表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

Sの驚愕

作者: 沙悟浄

 Sは母から見合いを勧められた。

 Sの母曰く、高身長、高収入、外科医とはいえ、ぼやぼやしていると結婚なんてできないということらしい。

「良い家のお嬢さんで、学歴もあなたに釣り合っていますよ。」

「会うだけなら。」

「では、来月6日の日曜日、空けておいて下さいね。」

 そう言い切るとSの母は通信を切り、Sは溜息をつく。


 見合いの席で会った彼女は、ふくよかな可愛い若い女の子だった。

 Sの下らない話を興味深げに聞き、コロコロと体を揺らし笑ってくれた。

 別れ際、Sは勇気を出した。

「私とお付き合いをしていただけませんか。」

「喜んで」

 そのはにかんだ笑顔もSは可愛いと思った。


 半年ほど付き合い、Sは彼女にプロポーズした。

 彼女がそれを受け入れてからの、結婚式準備、新居の準備、新婚旅行は怒涛の行程だった。

 まだ新婚の期間と言える頃に、彼女の希望で、子供を作り、彼女は妊娠した。

 Sは煙草を止めた。Sは煙草を止めた己自身に驚いた。 


 今日、Sの子が産声を上げた。Sは自身の母性本能が疼くのに驚愕した。

 もちろん女の子である。母子ともに元気だ。

 Sは、出産直後も微笑む彼女に声をかける。

「がんばったね。ありがとう。」

「ええ。」


 3日後、Sの母二人と彼女の母二人が、初孫を抱きに来た。

 女だけが生まれるこの地球で、和やかな雰囲気の中、Sは幸せを噛みしめている。

 千年程、地球全体で平和が維持されていることからも、古の母達は正しかったと思える。 

外科医で煙草を嗜む女性も存在するかと思います。

私見ですが。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