第48話 タロウ、精霊の場所を知る
急いで書いたので誤字脱字があるかもしれません。見つけたら報告お願いします!
朝早めに目を覚まして、すでに日課になりつつあるカルミナのヨダレを拭いてからリリーとトリーに朝ご飯をあげに来ていた。馬小屋の周りは少し広めのスペースになっているため、朝のトレーニングに使わせてもらった。
「ふぅ…リリー、トリーどうだった?」
「ヒヒィーン!」
「ヒヒブルルゥ~」
「なるほど!ルミナスがいないと全く理解出来ないが褒めてくれてるっぽいな…そろそろカルミナ起こして朝ごはんにするか。」
部屋に戻るとカルミナは寝起きの様だが既に起きていた。
「あれぇ?タロウ…へへ…すぴー…」
「ほら、シャキッとしろ!食堂で朝ごはんにしよう」
「朝ごはん…?着替えなきゃ……すぴー…」
「…しょうがない。軽い物を作って貰っておくから寝てて良いぞ」
「すぴー…すぴー…」
カルミナを起こす事に失敗したけどたまにああなるし、放っておいて先にご飯を食べに食堂までやって来た。どこの宿でも朝は冒険者や旅人で賑わっている。
「あら、おはよう。空いてる席に座ってね。」
「あ、はい。あとお昼に食べるやつを何かお願いします。3人分」
「分かったわ。お代は渡すときに頂くわね。すぐ朝ごはん用意するから」
「分かりました」
運ばれてきた朝ごはんは、パンに肉と野菜のスープと果物だった。味も良いし量も丁度よかった。食べ終わる頃にはお昼に食べる軽食も出来ていたからお金を払って部屋に戻ってきた。
「カルミナ…」
「すぴー…タロウ…へへ…」
『ご主人ッピ!助けて欲しいッピ!』
部屋に入ると、ピヨリを抱き枕代わりにしてまだ寝ているカルミナの姿があった。ピヨリはふかふかして羽根もなめらかだし気持ちいいのは分かるが苦しそうだ。…起こすか。
「カルミナ!起きろ!」
「んえ?あれ?さっきまで私はタロウと…」
「何の夢かは知らないけどピヨリを離してやれ。」
『助かったッピ…』
「ご、ごめんねピヨリ」
「ほら、顔洗って来いよ。ギルドに行くぞ」
「は~い。少し待ってて」
カルミナの髪をとかしたり、何やかんやでだいぶ時間が過ぎていった。カルミナの準備の時間も考えて俺は起きてるのにカルミナ自身が全然起きないなら全く意味がないんだよな…
「お待たせ!さ、行くわよ!」
「ようやく目が覚めたようだな。よし、行くか」
部屋の鍵を閉めて、無くさないようにアイテムボックスにしまいギルドへと歩いて行った。
ギルドでは朝のラッシュが丁度過ぎていったのか、人はそこそこで混雑は無かった。受付も空いてるしカルミナの寝坊もこれは良かったかも知れない。ギルドの片隅にはジャガー達が座ってこちらの様子を伺っていた。はぁ、暇な奴等だな。
「すいません、精霊についての情報が欲しいんですけど。」
「金貨1枚となっておりますが」
「あ、はい。払います」
「少々お待ち下さい。」
もともと纏められているのか時間にして1分もかからずに受付の方が戻ってきた。
「持ち出しは出来ませんのでご注意下さい。読み終わったら受付までご返却お願いします。」
「分かりました。ありがとうございます」
俺とカルミナは貰った資料に目を通して驚いた。
「やっぱ、情報の量が違うな。…お?見てみろカルミナ。精霊魔法が使える人が実際に行った所だってよ!」
「凄いわね…でもこの人上位精霊とは契約出来なかったらしいわよ?ほら、下の方に…」
「どれどれ…。『私は中位精霊までとしか契約出来なかった。それでも十分なのだが私より才能のある物がいるならここに行ってみるといい。風の上位精霊の居るとされる迷いの森。火の上位精霊が居るとされる灼熱の火山。水の上位精霊が居るとされる静寂の湖。土の上位精霊が居るとされる土石の洞窟。私が知っているのはここだけだ。私は精霊の元にすら辿り着けなかったが精霊に愛されし者よ、健闘を祈る』…なるほど。これはありがたい情報だな。中位精霊と契約出来た人でも辿り着けなかったとなると…結構大変かもな。」
