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実力主義への道  作者: 酒呑童児
第九章 螢達との決戦
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78話 ココロ

「それで何の話ですか?」


本局の部屋の一室で二人になると小夜子は言った


「少し昔の話でもしようかと思ってね、聞いてくれるかい?」


「はい、聞かせて下さい。」


「解った。」


そう言って陽は話し始める


「私は生まれた時から強い力を持って居た、だから生まれてすぐに呪術を掛けられて逆らえないようにされ、政府の殺し屋として育てられた。

大学卒業程度の内容は幼少期に修め、それからはずっと戦いの訓練だった、そして殺し屋となってからは何人も殺したよ、女子供、無抵抗であってもなくても関係なかった。

でも、嫌悪したことは無かった、元々災いをもたらす神だし、死なんて終わりじゃないからね、だけど奴らに好きなように使われるのは気に入らなかったかな。

陰はそんな事にはならなかった、私ほど強くはなかったし、呪術が効きにくい体質だったからね。

だけどほとんど会えなかったな、自我に疑念が芽生えたら困るからね、そんな心配はいらなかったけど。

螢は私の事を道具として見ていた周りの中で唯一一人の人として扱ってくれた、嘘じゃない、私は嘘を見抜く能力があるからね。

彼女は私と同じで神としての記憶の全てを持って居るからね、私と同じ境遇だったらしい、殺し屋では無かったけどね。

まあ、そんな感じで仕えてきたけど結局は捨てられたね、実際は国の敵の仲間に忍び込んで滅ぼす裏切者となるように命令されていたけどそれはもう効力を失った、そして今決戦に挑むというわけだ。」


「そうでしたか、私よりも酷い状態で・・・」


ショックを受けた様子の小夜子に陽は語り掛ける


「謝る必要はない、知らなかった事だし、別に嫌だと思っていた訳ではないからね。

でも、そうやって来たからこそ君の気持ちは理解できる、道具として自分を使ってきた周りに対する恨みなんてものは特にね。」


「はい、ありがとうございます。」


「礼はいらない、人の心はそんなものだ、恨み、憎みながらも生きていく。

その気持ちを忘れろとは言わない抱えたまま生きて行けば良い。

・・・戦いまであと十時間位か、準備しておこう。

さあ行こうか。」


そう言って陽は歩き出す


「螢さんと戦うのは嫌じゃないのですか?」


「全くそんな事は無い、呪縛から解放する為に戦うのだから。」


後ろから掛けられた問いに振り返らずにそう答えた陽はそのまま歩み去った



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