第109話 タロウ、対マスクグレプ
すいません、更新遅れました!
完全にスランプ?です!初心者がいっちょ前にです(笑)
よろしくお願いします!
「マスク…グレプ…」
「そうだ。俺がマスクグレプだ!」
「マスク…グレプ?」
マスクは…顔を隠しているからだろう。グレプ…?グレプ、グレプ、グレプ。…鑑定。
…ふむ。
…ふむふむ。
…ふむふむ。なるほど。
「何やってるんですか!?葡萄さん!」
「…チガウ。俺グレプ。グレイプチガウ…」
「下手っ!!いや、本当に!何やってるんですか!?」
「うるさーい!一回戦の相手はマスクグレプだ!!心しておけ!」
そう言って葡萄さんは走り去った。嘘だろ…一回戦が葡萄さんとか…。カルミナと同じで槍だったな。何故、大会に出てまで九重家の次期当主と戦わねばならんのだ…いや、大会に出てる中で1番強いだろう人だけどさ。
「どうするかな~これ…そういえばポピパルってまさか…な」
「タロウ~」
「ん?カルミナ…どうした?」
「応援よ!やっぱり出来るだけ近くで見たくて…ね?」
「ありがとう。ちょっと強敵過ぎるけどやってくるよ」
「たしか、マスクグレプ?会ったの?」
「うん…槍使いだな」
「そうなの…私も勉強になるかも知れないし近くで見てるわね!」
「出来るだけ技とか引き出させてみせるよ…っと、行ってくる」
「頑張ってね!」
はぁ…やだやだ…でも、大会で1番強い人なら決勝まで来たという感じのモチベーションで行くか。むしろ当たれてラッキーだな。うん!
「さぁ、本日の一回戦最後の試合となります!この対戦で今日の半分、全体で4分の1の方が残念ながら2回戦へは進めません。それでは、選手の紹介です!エドヌ城側に立っておりますのがマスクで顔を隠しております、槍使いのマスクグレプ選手!」
一回戦最後と言うことで、人もだいぶ集まっている。マスクグレプを知ってる人なんか居ない…筈だけど拍手はそれなりに起こる。
「そして、相対しますのが、最年少組の1人!刀使いのタロウ選手です!」
お、おう。拍手されるのはちょっと嬉し恥ずかしい感じだ。
「タロウ君!頑張るでござるよーー!!」
「あ、桃さんの気持ちが少し分かるぞ…とんでもなく振り向きたくない。声が大き過ぎるんだよな…ベリー先生」
しかも、今から俺が戦う相手は先生のお兄さんですよ!
「それでは試合を始めて頂きたいと思います!準備はよろしいですか?………では、始め!!」
まだマスクグレプは構えてない。棒立ちに槍を軽く振り回したりしているだけだ。油断…では無いだろうな。ああいう構えから始まると考えるべきだろう。返し技狙いか?
マスクグレプ…葡萄さんの話し方からはもっと攻めていく印象を受けるが…俺が動くのを待ってるのか?試すつもりだろうか?…なら、修行の成果を試させて貰おう。
「ん?ジャンプ…だと?」
数回のジャンプで着地時に足に力が1番入る時を調整する。
「行きますね。…ベリー流 一の型 『突』。」
「…っ!?ぶねぇ!」
ちっ、流石にまだ速さが足りてないか。身体強化があればまた少し違うだろうけど…。
「はっ…!せいっ!!」
「いいじゃん、いいじゃん!…っと、何だ?下がるのか?槍相手には得策じゃねーな」
『突』は技の中で最速の技だ。突き刺すというか貫く技。それをあしらわれ、その後の打ち合いでもきっちり受け流された。下がらない方が危ないだろう。
多分、今の打ち合いでベリー先生はマスクグレプの正体に気付いただろうなぁ。何も聞こえて来ないという事はとりあえず戦えって事だろう。
「カウンター何て狙ってやれる相手じゃないか…。攻め切れなければ俺の負け…か。やってやる!!」
「さ、かかって来な。修行の具合を見てやるよ」
「はああああああ!!」
◇◇◇
「もう終わりか?…タロウ?」
「はぁ…はぁ…うぐっ…はぁ…はぁ…」
周囲の観客の声も途中までは聞こえていたが、今は静かのか俺が聞こえていないだけなのか…とにかく静で葡萄さんの声しか聞こえて来ない。
技はもう出し尽くした。自分から攻めて、防いで、また狙って…攻防の末に今の現状だ。
自分の出せる技や体術は使ったけど…一歩どころか何歩も足りなかったな。どこかでベリー先生よりは弱いと思って甘く見ていたのかもしれないな。ベリー先生より弱いからって俺よりは断然強いというのに…。
だが、降参はしない。まだ戦える。なら、最後の最後まで経験として糧になって貰おうか。思考追跡も使わずに相手の動きを読みきってやる!
