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タロウ冒険記  作者: じょー
第4章 修行 ジパンヌ
129/148

第129話 タロウ、マツリ様に驚く

お待たせしました。

その割りに短いですが……

今後はこのくらいの量で、少しでもペースをあげられたらと思います!


よろしくお願いします!



マツリ様に机を挟んで正面に座って貰い、話す体制を整える。俺の横に座ってお菓子を食べている紅緋は無視だ。大人しくしている内に話してしまおう。



「マツリ様、本当に俺達についてくるのですか?あと、二年もしない内に……旅立つ事になりますが」



魔族との戦いになるだろう。平和に旅行するのとは訳が違うし、危険だ。



「タロウさん、少し外へ良いですか?」



そう言ったマツリ様は俺の返事を聞かずに立ち上がり、外へと出て行く。どういうつもりか分からないが、行くしか無いみたいだ。


外に出たマツリ様はいつも練習で使っている二振りの刀を手にしていた。なるほど、ここまで来たら流石に分かる。俺もアイテムボックスから刀を取り出して、距離を取り構える。



「タロウさん、私の成長を見てください。タロウさん達にはまだ遠く及びませんが、あの時の……守られるばかりの私ではない事を、見せます!!」



――空気が変わった。


あのお姫様がここまでの殺気を放てるとは……師匠の双葉さんのお陰か、才能か……もしかすると、その両方が掛け合わされたお陰かもしれない。だが……本気なのは伝わってくる。



「マツリ様、集中力を切らしたら……見失いますよっ!」



俺は足に魔力を集めて部分的に身体強化を発動させ、大きく上に跳んだ。



「はぁぁぁぁ!!」



マツリ様用にあえて声を出したが、必要は無かったみたいだ。回避と同時に顔への攻撃。それだけでも昔の魔法無しの俺より強い事が分かるレベルだ。



「タロウさん……今だけは舐めないでくださいね――身体強化 足」


「なっ!?……っぶね!!」



不意を突かれたってレベルじゃないぞ!身体強化まで取得だと!?修行を始めてから今日までの期間でコレほどとは……面白い!



「いつの間にそこまで成長なさったのですか?」


「秘密です!が、双葉師匠は言ってました――熟練度を高めるにしても覚えて無いと、そもそもがゼロだと」



うちの先生もスパルタだが……双葉さんも中々だな。最もだとは思うけど



「うふふ、それにタロウさん?私……魔法も使えるのでしてよ?」



マツリ様から水の弾丸が三発放たれる。それを身体を捻り、バネを活かして跳んで回避する。地面が抉れる威力を……よくもまぁ、平然とやってくれるなぁ。



「本当に驚かせれるよ……今度は俺から攻めさせてもらう」


「まぁ、タロウさんから攻めるだな、ん、て……」



言い方よ……っと、危ねぇ!!また水魔法、おふざけも罠かよ……。ベリー先生からは学べない系統の技だな。色気が無いもんなぁ。



「油断出来ないな……うし、行くぞ!」



足に力を込めて地面を蹴って一気に近づき……そのまま刀を振り下ろす。……回避を選んだか、腕力の差を考えれば正解だな。だが、まだ終わりじゃない。



「ふっ!」


「うくっ……」



この距離なら手数の多い双葉さんの方が有利だが、俺は刀を槍の様に突いて、点での連続攻撃を繰り出した。技の一つ『点撃』、回避されやすいが防御のされにくい技だ。



「そこっ!」


「いっ……くぅっ!!」



回避の甘いマツリ様の左肩にかすらせた。まぁ、怪我は回復させるから安心して欲しい……終わった後にだけど。



「くっ……か、『風斬り』!!」



マツリ様の二振りの短剣がその本領を発揮してみせた。確かに早い……が、まだ双葉さんの域には達して無いな。見切れる。



「遅いですよ、それに攻撃が単調で狙いがバレバレですっ!」



指摘してから少し力みが出たのがより単調になっていく。俺も、刀で弾いたり回避したりひたすら避けてみせた後に、大きく後ろに跳んで距離を取る。



「熱くなるなとは言いませんが、冷静さを忘れちゃダメですよ。さ、もう一度です」


「すーーっ、はぁぁ……すいません、もう一度いきます!」



先程よりは鋭さが増したように思えるが、まだ甘い。周囲への警戒もしている様だが、範囲が狭い。単純に筋力が足りない。身体強化の魔力がぶれぶれ。体術も魔法も……まだまだ。俺が偉そうに言える立場では無いが、期待する分……言いたい事も沢山出てくる。


俺はマツリ様に足払いを掛け、地面に転がして刀を顔のすぐ横に突き刺した。



「マツリ様、色々言いたい事はありますが一つだけ」


「はい……」



そう、心配そうな顔をしなくても良いですよ。お姫様として慎ましく育てられて来た子がこのレベルになるには相当な訓練をしなければならないのは分かってます。その手をみればどれだけ努力したかもちゃんと分かります。



