第19話 タロウ、パーティーメンバーが増える
本日2話目です!よろしくお願いします!
ハルベンデちゃんと教会の近くにある家に入り早速本題に入った。
「ハルベンデちゃん、僕が神の使徒ってどういう意味だい?」
「昨日、ハルミナ様に夢で会いました。その時に言われたのです。」
昨日のハルミナ様の独り言で厄介な事が起こるとは思ったがこれか…
「でも、夢なんでしょ?」
「夢だけど夢じゃなかったんです。指輪を託されてます。」
学園で渡そうとしてきた指輪か…どこにでもありそうな普通の指輪だな。
「タロウ様に渡す様に言われました。私にも普通の指輪にしか見えないでしけど…」
誰が見ても普通の指輪か………鑑定!
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タロウ、貴方がこの指輪をみて……
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ふぅ…やっぱりか。夢で本当にハルミナ様に会ったんだな。
「ハルベンデちゃん、君がハルミナ様に会ったと言う事は信じるよ。だが、俺は使徒でもなんでもない」
「その指輪に何か書かれていたのですね?」
「あぁ、チラッとしか見てないがこれはハルミナ様からのものだな」
「やはり、タロウ様は使徒様なのでは?タロウは私のモノとおっしゃられておりましたよ?」
ハルミナ様どんなこと吹き込んでいるんだよまったく…
とりあえず、指輪をちゃんと読んでみるか…
なになに。
要約すると…
この子が貴方と一緒に行動する子ですよ。これで寂しくない!
この子に降臨術を教えてあげて。お願い!
やっぱり貴女を分かっているのは私だけ!好感度上がったかしら?
あと、タロウちゃんは私の使徒よ!次に会ったときに繋がりを強めるからよろしくね。
…という事が書いてある。なんだこのはた迷惑な文字列は…
「あの、ハルベンデちゃん?夢の内容詳しく教えて貰えるかな?」
「わかりました。内容は……」
「…そうか。いいのか?勝手に予定を決められてる訳だが。とりあえず降臨術は教えるけど魔力を馬鹿みたいに消費するからまずは魔力値を増やしてからになるし、時間はかかるぞ?」
「タロウ様のお邪魔にならなければお願いしたいのですが…ハルミナ様からの信託も守りたいですし…」
ハルベンデちゃん…健気すぎて…何かもう…ね。
「それと、どうしたら魔力値上げられるのでしょうか?私、メイスを振る事は出来るのですが魔法の方は…」
魔法を何も覚えて無いのか?なら魔力の扱いからしないといけなくなるんだが…
「魔法を何も習得していないのか?教会で修行すれば回復魔法を使えるようになると聞いているんだけど」
「いえ、修行はメイスを振っているだけで…魔力は扱えますけど、魔法は…その…」
どうも歯切れが悪いな。ステータスに問題ありか?ごめんハルベンデちゃん。鑑定!ステータス!
ハルベンデ=イノール 10歳
HP 270/270
MP 100/100
スキル 棍棒術 回復魔法 家事炊事
エクストラスキル 神の信託
体力は平均より大幅に高くて、逆に魔力は低いのな…
あー、あるのか。…見てみるかエクストラスキルの効果を。
神の信託:眠ると神ハルミナから信託を受ける事がある。
この子……なんて可哀想な子なんだ…夢にハルミナ様が出て来て信託を授かるなんて…今回の様に無茶振りされて辛いだろうに…
「ハルベンデちゃん、聞いていいかな?回復魔法って普通どのタイミングで使えるようになるのかな?」
俺は最初から使おうと思えば使える。加護があるからな。だから、修行の末に使えるようになる基準のポイントを知らなかった。
「お祖父様が言うには、修行して、努力の末にハルミナ様が器があると判断すれば使えるようになっていると教えられました。」
「それじゃあ、修行してないのにハルベンデちゃんが使えるのはやっぱり……エクストラスキルのせいなのかな?」
ハルベンデちゃんの体がビクッと反応した。
「どうしてそれを!?何で分かったんですか??エクストラスキルは誰にも話したこと無いのに…」
おう…ハルベンデちゃんが驚いた顔してる。意外と表情豊かじゃん?
「ハルミナ様に貰ったスキルのおかけだ。それで納得しておいてくれ」
「なるほど、分かりました…。す、すいません使徒様に隠し事なんて…」
あ、それでいいんだ。ヤバい、使徒説がぶり返してるな。
「使徒じゃないっての。それにこっちこそごめんね、勝手にステータス覗いて。でもこれからのする事は決めたよ。やっぱり俺と一緒に行動してもらう。もちろん、暇な時だけでいいから時間を作って欲しい。まずは光魔法を覚えて、それ中心に他も鍛えていこう。」
「は、はい。よろしくお願いしますタロウ様」
「様は止めてくれ。あと、俺がスキルを覗ける事は内緒にして欲しい。俺もハルベンデちゃんのスキルは口外しないと約束しよう。」
「分かりましたタロウさ…タロウさん!今後ともよろしくお願いします。」
「ああ、俺達はもう反ハルミナ様同盟だ!」
「友達…初めてできました!ハルミナ様信仰同盟として頑張らせてもらいます。」
ハルベンデちゃんは無表情だから友達が出来ずらかったのかも知れないな。こうして話すと色んな表情がみれて楽しいのにな。まだまだ表情が乏しい部分もあるが、仲良くやっていけそうだ。
その日のうちに冒険者ギルドへ行き、仮登録も済ませておいた。これで一緒に行動出来る時間も増えるな。ハルミナ様の思惑通りかも知れないが、あんなエクストラスキルを持っているハルベンデちゃんは見捨てておけなかった。
「ハルベンデちゃん、魔力を伸ばす為なんだか、寝る前に魔力をギリギリまで使ってから寝るようにしてくれる…かな?慣れないうちは大変かも知れないけど魔力を伸ばすには効率のいい事なんだよね」
「分かりました。タロウさん…私の事はハルベンデじゃ少し言いづらいですよね?ハルとかハーデと呼んでください。」
「何か気に入っちゃったからたまにはハルベンデちゃんって呼ばせてね…でも、普段はハルって呼ばせて貰います。」
それじゃあ…と、ハルに手を振って学園に帰宅した。
寮の近くに待ち伏せていたポンコツ姫こと、カルミナに滅茶苦茶質問されたがテキトーに答えて叩かれたのはまた別の話。
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