第104話 タロウ、贈る
この話で50万文字を越えるっぽいです!
まぁ、それは置いておいて…よろしくお願いいたします!
「カルミナ、悪いけどお願い」
「いいわよ。こっちは、話しをしていただけだしね!サンライカ」
『分かりました』
俺は精霊達と歓談中だったカルミナに頼んで1ヶ月前に見せて貰った魔法を掛けて貰いに来ていた。先程ルミナスにプレゼントして貰ったコンタクトの調子を確かめる為に。
「…どう?魔法は掛かってる筈よ?」
変化は…無い。つまり、コンタクトの効果が出たという事だ。
「よし…そのくらいの強さならコンタクトの結界は耐えられるみたい。ルミナスの力だけど、これは対策の1つになるな」
「ん~!なんか、悔しい様な…1ヶ月も攻略されなかったのが嬉しい様な!」
これでも、色々と試してようやく成功したから俺としてはやっと…っていう気持ちがデカい。水魔法や風魔法でどうにかしようとして失敗してたのが昨日の様に思える。
「でも、初見で対処しろって言われたら出来なかったし…凄いな、カルミナもサンライカも」
「ま、まぁね!まだまだ新しい技は考え中なのよ!ね、サンライカ、他のみんなも!」
『ちゃんと考えるのは普通の事です』
『カルミナのイメージ力もタロウさんに良い影響を与えられていますから』
『おう、私としては火の力をもっと引き出して貰いたいけどな』
『うむ、それはカルミナの成長に期待する事にしようぞ』
これだけ上位精霊が並んでる光景なんて見れるものじゃないな。というか、普通の人は見えない訳だしね。
「アクエス」
『はいなの!』
「呼ぶのが遅くてごめんね。精霊達とカルミナが話してるみたいだから混ざっておいで」
『分かったの!』
コンタクトの性能を確かめる事が出来た俺は、戻っておせち料理を食べる事にした。俺の分の栗きんとんと伊達巻は、アトラスと紅緋に食べられちゃったからな…。
「タロウ君」
「ん?何ですか?忠晴さん」
「はい、お年玉。こっちはカルミナさんの分ね」
「え!?頂いてもよろしいんですか?」
「勿論だよ。まだ門下生になって日は短いけど色々と手伝って貰ったからね、お礼も込めて」
「そういう事ならありがたく頂いておきます。後で渡した時にでも、カルミナにお礼を言う様に言っておきます」
「タロウ殿、これは私からだ。勿論、カルミナ殿の分も用意してある。渡しておいて貰えるか?」
「六道さんも!?…ありがたく頂きますね」
まさか、俺達にもお年玉をくれるとは思っていなかったから驚いたがとても嬉しかった。お金を貰えた事もそうだけど、なんか…家族の一員みたいな気持ちになったから嬉しくなった。
◇◇◇
昨日とは違い、新年も2日目になると人が街中へ姿を現すみたいだ。神社へは初日から人が溢れかえっていたみたいだが、街とは離れた山に近い所にある為に街中は閑散としていた。
ちなみに、安倍家と九重家の面々は昨日の内に神社へと行っていて、それにも誘われたが…人混みが苦手な俺は行ってない。まぁ、神なら近くに居るしな。
3日目には徳川家の方々も来るからいいが、今日は特にする事も無くて俺とカルミナは暇を持て余していた。
「さむ~」
「それよりも暇が勝つわ…。どこかでイベントでもやってないのかしら?」
「うーん。ジパンヌの事はまだ分からない事だらけだからなぁ…。久しぶりにギルドにでも行ってみる?あそこは年中無休だし」
「そうね。桐華は居るかは分からないけど…せっかくお年玉も貰えた訳だし、途中で何か買っても良いわね」
俺とカルミナは準備をして玄関へ向かうと同じく暇を持て余していたメンバーがそこには居た。
「あ、タロウさんとカルミナさん!」
「お二人はお出掛けでして~?」
「男、お前は家で餅でも食っておけ。水無しでな」
桃さんと晴海さん。それに、隙あらば殺そうとしてくる、晴海さんの護衛役の双葉さんだ。3人もお出掛けなんだろうか?お年玉貰ってたもんな。
「いや、ちょっと暇だからギルドにでも行ってみようかなって。そろそろ俺も中に入れるだろうし…」
「後は途中で何かあれば買おうかなって。自分達で言っててあれだけど…修行してないと暇ってのも寂しいわね…」
「私達と同じ感じですね…」
「遠出も出来ないのでして~」
