニーナ姉に感謝だな。またお菓子を差し入れしよう。
名前 ニーナ=グラウェル 5歳
HP 100/100
MP 200/200
スキル:火魔法、水魔法、風魔法、棒術、礼儀作法
エクストラスキル:
なるほど。気になる事が多いな。
「にーなねぇ、れべるはないのですか?」
「タロウちゃん、れべるってなに?」
書いてないし、無いのかもと思ったがやっぱないのか。
「ま、まちがいました。HP,MPのよこのすうじはふえないのですか?」
「そ、そうなの?まぁ、いいわ!もちろん増えるわよ!」
これは増えるのか。
「HPって言うのはね体力みたいなものだから走ったり、身体を鍛えるといいわ!,MPはね魔法を使うための魔力のことで、使えば使うほど魔力を溜める器的なのが増えるのよ!」
「HPもMPもへったらどうするのですか?」
「普通なら、HPは回復魔法を使うか寝るとかお薬で回復するわね!MPは自然に回復するのを待つかこれもお薬ね!」
……ヤバいお薬じゃないことを願おう。
「さいごのえくすとらすきるとはなんですか?」
「これは…なんかすごいスキルよ!ある人と無い人がいるわ!ある人の方が珍しいわね!」
詳しくは知らないんですね。
でもだいたいは分かってきたな。ニーナ姉は博識だな。困ったらニーナ姉を頼ろう。
よし、やれることはあるな。魔力についてはやめておくけど、体力作りから始めますか。
こうしてさらに3年が過ぎ5歳になった。
誤字脱字がありましたら教えてください。