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続編 -1 on 1・1-

久しぶりの続編デス。

新学期、二年生になった琴美と宗のお話。

長くならない予定デス。

――入学式の前日。




1年3組の最後のHRで新2年生のクラス替えの振り分けが


プリントで配布された数十秒後……




「ノオォォォォォォォォーーーゥッ!!」




宗の声が教室に響いた。




「「っ!?」」


あたしとメグちゃんは思わず顔を見合わせ、宗に視線を移した。


……というより、クラスのみんなが宗に視線を移した。


すると宗はプリントを両手で持ったまま涙目でゆっくりと


あたしの方に顔を向けた。




(……え?)




何か言いたそうに、訴えるようにあたしを見つめている宗。


そして無言でプリントを指差した。




「?」


不思議に思いながらあたしはプリントに目をやった。


だけど別に変わった箇所はない。


至って普通のプリントだ。


もう一度、宗の方に視線を向けると今度は机に顔を伏せていた。




(なんで宗、あんなに落ち込んでるんだろ?)




あたしは再びプリントに視線を戻した。




そして、その後すぐに「あっ、俺、琴美ちゃんとまた同じクラスだ♪」


後ろから武田くんの声がした。




「あたし9組だー」


隣からはメグちゃんの声。




(みんな見つけるの早いなー)




あたしの目はちょっと乱視も入っている。


だからこんなびっしりと名前が並んだ名簿の中から


自分の名前を探し出すのは苦手だったりする。




「武田くん、あたし達何組だった?」


武田くんと同じクラスと言うことは武田くんに聞いたほうが早い。




「5組だよ」




(5組かー。……あれ? てか、さっきメグちゃん9組って……)




「えー、メグちゃん9組ー? あたし5組だよー?」


「うん、違うクラスになっちゃったね」


「うゎ〜んっ」


「てゆーか……琴美」


「うん?」


「二ノ宮くんとも離れちゃうんだね」


「……え?」




(うそっ!?)




あたしは慌てて5組のクラス名簿の中から宗の名前を捜した。




(な、ない……)




宗の名前がない。




「あー、二ノ宮は1組かぁー」


再び、武田くんの声が後ろから聞こえた。




1組のクラス名簿には確かに宗の名前があった。




「……」




(じゃあ、宗が落ち込んでるのって……)




宗の方をちらっと見るとまだ机に顔を伏せたままだった。




春なのに、あたしと宗には“真冬”がやって来た――。










HRの後、新2年生になったあたし達はさっそくそれぞれの新しい教室へ。




「宗くん、一緒に教室行こ♪」


そう言って数人の女子に囲まれる宗。


しかし、宗はその声にも無反応で2年1組の教室へ向かって歩き始めた。




「恵」


そして教室の外では西山くんがメグちゃんを待っていた。




メグちゃんと西山くんは同じクラスになった。




(いいなー、メグちゃんと西山くん)




ちなみに高杉くんと安藤さんも同じクラス。


榎本さんとは違うクラスになったみたいだけど。




「琴美ちゃん、一緒に行こ」


宗やメグちゃんの後姿を見送っていると武田くんに声を掛けられた。




「う、うん……」






スタスタと歩く宗。


その後を追いかける女の子達。


その少し後ろにメグちゃんと西山くんが楽しそうに一緒に歩いて、


さらにその後ろに高杉くんと安藤さんが歩き、それを追いかける


高杉派の女子と榎本さん。




とっても変な行列だ。




その変な行列の最後尾はあたしと武田くんだけど……。










2年5組の教室の中は意外と静かだった。




……いや、今までが煩過ぎたのかもしれない。




宗と高杉くんのイケメンコンビのおかげで教室の中はいつも


女の子達がいっぱいいた。


休憩時間には他のクラスからも来て、予鈴が鳴っても


授業が始まるギリギリまで二人の周りに居たし。




しかし、今はそれぞれが喋っている程度。


寧ろこれが普通なのだ。




(宗はさっそく囲まれてるんだろうなー)

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