第103話 タロウ、コンタクトを装着する
最近、書くのが遅くなってる様な気が…多分、書く内容をちゃんと決めて無いせいですかね
(;´д`)
とりあえず、お待たせいたしました!
「素振りは各自でやっておく様に言ったでござるから、ここでは型…というか各種攻撃の起点や相手からの攻撃に対する返しの技の訓練をするでござる」
「返しって前に練習していた受け流しとは違うんですか?」
「それも、1つでござるが全てでは無いでござるよ。相手が上から振り下ろしてくる攻撃に対してでも、受け流して反撃、回避して反撃、受け止めて反撃…と、状況に合わせた技があるでござる!」
「あぁ、確かにそうですね…。反撃の技が1つしか無いと逆に利用されかねませんもんね」
「そうでござる。それに、相手の武器によって使える技、使えない技もあるでござるから、基本の受け流しの他に練習しておく必要があるでござるよ」
双葉さんの二刀に対処が出来なかったから身に染みるというか…まだ知らない事が多すぎるというか、その辺の技も自力でもっともっと考えていかないといけないよな…。
「ここには槍を使えるカルミナさんに、薙刀の桃に刀のタロウ君がいるし、武器ならある程度使える拙者が居るでござるから練習相手には不足はないでござるな!」
「ベリー先生、攻撃の型を先に覚えた方が良いんですか?」
「そうでござるな。とりあえずそれぞれ型を1つ教えて、完成したら次を教えるでござるよ。反撃の方はまだ先になると思うでござるが、素振りと一緒に受け流しの練習はしといて欲しいでござる」
「分かりました!カルミナ、朝のランニングを少し短くして素振りと受け流しを組み込もうか」
「そうね、どうせ走る訳だしね…朝のランニングは少なくていいと思うわ」
「じゃあ、早速やっていくでござるよ。まずは…」
ベリー先生から教えて貰った型を繰り返し練習して身体に覚えさせていく。1つの型でも流れる様に動かないといけないし、これはまだ先だが、敵に防がれた時の退くか押しきるかも考えないといけないだろうし…やる事、考える事が一気に増えてしまった感じだ。
気が付いたらだいぶ時間が経っていてもう、日暮れ前になっていた。流石に暗くなるとスキルで視えるとはいえ、危険が多いという事で山を下りることになった。勿論、リュックを背負ってだ。
◇◇◇
「3人共、今日は終わりでござるしっかりと休むでござるよ!」
「は~い…あー、ダメだ…疲れたぁ…」
「タロウ、色々とあって修行の日程がズレたから曜日的に明日は休みになるけど…どうする?」
「休みなら休もう!カルミナは桐華さんが待ってるだろ?絶対に楽しみにしているって」
「それもそうね。タロウはどうするの?一緒にギルドに行く?」
どうしようか…何か予定はあったかな…あ!あるじゃないか約束が。
「明日は街に買い物に行かないとだから俺は行けない。アトラスとの約束があるからな」
「アトラス?ふーん…なら、まぁいいわ。どうせ、お菓子を買ってあげるとかそんな感じでしょ?お菓子買うなら多目に買っておいてよね」
おぉ、良くわかったな…いや、でもそれくらいしかアトラスと街に出掛ける理由はないか。というか、アトラスじゃなかったら良くなかった的なニュアンスを感じる。多分、マツリ様と!何て言ってたら一悶着あっただろうな…。
「分かったよ。じゃあ…今日はもうご飯でも食べてから休もうか。クタクタだしね」
明日は休みだしゆっくりしてても良いけど体が休みを欲しているからそれに従って早めに眠る事にした。
◇◇◇
「召喚 アトラス」
『うぬ~まだ、眠たいぞ~』
1メートルくらいしか身長がないアトラスが眠たそうに目をしばしばさせているとなんだが寝かせたくなってしまう。というか、寝かせよう。急ぐわけでもないしな!そうしよう!