「あと少し、俺がベリー先生を倒すまで修行して強くなってください。そしたら……一緒に旅へ行きましょう。マツリ様の覚悟はよく、分かりましたから」


「……は、はい!一緒に!私、もっと頑張りますから!今よりちゃんと成長しますから!」



嬉しそうな顔をみせた後に顔をしかめた。気が抜けて、左肩の痛みがまた襲って来たのだろうな。苦手だが、俺が治すか。



「タロウさん……いえ、タロウ“様”。お願いがあるのですが……」



さ、様!? 一国のお姫様に様付けとか落ち着かないんだが……何だろう、お願いって。無茶な事じゃなければ良いけど……。



「どうしたのですか?マツリ様?」


「それです!敬語と敬称をやめて欲しいのです!私もカルミナさんに接するようにして頂きたく願います!麻津里とお呼びください、タロウ様!」



待て、待て待て?急に俺に様を付けて来たかと思いきや、自分には様を付けるなだって?よく考えればカルミナも一応姫だけど、それは置いておく。うーん、確かにマツリ様は歳も一つ下だし無理では無いけど……うーん。



「お願いしますっ!えぃっ!」


「ちょ!?何で急にタックルを……いや、お腹に抱きついて来たんですか!?」



お腹は痛くは無いが、回復途中にいきなりの行動だったから回避出来なかった……あと尻餅でお尻が痛い。



「お願いですお願いです!麻津里と呼んでくださらないとこのまま離れませんよ!」


「ちょっと!?どうしたんですか、マツリ様……麻津里」



呼んだ!呼んだよ!?呼んだのに……何で離れないのかな?



「まだ、言葉遣いが堅いままですっ!それじゃあ離れられませんねっ!」



落ち着け、こういう時は一度落ち着いて考えるんだ。相手のペースに嵌まるのは良くない。



「タ、タロウ様?どうして黙ってしまわれたのですか?」


「いや、本当にずっとこのままなのかな~って?」



耐久レースですか?うん、得意分野ですよ!別にこの状態でも出来る事はあるしな。



「はぅぅ……あ、頭を撫でるのはズルいですよタロウ様……」


「丁度良い位置に頭がありしたからね。さて、このまま先程の試合の反省会でもしますか」



麻津里の耳が赤い。多分……顔も赤くなってるだろう。そろそろ根を上げる頃合いじゃないかな?



「えへへ、このままで良いなら私もそれで良いですよ~だ。未来の旦那様相手にならこのような事もはしたなく無いのですから!」


「おぉ……うん。麻津里……俺の負けです……負け!負けだから少し離れておくれ……」



策士って程じゃないけど策に溺れた感が凄い……逆手に取られたか。修行ばっかでカルミナとはよく一緒に居るけど、麻津里との時間はあまり取れてなかったな。


カルミナが自分の気持ちを限界ギリギリまで抑え込んで一応は許可を出したもんな。自分で決めれなくて情けない話なのだが……。



「タロウ様!一度、お茶にしませんか?」


「そうだね、お互い修行でなかなか落ち着いて話す事も少ないしさ……麻津里の事をもっとちゃんと知りたいって思うんだ。聞かせてくれないか?」



ようやく俺の腹辺りから離れて、麻津里はその赤くなった顔を綻ばせながら、元気よく返事をした。一緒に立ち上がって、俺達は部屋へと戻る事にした。



◇◇◇



『んお?戻ったかえ?』


「紅緋ぃ……お菓子!全部!食べちゃったのか!?」



麻津里が作ってくれたヤツ……紅緋がお菓子をくれる人の後ろをついて行くのはまぁ……良いが、こういう場合は一人で全部食べないのが暗黙のルールだろ?



『麻津里よ、中々の美味だったぞ!また、作るとよい!』


「好評のようで嬉しいけど……タロウ様にも食べて欲しかったですわね」



はぁ……紅緋のお菓子好きには参ったよ。仕方ない、軽いお菓子を麻津里と分けて食べながら話そう。もちろん、紅緋の分は無い。



「麻津里、いきなりお話ってなっても困るから話題を決めて話そう。好きな物、嫌いな物、得意な事って感じで」


「はい! 旦那様にお任せ致しますね?」



おっと……何かまた変わってるぞ?タロウ様でも驚きだったのに旦那様になってるんですけど!?



「あ、あの……麻津里?旦那様……って?」


「はい!こちらの方が私達の関係が分かり易いですし、呼びやすいので……ダメ、ですか?」



いや、その……うん。はい、ダメじゃ……無いですけど。カルミナにまた何か言われるだろうなぁ~……それは俺が受けますかね。



「駿様や美輿様に何て言おうか……」


「あ、私の両親なら大丈夫ですよ!外堀は埋め……コホン、旦那様は気にしなくても私が説明しておきましたので」



埋めちゃったか……カルミナの時は王様が自ら拐ってみせろとか言い出したんだったっけな、懐かしい。



「そ、そうなんだ……紅緋、ここに居てもお菓子はもう出てこないぞ?」


『なんじゃと!?ううむ……じゃあ、身体を動かしてくるかえ……』



驚いた事に驚きなんだが、これでゆっくりと話せるな。



「旦那様、私は旦那様の小さい時の話が聞きとうございますよ!」


「小さい時?まぁ、良いけど……俺の次は麻津里の番だからな?」



俺達は時折身体を動かす為に外に出て模擬戦をしたりしたが、大半は二人でお互いの事について話していた。意外な一面や知らなかった事を知れて、楽しかったし、より仲良くなれたと思う。


たまには二人で落ち着いた時間を過ごすのも、悪くないかもな。



そろそろ長かった修行編も終わって次に行くか検討中です!


誤字脱字がありましたら報告お願いします!

(´ω`)

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「転移したよ in 異世界」 http://ncode.syosetu.com/n1888eg/ という物も書いてます!よろしくお願いします。 こっちはラブコメです! https://ncode.syosetu.com/n7917ej/ よろしくお願いします!
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