正月なんて、大人達はお酒を呑んだり何やかんやで楽しんでいるが子供達はお年玉貰ったら終わりみたいな所あるからな…。
「3人も一緒にギルドに行ってみる?何もないかもしれないけれど…」
「私はいいですよ。晴海ちゃんはどうする?」
「私もいいでして~。双葉、ギルドの中は特に男性に斬りかかっちゃ駄目なのでして~」
「晴海、それは近寄ってくる男が居ない事を祈るしか無い。一応堪えるが堪えきれないかもしれない」
物騒な…ホントに。エドヌのギルドにいる冒険者なんか9割は男だ。その内、桐華さん推しが2割は居るとしてもまだ沢山いる。人が少ないかもしれないがなるべく壁になって接触しないようにしなければ…。
「と、とりあえず行ってみようか。何もなかったら街で買い物って感じで」
俺達は5人組でギルドへ歩きだした。
◇◇◇
「完全に空振りだしたな。普通さ、冒険者達がなんかしててもおかしく無いよな?」
「ホントよ!閑散としてただけじゃないの!」
「ちっ、野蛮な冒険者共を殺すチャンスが無かったか…ちぃ!」
「双葉、冒険者もピンきりでして~いい人も中には居るのでして~」
「そういう方針なの?桃ちゃん…」
「じゃあ、予定通り街の方に行ってみようか。そっちの方が賑わってそうだしね」
「そうね。私もお洋服とか買おうかしら?背も伸びてきたし、他にも色々とね」
俺達は冒険者ギルドの面白味の無さに少しガッカリしつつも街の方に向けて出発した。新年の前日と初日は休みにしているお店が大半だったが、2日目には開けているお店が多くあり、お年玉を貰った子供達から搾取しようという考えが見え透いていた。
「和服も良いけど…やはり動きにくそうではあるわね」
「カルミナさんに着て欲しい気持ちはありますけど…たまにしか着ること無さそうですね」
「双葉も新しい洋服を買うでして~?」
「いや、まだ大丈夫だ。けど、見るならタダだし参考にしておこう」
「清潔魔法があると服の汚れも気にしなくていいし、特に頓着しなかったから良し悪しが分からんな…こんな時にどっちか選ぶなんて事にでも…」
「タロウ…今、靴下見てたんだけど…こっちの柄とこっちの柄だとどっちが似合うかしら」
正直に言おう。どっちでもいい。洋服で選べと言われるならまだ分かるが、靴下なんて靴とズボンで殆ど見えないし何でもいいと思ってる。だが、ここでテキトーに答えると何かしらに影響が出そうだし…。
「どっちも良いデザインだと思うよ?2つで悩んでるなら、片方は俺がプレゼントするけど?」
「ホントに!?やったぁ!」
「タロウさん、太っ腹ですね」
「優しいのでして~」
「甘いな、あれは優柔不断男の身を切ってでも無難に過ごす作戦だな。私くらいになると通じない技だ…今度カルミナにもその辺を伝授しておくか」
す、鋭い!?その上、余計な事をしようとしているな…。そんな事されたらカルミナの問い詰めを切り抜けられなくなってしまうじゃないか…。
「は、最近はより寒さを増してるし、使い魔達にも着せてあげれる帽子とか首巻きとか手袋とか探してくるね!みんなも買い物楽しんでおいて!」
「タロウ!後で待ち合わせよ~」
「ふっ、逃げたか…」
正解だよ!…でも、ちゃんと使い魔達、それに紅緋、緋鬼王…ついでにお世話になってる翡翠と蒼鬼王にも何か買って帰るつもりだ。寒さとか気にしないのかも知れないが…喜んでくれるといいな。
「ルミナス」
『話は分かっていますよタロウ。まさか、こんなに早くコンタクトのお礼をしてくれるとは思いませんでしたよ。私は嬉しいです。しかも、カルミナや他の者達も居ない状況というのが更に嬉しく感じます。そうですね…私へのプレゼントを選ぶ時間を確保するためにまずはピヨリ、アトラス辺りの防寒具から選んでいきましょうか。あ、少し寒いので今日は肩ではなく服の襟の中に入らせて貰いますね』
「寒くない様にな。アドバイスよろしく頼んだよルミナス」
『勿論です。タロウからのプレゼントなら皆喜ぶでしょうが、私を頼ると言うなら全力で応えるだけです』
お年玉を使いきる事になってしまったが、皆の分の防寒具を買い揃える事が出来た。あとはルミナスの分が残ってはいるけど。
『私の分の防寒具は必要無いですよ。流石にサイズが合いませんからね。ですが、こうしてタロウと買い物をすることが出来た…それだけで私は十分なのですよ』