俺はアトラスと二度寝をして、起きたのはお昼前になった頃だった。
『温かいぞ~』
「それは良かった。じゃ、街にお出掛けに行こうか!お菓子を買いにね!」
『お菓子~!』
「そうそう。緋鬼王に腕相撲で買ったご褒美にね。ついでに買い貯めもしておきたいし」
俺とアトラスは部屋を出て玄関を通って外に出た。そこに、意外の様な意外でも無い様な奴が待っていた。
『遅いわ!何故、妾が待たねばならぬのかえ!!』
「さ、アトラス行こうか」
『無視するでない!!知っておるぞ、タロウ…街へお菓子を買いに行くのだろぉ?』
口をニヤッとさせて悪い顔になっている。誰に聞いたかなんて聞かなくてもカルミナしかいない。保険をかけられてる件について…。
「行かないぞ。カルミナに騙されたな、紅緋」
『な、なんだと!?では、妾は何時間も無駄に待っていたというのか!?』
『行かないのか~?』
「んや、行くぞ!楽しみだなアトラス」
『やっぱり行くのではないか!』
「だから、行かないってば」
『行かないのか~?』
「行くぞ!」
『やっぱり行くのではないか!』
あと、もう3ループした所で飽きてしまった。仕方なく紅緋も連れていく事になった。わざわざ安倍家から九重家までカルミナに連れ出されて可哀想とも少しだけ思ったからな…。
だが、これはあくまでもアトラスが食べたいお菓子を選ぶ訳で紅緋が来ても……
『お菓子!お菓子!くっふっふ~』
『楽しみだぞ~』
仕方ないなぁ……今回だけ!今回だけは紅緋にも何か買ってあげよう。後で何かしら働いては貰うけど…。
俺はアトラスと紅緋を連れて町中の和菓子屋や洋菓子店を幾つか梯子して今は店先に座れる長椅子の置いてある団子屋さんで休憩していた。
「買い貯めしておくにしても…結構買っちゃったなぁ~」
『くふっ!妾、ご満悦』
『アタシも嬉しいぞ~』
「二人に買ってあげた分は好きに食べても良いけど、他のは二人だけのじゃないからね。頑張った子へのご褒美に買ってるんだから」
『分かっておるわ!』
『いっぱいお手伝いするぞ~』
まぁ、二人がお菓子で頑張ってくれるなら安いもんだよな。実際に安いけどな。
「おっ、雪だ。最近はたまに降るようになったな」
『くくっ、雪など妾の炎で溶かし尽くしてくれるわ…』
やめなさい…楽しみにしている子供達が大泣きするから。
『アタシの所は灰が降ってるぞ~』
「火山の中腹に住んでるんだもんな…それもそうか。雪は降ったり積もったりしないのか?」
『降っても降ってもすぐに溶けるんだぞ~フレイミア様のお力で~』
「そうなんだ。なら雪が積もったらこっちで遊ぼうな」
『おい、タロウ…貴様、何故かアトラスには優しくないかえ?』
「当たり前だろ!アトラスはな!アトラスはなぁ…俺が必要だと望んで召喚した子なんだ。ピヨリはペット感覚で喚んだらいつの間にかデカイし!ルミナスは勝手に来ちゃうし!でも、アトラスは変わらず力になってくれる…優しくするに決まってるだろ!」
『わ、分かった…妾が悪かったのじゃ…。ん?それなら妾にも優しくするのじゃ!おかしいじゃろ!?』
「おかしくない。俺はみんなに優しくしているつもりだ」
『おんぶして~』
「ほら、乗りな」
『甘いのじゃ!』