「受付で正確な位置を聞いてみましょう?」
「そうだな。……すいません。迷いの森、灼熱の火山、静寂の湖、土石の洞窟って場所を教えて貰いたいんですけど。」
「銀貨4枚です。」
「……はい。」
「地図はお持ちですか?」
「この周辺の物なら。」
「迷いの森でしたらこの国の中ですのでそれでもいいですが、他の3ヶ所は他国の領土内にありますから……ここに大まかですが他の国の位置も記された地図がありますけど…金貨2枚で。」
「…買います。」
「ありがとうございます。では、先ほど仰られた場所に印を付けておきますね。迷いの森はこの街から北に進んだ所にあります。灼熱の火山はここから南にずっと下った所ですね。真っ赤な山が見えたらそれが目的地です。静寂の湖はここから南東方向に進んでください。だいたい森のこの辺りですね。正確な位置は近くの村の住人に聞けば分かるでしょう。住人が知らなかったら目的地はまだ先だと言うことです。最後の土石の洞窟はここから南西方向ですね。だいたいこの辺としか言えないのが申し訳ないです。」
「結構遠いですね…ありがとうございました。」
「余談ですが、他の上位精霊は西のレストア大陸、東のラースト大陸、魔族の住むリンガ大陸にもいるとされていますよ。余談ですが。」
「…ありがとうございます。まずはこの大陸からだな。カルミナ、どこからにする?」
「そうね…近さ的に迷いの森で良いんじゃないかしら?」
「そうだな、そうするか。…でも、金が少ないし食料も買っておきたいから宿のギリギリまではクエストだな…」
「そうね…何か割のいいクエストはあるかしら?討伐は…」
「俺達の仮登録の仮って外せますか?」
「そうねぇ…君達ランクは?」
「昨日Cランクになりましたけど…」
「え!?もうCランクなの!?凄いじゃない…そうね、年はいくつ」
「11歳よ!」
「ちょっとうちのギルド長に聞いてくるわね。少し待ってて」
「いけるかしら?討伐クエストが出来るようになったら稼ぎも良いんだけどね…」
「この街からダンジョンは移動で時間取られるから周辺で狩れたら楽だよな」
少し時間はかかったがお姉さんが戻ってきた。
「ギルド長と話し合ってきたけど、ギルド長からは討伐クエスト受けてみて問題ないなら仮登録から本登録にしてもいいって許可が出たわ!どうする?早速何か受ける?」
「ええ、お願いします!」
「報酬が良いのをお願いするわね」
「うーん、この街から東に馬を使えば1時間の所にビス村って所があるんだけど…そこからクエストが出てるわ。最近森から出てくるゴブリンや猪とか狼なんかに作物が荒らされてるらしいの。それの退治ね。Cランクならこのレベルになるけど受ける?」
「馬で1時間なら大丈夫かな?問題によっては泊まりになるけどその分素材を集めればいいし」
「そうね、そこにしましょうか。」
俺達はクエストを受けてから必要な物を揃える為にミシラン商会に立ち寄った。
「いらっしゃいませ、おや?君達は昨日の…店長がだいぶ褒めてたよ。今日は買い物かい?」
「はい、ちょっと食料の補充に。あと、ここら辺で金属を扱ってる店ってありますか?」
「タロウ、金属なんて何に使うの?」
「ちょっとした秘策かな。」
「金属ならここから少し歩くけど噴水のある広場から工房が集まってる区画に行けばどの店でも買える筈だよ。」
「なるほど、工房に行けばいいのか…ありがとうございます。」
ミシラン商会で割引して貰った肉やら野菜なんかを買って、言われた通りに工房の方へやって来た。
…ギルドを出てから1人だけ着いてきている。おそらくジャガーのパーティーメンバーで他のメンバーはビス村へと向かっているかもしれない。…はぁ、邪魔だなぁ。
「うーん、ここは武器屋か?この店でいいか。すいません細い金属か細い鉄ってありますか?出来れば長いのがいいんですけど。」
