クラスでひとりだけ異世界転移しなかった柘植くんが、新任教師の梅田さんが取る出席を手伝う話(書き出し祭り没プロット)
新米教師が初めて行くと、そこにはひとりだけ居た。
彼は教師と顔を合わせると、おはようございます!
ヘアワックスも使ってないのにバシッと七三分け。柘植くん。
「先生!」
「ど、どうぞ?」
挙手する柘植くん。
「恐らく皆、異世界に召喚されたと思われます!」
「何言ってんの?」
「僭越ながら、説明させて頂いても構いませんか?」
あれは昨晩の九時二四分のことでした。はい、二一時二四分のことです、と重ねて説明した。
異世界からやって来ていた、コウモリの翼をしたご婦人が居た。
「助けて下さい! 私の世界では、ウンタラカンタラーで、助けて!」
「なるほど。人助けですか。ですが、私はあなたを助けるより前に、クラスのみんなを助けなければならない」
「そこをなんとか!」
「無理です」
二番候補として挙げられたのは、柘植くんのクラスメイトの佐藤くんだという。
直後、クラスのグループSNSで佐藤くんからメッセージ。
【ちょっと異世界に行ってくるわ! 心配するな!】
続き、人の言葉を話す犬か猫。
同じ展開。松林くんが召喚される。
それがクラス全員分繰り返され、『俺、異世界に行ってきます』の宣言がやってくる。
「……いや……ええ……」
シメは『異世界転移した学友たちがピンチになり、柘植くんと教師が次々助ける』。
没理由。
異世界転移は他作品とダブって票が割れそう。盛り上がりが来ない。