61話 苦悩
陽の所に戻ります
あの後少女を連れて飛び立ったが、少女の気分が悪くなった為近くの森へと降りた
「大丈夫か?」
陽は倒木に一緒に座って嗚咽を漏らしている少女に優しく声を掛け、その背中を撫でた
「はい、大丈夫です。」
「そんなことはないだろう。
怖いのだな、自分と自分の中に在る狂気が。」
その言葉に少女は震えた声で答えた
「はい、怖いです。
刃を振るった時の肉を切り裂く感覚、そして何よりも怖いのはその時わたしが楽しんでいたこと。
わたしは楽しかった、そんな感情を持った自分自身が最も怖い。」
「・・・それは悪い事かな?」
「えっ。」
陽の呟きに少女は驚きの声をあげる
「少なくともその感情は悪い物じゃない、それは確約するよ。
なに、疑う必要はない、偽る意味は無いからな。」
「・・・信じます。
貴女はにニュクス、なら心の闇に詳しくてもおかしくはない。」
「そうだね、でも辛いだろう。
ならその思いを忘れてはいけない、人を殺す事に慣れるのは何よりも怖い事だよ。
私はそれに慣れてしまった、後からそれに気づいた時には遅かった。
君には同じ思いをしてほしくない。」
少女は頷く
「はい、でもどうすれば?」
「人を殺したならその意味を毎回考えるんだ、例え殺した理由が復讐でも構わない、ただ自分の行いの意味を忘れなければ良い。」
「それでもわたしは怖い。」
陽は暫し考えると少女に言った
「それなら私が支配する神域に案内するよ。
君が望むならそこに残っても構わない。
その世界でしか使えないけど仮の眼も作れるしね。」
少女は直ぐに答えた
「いきます。」
「なら行こうか、小夜子。」
陽は少女を抱きかかえると少女と共に掻き消えた




