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続編 -にぃたん・4-

――3日後。




朝、いつものように改札口に行くと


珍しく宗の方が遅く来た。




「おはよう」


あたしが宗に手を振ると


「……おはよ」


なんだかムスッとした様子で宗が言った。




「?」




(あれ? なんか宗、機嫌悪い?)




宗は無言であたしの手を少し乱暴に握ると、


スタスタと歩き出した。




「宗……どうしたの?」




「……別に」


宗は短く返事をするとそれきり、前を向いて


あたしとは話そうとしなかった。




(どうしたのかな……?)




あたし、なんか怒らせるような事しちゃったのかな?










――それから宗は学校でもずっとムスッとした顔をしていた。




普段は周りにいる女の子達も近づいたり話しかけたりしていない。




「琴美ちゃん、二ノ宮どうしたの?」


すると後ろの席からボソッと小声で武田くんが聞いてきた。




「それ、あたしも気になってたんだよねー」


メグちゃんも今朝から気になっていたらしく、


武田くんと同じ様に小声で言った。




「それがー、あたしにもよくわかんなくて……」


「琴美、なんにも聞いてないの?」


「う、うん」


「親とケンカでもしたのかな?」


「うーん、あたしもそう思ってるんだけどー……」


「まぁ、明日になればフツーに戻るんじゃない?」


「だな」


メグちゃんと武田くんはそう言うと別の話題に移った。




……だけど、それから更に三日が経っても宗の機嫌は直らなかった――。










――日曜日。




今日は宗とデートの日。


しかし、宗の機嫌がまだ直ってなさそうだから


実はあんまり気が乗らないでいた。


そして午後1時に自転車で家を出て、駅に向かっていると


宗からメールが届いた。




−−−−−−−−−−


ごめん、だいぶ遅れる。


−−−−−−−−−−




「へ?」




(何かあったのかな?)




だいぶ遅れるって事は一度家に戻った方がいいのかな?


それとも駅で待ってた方がいいのかな?




(うーん……どうしよう?)




迷いながら、とりあえず駅に向かった。


駅でしばらく待ってみて、それでやっぱり


会えないって事になったら帰ろう。






駅に着いて、駐輪場に自転車を停めて駅前の小さな公園の前に行くと、


ベンチに小さな女の子が座っていた。




(あれ? 亜理紗ちゃん?)




あの背格好とツインテールは亜理紗ちゃんに間違いない。




「亜理紗ちゃん……?」


声を掛けると亜理紗ちゃんはゆっくりと顔をあげ、


「……ことみ、ちゃん……」


と、あたしにしがみつき、わんわんと大きな声で泣き始めた。




(えぇっ!?)

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