「タロウ流奥義 三の太刀…」
「はっ!そうじゃないとな!!来いっ!」
俺は木刀の先端を地面スレスレの位置まで持っていき構える。三の太刀は連撃技。力押しでも通してみせる。
「行くぞ!『四連噴血』!!」
「槍術奥義 『鈴風』」
最後の攻防…勝負は一瞬だった。遠目に見てる観客にはお互いが入れ違って、そして…葡萄さんの立ってる姿が見えているだろう。俺には地面しか見えないけど…な。
「ふぅ。これは決勝、準決勝レベルだな。タロウ、自信を持て。お前は強い。そして、まだまだ伸びる余地がある。今はまだ俺の方が強かっただけだぜ」
俺はうつ伏せから仰向けに寝返って、空の青さと広さを確認してから一応の降参宣言をした。
「試合終了です!!白熱していましたね!うっかり言葉を無くしてしまいました!勝者はマスクグレプ!勝者は、マスクグレプ選手です!!一回戦最後を飾ってくれた二人に拍手をお願い致します!」
パチパチパチパチ…パチパチパチパチ!
周囲の方から拍手を貰い、立ち上がってお辞儀をする。武士道精神ってやつだな。
一回戦負けか。残念だけど…まぁ、良い経験にはなったかな。
「一回戦は終わりましたがまだまだ二回戦以降もありますのでお楽しみください!少しの休憩を挟みまして、再開したいと思います!!」
「タロウ!」
「カルミナ…負けたぁ~」
「えぇ、見てたわ。あの人はいったい…」
「あぁ、葡萄さんだよ、葡萄さん。マスクしたグレイプさん…つえぇわ~」
「どうりで、強いと思ったわ…。どうして?」
「道楽じゃないの?」
「タロウ君、お疲れ様でござる」
「ベリー先生…」
「知らないでござったよ!ホントでござる!いやぁ…兄上が出ているとは…後で懲らしめとくでござるよ!ごめんでござる」
「別にいいですよ…勉強させて貰いましたしね。それよりカルミナ」
「ん?どうしたの?」
「ポピパルさんって吉晴さんだから気を付けろよ?」
「えぇ!?でも、吉晴さんって安倍家よね?武術のイメージは無いけど…」
「吉晴も中々器用な男でござるよ!普通に何でもこなすタイプでござる」
「きょ、強敵そうね…。とりあえず当たるとしたら三回戦かしら?」
「仇を取ってくれ…」
「それは桃さんに言いなさいよね!まぁ、トーナメントの決勝まで行けても2つあるから当たるか分からないし、どちらにせよ明日の午後からになるとは思うけど~」
くっ、もっと色んな武器の人とも戦ってみたいという気持ちが出てくるな…。帰ったら魔法ありで葡萄さんに挑んでみようかな?勿論、アクエスの力も借りて。
「桃も準備に行ったでござるし、とりあえずさっきの所に戻るでござるよ」
「分かりました。後は応援と観察でもしますかね…。その前に刀を返してきます」
俺は皆と別れて本部へと足を運んだ。
本部に刀を返却した後に、応援の言葉をかけてくれた爺さんに会いに来た。
「すいません、一回戦で負けちゃいました…」
「いい戦いだった。うん、決勝戦と言っても良いほどにの」
「ありがとうございます。マスクグレプにはそのうち仕返し…じゃなくて、リベンジしたいと思いますよ」
「ほっほ。向上心が合ってよろしい!頑張るのだぞ」
「はい、ありがとうございました」
刀を返却してカルミナとベリー先生の元に戻って来たタイミングで、二回戦が始まった。さっきの一回戦で勝ちたがった者同士の戦いで試合内容のレベルも高く感じる。桃さんの相手は若めの槍の選手だったが、桃さんの薙刀の対応に慣れていない様子と、桃さんの調子が出て来た事もあって勝利する事が出来た。
勿論、ベリー先生の応援には見向きもしていなかったが…。
「無事に勝ち上がれて良かったですね」
「桃も頑張っているでござるからなぁ~。でも次は少し楽かも知れないでござるな」
桃さんの三回戦での相手…たしか刀でも槍でも無く、多分…1人なんじゃないかと思う、両刃斧の使い手だ。木製だけど…。体も大きくパワーファイターで迫力のある選手だ。桃さんとの力の差は歴然だけど…楽なのか?