「アトラスはまだ子供だぞ!紅緋は…大人だっけ?」
『妾は大人じゃ!何十年生きてると思っとるのじゃ』
「なら、大人っぽい所を見せてくれよな?」
『それとこれとは別じゃ!妾も優しくされたいぞ!おんぶするのじゃ!』
「ばかっ!無理に決まってるだろ!いくら体が大きくないとらいえ、二人は無理だ」
『なら、私は前に移るぞ~』
『おぉ!アトラスよ、それなら妾がおんぶでそなたが抱っこじゃ!くくっ、これなら完璧じゃな!』
「くっ…身体強化!よし、捕まってろよ!帰るぞ~」
『わ~』
『行くのじゃ~!』
そのまま九重家じゃなく、安倍家の方に帰って来た。カルミナもこっちに帰ってくる事になっている。アトラスと紅緋は喜んでいたが、俺は玄関先に着く頃にはクタクタになってしまった。
その日の夜にカルミナからの事情聴取をされたが当然の白で、買ってきたお菓子の一部をカルミナに渡しておいた。
「そうだタロウ、危なくない光魔法を試していいかしら?」
「光魔法か…そういえばまだ何が出来るか見せて貰って無かったな」
「攻撃、防御、回復、補助…それ以外も出来るし、何でも出来たのよ。回復を試していいかしら?」
「いいぞ。回復って何するの?怪我?」
「ほら、タロウの妖刀に『呪傷』ってあったじゃない?あれの解呪と回復ね」
「あぁ、確かにハグの呪いは強い方だから練習にはいいかもな。じゃあ…」
俺はアイテムボックスから呪傷を取り出して鞘から引き抜く。
『ハグハグハグ…久しぶりの魔力…ハグハグハグ』
「ごめんごめん。今日はカルミナの魔法の練習で呼んだんだ。今から俺の腕に切り傷を作るからハグの呪いを掛けてくれ」
『ハグハグハグ…分かった、特別に強くしておく…ハグハグハグ』
凄いサービス精神。まぁ、でもそっちの方が光魔法の凄さも分かるかな?よし、早速。
「とりあえず下に血が染み付かない様に器を準備して…イタッ」
血が切り傷の部分からジワジワと滲み出てくる。傷口をジッと見つめていると、小さなハグが傷口付近でハグハグしていた。…これが呪傷の傷が治らない原因だったのか。
『ハグハグハグ…美味しい!!…ハグハグハグ』
「そ、それは良かったよ。カルミナ、お願い」
「分かったわ。まずは解呪の方からね…。サンライカ、頼むわよ!その光は浄化の光。穢れ、呪い、その身体を蝕む災厄の力から解放しよう『癒しの光』!」
『ハグハグハグ…呪いが弱まる…ハグハグハグ』
凄い。傷口に集まっていたミニハグ達がひゃあ~と消えてしまった。少し可哀想だがこれで解呪は成功のようだ。
「よし。続けて…傷を癒せ『治癒の光』。どう?」
「うん…うん!血も流れてないし傷口も塞がってる!バッチリ」
「やった!成功よサンライカ」
『えぇ、ちゃんとしたらちゃんと成功する。当たり前です。何はともあれ良かったですね、カルミナ』
「うん。タロウもありがとう。お礼にもう1つ技を見せてあげる。見ててよ…」
カルミナをジッと見ておく。ジーっと見ている。ジーっと、ジーっと…あ…れ…?
「なんだ…これ…?カルミナが遠く?遠近感…が…?」
「ふふふ…どうみえてる?遠い?それとも…」
「なっ!近い!?」
なんだこれなんだ!これ!?まるで双眼鏡を反対から覗いた様な…それと今度は普通に覗いた様な…これが新しい技?