「確かにサイズが合わないか…」
でも、やっぱりルミナスにも何かしたいけどどうしようか…。いつも肩に座ってくるから…。
「ルミナス、悪いけど…俺が大きめの首巻きを買うからさ、そこに入るって形じゃダメかな?いつも肩に座るけどもっと首よりの肩に座って貰って…」
『それです…』
「え?」
『それです…それですよ!何故私はそれを思い付かなかったのでしょう。いえ、ゆっくりと考えれば思い付いたらでしょうが…そんな事はどうでもいいですね。タロウが提案してくれたのですから。冬だけという短い間ですが、タロウが首巻きを着ける時に私もすぐ隣で温まれるとう至福。あぁ、冬を延ばしましょうか?ですが、それだと生態系が…それもいっそ構わないかもしれませんね。どちらが為になるかなんて一目瞭然ですからね。ふふっ…タロウ最高のプレゼントですよ』
流石にそろそろツッコミを入れた方が良いのかな?…というか、冬の期間を延ばすのは止めさせないと大変な事になりそうだ…。
「ルミナス、とりあえず首巻きを買ってくるけど、冬の期間を変えちゃダメだよ?」
『…仕方ありませんね。期間限定だからこそより一層楽しくて嬉しいという事ですね。分かりました、今回は自粛します』
首巻きの色は黒色にした。他にも赤や青や白とかもあったが何となく1番温かそうだったから…あと、汚れも目立たないしね。
「では、早速…」
『これは私の頬とタロウの頬が当たってしまった際にスリスリしてしまうのも仕方のない事として流して貰えるのですか?貰えるのですよね?貰わなければ困りますよ?』
「まぁ、そのくらいは…いいか?」
『ふふっ、温かいですね。タロウ、女の子の買い物は長いのです。少し遅めに合流しましょう』
その時は納得して、色々と見て回ったがいざ合流すると遅すぎるとめちゃくちゃ怒られた。勿論カルミナに。ルミナスがいたずらに挑発するから尚更にヒートアップしてしまったのがより時間を取る結果に繋がった。
◇◇◇
『ッピ!羽根の薄い所も温かいっぴ!』
『アタシもポカポカだぞ~』
『くふっ、妾と翡翠で色違いとは…』
『タロウ、私にまで…感謝します。紅緋より着こなしてみせます』
『主、ありがたき幸せ。首巻き…似合っていますでしょうか?』
『あら、私にまでありがとう。大事に使わせて貰うわね』
買い物から帰って来てからさっそく皆にプレゼントを渡しに来ていた。ルミナスと選んだのが良かったのか、みんな喜んでくれているみたいで良かった。
ピヨリとアトラスは毛糸のセーター…ピヨリのは少し形を変えてあるけども…。紅緋と翡翠はお腹辺りを冷やさない為の腹巻きの色違いだ。それで、緋鬼王には赤のマフラーで蒼鬼王には青のマフラーを贈った。
日頃の感謝の気持ちとこれからもよろしくという意味合いを込めたプレゼントだ。お年玉からお金は出してあるけどこういうのは気持ちだよな、気持ち。
水の上位精霊であるアクエスには物体的なプレゼントは無理だし…そのうち何がいいか聞いておかないとな。
「タロウ、見て!」
「カルミナ?あっ…それってさっきの靴下?」
「そう!買って良かったわ!温かいし安いし可愛いもの」
「それは良い買い物だったな。他は何か買ったりしたの?」
「長袖の物と…後は下着類よ」
「ほーん。じゃ、明日は…」
「えぇ!?普通、もっと興味とかあるものでしょ!」
「いや、良い買い物出来たならそれで良かったね…って。あと、下着類とかに興味示したらダメじゃないか?」
「他の人のはね!ね!普通、私の下着なら興味でるでしょ!双葉さんもそう言ってたもん!」
くっ、間違ってないけど…双葉さんから聞いたという所が不安過ぎて夜も眠れなくなる。ちゃんと訂正しておかないと…
「確かに、カルミナの下着には興味あるよ?でも、それはカルミナの一部でしか無いだろ?俺は下着だけじゃない…カルミナの全部に興味があるんだ!」
「タロウ!」
よし、自分でも何を言ってるかよく分からなかったけど…カルミナが感動しているから良しとしよう。まだ双葉さんに毒されて無いようで良かった…。
さて、明日は徳川家の方達も来るし、休みの最後の日でもあるから早めに寝よ寝よ…。
誤字脱字がありましたら報告お願いします!
(´ω`)




