第17話 タロウ、再び教会へ
よろしくお願いします。
翌日、カルミナと合流して黒髪にし、まずは防具を受け取りに行った。防具屋の店長はいつも勢いがすごい。が、仕事は丁寧なようでカルミナも丁度いいわ!と絶賛していた。そして冒険者ギルドにやってきたわけだが……
「なによ!なによ!また絡んできて!クエストでも受けてさっさと仕事しなさいよ!」
「うるせぇ!くそガキが!この間の事忘れてねーんだぞ!」
…何やってんだあいつらは…とりあえず無視だ無視。受付に行こう
「すいません、Fランククエストで何か丁度いいのありますか?」
「あの、お連れ様はよろしいのでしょうか?」
「知らない人です!採取クエストかお使いクエストで手頃なのがいいですね。」
「そ、そうですか。クエストですね、ギルドカードを拝見させてください。今あるのですと…タロウさんは氷魔法が使えるのですね?最近暑くなってきましたので教会の内部を涼しくして欲しいという依頼がきてますね。賃金は安いですが毎日1人は受けられるやつですよ。とはいっても、氷魔法は珍しいのでめったに受ける方は見つかりませんがどうでしょうか?」
教会か………うん。却下だな。なんかヒンヤリしてきたし。まだ冷やさなくてもいいな。
「あのー、他にはありますか?」
「王都の外に生えている薬草の採取や工房の手伝いなどありますがどうされますか?」
(久しぶりに会いに来てくれるのですね。待ってますよ、ええ、会えるのを今か今かと待っています。)
聞こえない聞こえない。
「そういえば、この教会って私たちが成長の儀を受けたとこじゃない?久しぶりだし行ってみましょうよ!お姉さんこれお願いします!」
何してんだバカ!あぁ!受理されたじゃねーか!騒がしくハゲと口論してろよ!
「何してんバカ!ハゲと口論しとけよ!」
「ハゲはしつこいから嫌よ!というか助けなさいよ!あと、クエストも1人で決めないで相談してよ!」
「テメェら!ぜってぇ許さねぇかんな!」
確かに相談無しで決めようとしたのは悪かったけど教会は選ばないで欲かったな…
嫌いじゃ無いよ?嫌いじゃないけどなんか怖いんだよハルミナ様は!
しょうがない…さっさと行って帰ってきたらデザートでも食べに行こう…
「はぁ、わかった。教会に行こう…ハゲが見てるからダッシュでな」
「分かったわ!最短ルートでいくわよ!」
そして俺らは初クエストを受けて教会へ向かった。
◇◇◇
「すいませーん、クエストを受けて来ました!」
「おやおや、良く来てくれたね。涼しくして欲しいのはこの広間なんだが大丈夫かな?」
「えぇ、このくらいの広さなら僕の魔力でも足りると思います」
「それは凄いね…見たところ私の孫と同じくらい若いようだが…」
「あ、はい!今年学園に入学して少し前に冒険者になったばっかりですが…あ、僕はタロウって言います。彼女はカルミナです。普通のカルミナです。」
「そ、そうかい、それではよろしく頼むよ。そうだ、先にお祈りでもしていくといい、これからの冒険者生活の為にもね」
「そうね!お祈りしていきましょ!私達の今後のためにも」
はぁ…まぁ、大丈夫だ…そうきっと大丈夫。うん頑張れタロウ!やれば出来る子!