「ああん?なんだ坊主は?細い金属か鉄だと?うちにはねーよ!」
「そうですか…。どこかありそうな店か工房って分かりますか?」
「あー、あれだ。ここ出て左に行ったら細工店があるそこなら細いもあるんじゃねーか?」
「ありがとうございました。…カルミナ、ナイフは大丈夫か?俺のもう刃こぼれしてるんだけど」
「そう言えば私のもそうね…」
「すいません、おじさん、素材を剥ぎ取る用のナイフ2つお願いします。」
「あいよ!」
ナイフを新調してからおじさんに教えて貰った細工店にやってきた。
「すいません、細長い金属か細長い鉄ってありますか?」
「いらっしゃい、鉄線ならおいてあるよ?でも、驚いたな。うちの親父が悪ふざけで作った物を欲しがるなんて。ちょっと待ってて」
鉄線ある事にホッとして悪ふざけとはいえ作った親父さんに感謝した。
「ほら、親父がこの柱にぐるぐるに巻き付けちゃったりして…一体何に使うのやら」
「畑の害獣避けに使うんですよ。魔法なら雷を帯電させとく事も出来ますし、鉄をギザギザにして触れると傷付くようにしても良いですし。」
「タロウの言っていた秘策ってそれなのね!」
「俺達が魔物を倒したってあいつらすぐに増えるだろ?冒険者にしたら美味しいけど作物を育ててる人からしたらたまったもんじゃないしね。」
「…なるほど。それは盲点だったな。…うん。売れるかも知れない!君、そのアイデア貰ってもいいかな?代わりに鉄線が欲しくなったらいつでも無料で提供しよう!」
え?ありがたいけどいいのか?いや、いいか。せっかくの申し出なんだからありがたく受け取っておこう。
「良いですけど、安売りはダメですよ?冒険者の仕事が無くなったら暴れだしますからね。まずは囚人のいる刑務所あたりに売り込むのが良いと思いますよ。」
「うん、うん。君はどんどんアイデアを出してくれるな。参考にさせて貰うよ!ありがとう」
この鉄線を売り出した事で紆余曲折あったがこの細工店はどんどん大きくなっていった。後の店主は鉄線の使い方は子供に教わったと言っていたが信じるものはおらず店主の謙虚さと実力が買われるだけとなったのはまだまだ先のお話。
◇◇◇
「さ、必要な物も手に入れたしリリーとトリーの所に戻ってビス村に行きますか」
「ねぇ、尾行はどうするの?」
「とりあえず馬に乗って街から出たら尾行のやつは大丈夫だけど。他のメンバーが馬車を借りて移動してたらあいつらがどこかで待ち伏せしてるかもな」
「今更ながら面倒くさいわね…」
Cランクは正社員みたいな、ようやく一人前になれた感じだから調子に乗る冒険者が1番多い。これがBランクの課長クラスになると落ち着いてくる。CランクからBランクには実力だけじゃなく人柄も見られるから上がるのが難しいんだよな。
「カルミナも煽られてすぐキレてたらBランクには上がれないぞ?」
「わ、分かってるわよ!」
まぁ、11歳でCランクってのも大分早いんだけどね…。
宿に戻って来て、早速リリーとトリーの準備をした。2頭とも走れる事を知ってか嬉しそうに鳴いている。
「カルミナ、ご飯まだだったろ?これ作って貰ったやつ移動しながら食べよう」
「ありがとうタロウ、リリー、トリー果物も買ってあるから頑張って走るのよ!」
「ヒヒィーン!」
「ヒヒブルルゥ~」
俺達は尾行してた男に宿は知られたが、とりあえず撒いて街を出た。
リリーとトリーの調子もよく。1時間をだいぶ下回る時間でビス村へと辿り着いた。ジャガー達を見なかったから先に森で待ち受けてるのかもしれない。
「ここがビス村か。木で作った柵とか壊されてるな。」
「そうね、とりあえず村長さんの家へ行きましょう。だいたいは1番大きい家よ」
俺達は村の奥に見える大きい家に向かって馬を走らせた。
今日で投稿を始めてか1ヶ月ですね。
これからもよろしくお願いしますす!(´ω`)