『タロウ、落ち着きなさい。カルミナとの間に光の魔力が漂ってますよ。これが原因でしょう。』
「光の魔力…そう…か、そうか!光の屈折!目にあたえる情報を偽ってるのか…。俺の偽装と方向性が違うけど似てるやつなのかな」
「凄いでしょ?凄いでしょ!?タロウを光で包んでるのよ。細かい調整はサンライカがやってくれるから私は槍で突くだけよ」
「これは厄介だな…なんか頭もクラクラしてくるし…」
これが光の上位精霊サンライカの言う所の支配の力。万能過ぎるな。どう攻略する?偽装で同じ状況を作り出すか?光を防ぐ方法か…。
「光で偽りの情報を目に与えてるから…あ。あるじゃん!が、どうやって代用しようか…サングラス」
カルミナの魔法に対処する為の物は分かったが…どう代用品を工面しようか。今日はそれについて考えながら眠りに就く事になった。
◇◇◇
「「明けましておめでとうございます!!」」
カルミナの光魔法を見せて貰ってから1ヶ月と少し、このジパンヌでは新年を祝う日がやって来ていた。今日から3日間は修行もなく、今年の始めとして内輪で色々とするみたいだ。
安倍家と九重家の面々は、安倍家の家で家族揃ってお祝いする事になっていた。門下生達もそれぞれの家へと帰っている中、俺とカルミナはルールトまで帰るわけにも行かず安倍家で一緒に世話になっていた。
「徳川家の人達は忙しいから3日目に少しだけ顔を出せるみたいよ」
「そうなんだ。街中も意外と静かだし…大人しくお餅でも食べて過ごしますか」
外では紅緋と翡翠が羽根つきで遊んでおり、緋鬼王と蒼鬼王はアトラスを挟んでお茶を呑んでいた。緋鬼王と蒼鬼王は初対面だったらしいけど、上に立つ者として…それに実力も近いという事もあってすぐに意気投合していた。アトラスは完全に子供…いや、孫って感じで可愛がられていた。
「タロウ君、カルミナ君、楽しんでいるかい?」
「吉晴、勝ち逃げは許さんぞ!もう1勝負だ!」
「分かりましたよ…。二人共、沢山食べていいからね」
「はい、ありがとうございます。吉晴さん」
「吉晴さんっていつ見ても頭良さそうを体現した感じよね。まぁ、実際に頭も良いらしいけど」
「安倍家の次期当主だからな。実力も晴海さんが太鼓判を押してたし」
「葡萄さんが知力ゲームを挑んで勝った所を見たことないわよ?」
「葡萄さんの方が6歳上だけど吉晴さんが頭良すぎるんだな、きっと。でも、次期当主同士が仲良くていいじゃないか」
「そうね。…じゃあ、ちょっと私はシェリーフ達と話してくるわね」
「あいよ」
『タロウ…懐かしいですか?』
「…だな。転生者のお陰でこの土地の風習に親しみ易くって助かってる」
『そんなタロウにお年玉をあげないといけませんね。受け取って頂けると有りがたいのですが、お邪魔なら捨てても構いませんよ。でも、タロウの事を考えて、タロウの欲している物を用意したつもりです。どうか受け取ってください。…これです』
「あ、ありがとう。これは…この形…コンタクトレンズ?」
『はい。結界を応用して形作った物なので目に入れても傷付くことはありませんし、ずっと着けていて構いません。そこは安心してください』
「それは分かったけど…俺、視力良い方だよ?」
『違うのですよ、タロウ。そのコンタクトにした結界は『魔法防御』。つまり、光でも魔法が使われているのなら…許容範囲を越えなければ防げます。』
ずっと探していたサングラスの代用品。それを作ってくれたのか!早速、着けてみよう。
「ありがとうルミナス!嬉しいよ!何かお返し出来ればいいけど…」
『いえ、今の言葉を引き出せただけ…何でもありませんよ。タロウの為ですからこのくらいは当然です。ですが、タロウがどうしても恩返しがしたいと言うなら受け取る事も吝かではありませんよ。期待しておきます』
お、おう。とりあえずコンタクトのお礼はいずれしないとな。
「何かお礼になる事を思い付いたら教えて、いつでもいいから」
『わかりました』
新しい年が幕を開けた。
誤字脱字がありましたら報告お願いします!
(´ω`)
転移物の方もゆっくり更新ですがよろしくお願いします!