そうしてハルミナ様の銅像の前で手を組お祈りポーズをした、やっぱり意識は飛んでった。
◇◇◇
……やっぱり来ちゃったかぁ。あれ?でも姿がみえな…
「だーれだ?」
この空間でまさかそんな事をされるとは思っておらず硬直してしまった。
「…………ハルミナ様?いったい何を…?」
「男女の待ち合わせはこうするときいたわ。やってみたかったのよ。」
けして男女の関係などではない。人と神の関係、または転生する者とさせる者の関係だ。
「5年ぶりですね。お久しぶりです」
「5年ぶりじゃないわ、ずっと視ていたものたまに目は離すこともあったけどずっと視てたわよふふふふ」
ちょっと待って欲しい。そんな話は聞きたくない。軽くホラーだ。いや…ふふふふじゃなくて、たしかに今までに声が聞こえた気がしない事もないけど…
「そ、そうですか。見守ってくださりありがとうございました。タロウの次回作へご期待ください」
なんて、打ち切られた週刊誌の漫画の最終回に書いてありそうな事をいってみたが、ふふふの表情から変わらない。
「えっと、それでは今日は仕事がありまして、この辺で…」
「この空間は大丈夫ですよ。貴方と少しでも話す時間を増やそうと頑張っているのですから。嬉しいですよね?嬉しいでしょ?分かってますよ、私には分かるのです。」
いったい俺の言葉はどう翻訳されてるのだろうか?会話が成立してないぞ…。
それからハルミナ様から質問されまくった。一応ちゃんと答えてはいる。普通に会話をしている分にはかなり楽しいと思えるんだけど…。
するとふいに…
「そういえば、カルミナという子はなんなのですか?」
…これは普通の質問のはずだ。空気は重くなってないし、言葉も強くなってはいない。
「彼女はいずれパーティーメンバーになって貰う予定ですね。彼女の能力は高いし精霊魔法は強力ですし…」
「ですが、貴方だって出来るでしょう?私の加護があるのだから」
「いえ、まぁそうですけど。その件はありがたいですけど、どうしてもソロじゃ出来ない事もありますし…」
どうしま……私は……し、そうだわ……を送り……、そうすれば……あの子……私も……ふふふ
ハルミナ様が静かになった。何か良くない事が起きるのは分かる。ブツブツ何か言ってるもん。こういう時はだいたい厄介ごとが起きる。
「分かりました。1人じゃ寂しいというあなたの願いを私がど叶えましょう」
いや、言ってない。そんな事は一言も言っていない。
「ええと…何です?」
「大丈夫よ…全て私に任せてくださいね。貴方の事は私が守りますから何も心配しなくて大丈夫ですからね。でも、とりあえずあなたは修行でもしていきなさい。修行しているところを私に見せるのです。」
何をするつもりか分からないがとりあえず身体を動かす事にした。身体を動かしてる間は何も考えずに済むし、ここでなら魔法の練習も存分にできる。それはここに来て嬉しい事の1つだ。2つ目は…ないかな。
それから十分に魔法を使ったり身体を鍛えたりした。ぶっちゃけここで身体を鍛えても意味はない。だが、魔力は何故か成長する。肉体は置いてきているが精神はここにあるからだろうか?
身体を動かしてるのは型の練習になったりするからだ。
「ハルミナ様、ありがとうございました。もうそろそろ戻らせてください。」
…早く……成長…………しても……私が…………降り……
いつの間にかブツブツが再開されていた。
「ハルミナ様?おーいハルミナ様ー」
……まずは…………あの子に…………ないと……
「ハルミナ!」
「ひゃい!う、うん。タロウ、あまり大きな声を出すものではありませんよ。あともう1度名前を呼ぶのです。」
「ハルミナ様」
「違います。様は不要です。貴方は私の、私は貴方のモノ……私達はそうでしょ?」
「ハルミナ様、違います。違いますし意味分からないですよ?」
「照れなくてもよいのです。すぐです。すぐまた会えるようにしますからね?その時は名前だけで呼んでくださいね。では、戻りなさいタロウ。愛してますよ」
◇◇◇
……戻ってきたな。落ち着け、まずは深呼吸だ。すぅーはぁーすぅーはぁー……
どうしよう!!!すぐって言ってたぞ!?神単位でのすぐか?ヤバいぞ今日で会ったの3回目だぞ!?どこを気に入って貰えたのかホントに全然わかんないぞ!神のみぞ知るってか?……ちょっと上手いな……じゃなくって、会うたびにヤバくなっていく…逃げ道は……ない!
落ち着こう、落ち着こう…
「た、タロウ?ちょっと大丈夫なの?顔色悪くない?」
「大丈夫、大丈夫。ちょっと神に脅されただけだから」
「大丈夫なのそれ!?アンタ何したら脅されるのよ!…っていうか脅されるって何よ!」
カルミナ、早く強くなって俺を助けてくれ…出来れば神から守れるくらいには強くなってれ。
「とりあえず、クエストをこなそう。そして早く帰ろう…」
大急ぎで教会の中を冷やした。今日1日くらいは持つようにしてるからクエストはこれで大丈夫だな。
「タロウくん、ご苦労だったね。後はこの紙をギルドに提出して報酬を貰っておくれ。評価は1番いいのにしといたからまたお願いするよ。」
すいません神父。たぶんきっとめったには来ません。来てもお祈りはしないです。
「あ、いえ、ありがとうございました。では失礼します。」
教会を出てギルドに行って報酬を貰い、今日はもう帰ってきた。
ほぼ無条件に愛されるとか何か怖いよな。俺がどちらかというと愛したい派だからかな?まぁ、少しは愛されたい気持ちもあるけど。
(分かりました。愛してください。)
……今日は疲れてるしもう寝てしまおう。明日は学園の授業もある し、頑張らないと!
だが、クラスにあんな奴が居るせいで明日が混沌となる事を、この時点では知るよしもなかった…。
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