心配だが、俺にアドバイス出来るとしたら気持ち面だけで技術的な事は特に言えないからなぁ…。その気持ち面なら桃さんも既に大丈夫そうだし。とりあえず応援を頑張るしかないか…。
二回戦も順調に消化されて、次の三回戦がやって来た。ここまで減ると体力との勝負にもなってくるだろうな。桃さんも走っているとはいえ、少し心配である。
「それでは三回戦を始めたいと思います!!」
ここまで来ると観客も大注目だし、武家の当主も注目している。桃さん…体格差大きいけど大丈夫かなぁ?
◇
「おいおい!冗談だろ?こんな女でしかも子供に負けた奴がいるのかぁ!?」
「はあ…」
「お嬢ちゃん悪いねぇ、幸運もここで終了だぜぇ」
「ひい…」
「俺の斧の前にはその薙刀も意味は無さねぇぜ?」
「ふう…」
「俺はここで優勝して成り上がってやる!!」
「へえ…」
「その為に容赦は出来ねぇぜ?」
「ほお…」
「さっきから馬鹿にしてやがんのか!?」
「うるさいです!さっきから…。かかって来なよ…三下」
「く…言うじゃねーか!…後悔するなよ?」
「私はあのお姉ちゃんの妹だよ?あなたみたいな人には負けない!!桃、参ります!!」
◇◇◇
試合前に何か会話している様だった。が、蓋を開けてみれば桃さんの圧勝だった。もしかしたら相手を挑発でもしていたのかもしれない…だとしたら策士だな。
「お姉ちゃん!勝ったよ!」
「戦う前から分かってたでござるけど…良くやったでござる!」
「よく勝てたね桃さん…怖くなかった?」
「そうよ?あんなに体格差もあったのに…結果はあれだったけど」
「お姉ちゃんからの秘策でね!相手を挑発しろって!」
「そうでござる。一回戦二回戦の戦い方を見てれば内面も少しはわかるでござるよ!」
だとしても良く挑発なんて事が出来たな…姉を信頼してるとはいえ、怖いだろうに。
「ま、まぁ、とりあえずおめでとう!」
「おめでとう、桃さん!」
「ありがとうございます!頑張りますよ!」
…とは、言っていたが次の四回戦でベテラン剣士に負けてしまった。それでも11歳の女の子が勝ち上がった事で盛り上がったし容姿も良いため人気が出ていた。負けた時も励ましの言葉が周囲から投げ掛けられるほどに…。
最終的に決勝へ進出したのはマスクグレプ事、葡萄さんと知らない刀使いだった。明日の午前中の内にトーナメントで決勝へ出た2名の計4名で午後からの優勝決定戦が始まる。明日はカルミナが出るしそれも含めて楽しみだな。
「祭りでござるからな!夜も出店は沢山でござるよ!」
「帰りも見て回りましょう?」
「だな!桃さんも四回戦まで進めたしパーっと行こう!パーっと!」
「えへへ、ありがとうございます!」
俺達は出店を回って、夜も結構な時間になってから家へと戻っていった。まぁ、たまの夜遊びならいいかな?
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