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実力主義への道  作者: 酒呑童児
第七章 鼎の軽重
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40話 酒呑みの鬼

大和は陽の手を取って立ち上がった


「……………強いな、お前は。」


「当然だ、幼い頃より、武術を使えねば生きられぬ暮らしだったのだからな。」


「………そうか、だが私も弱かった、幾ら鍛えたとしても越えられぬ壁はあるのだな。」


陽は少し笑うと言った


「大和、それは違う、越えられぬ壁など無い、

ただ壁が高くなって行くだけだ、

越えたいのなら壁が高くなる速度より速く壁を登れば良いだけのことだ。」


「…それもそうか。」


「だが気を付けろ、

壁を登った後、足を滑らせて落ちない様にな。」


すると強い気配を感じて陽と大和は飛びすさる

そこに飛び込んで来たのは2つの角が生え、腰に徳利をぶら下げ、右手に杯を持ち、不良みたいな顔をした和服の鬼だった

その鬼が口を開く


「お、良く避けたなぁ。」


「鬼風情が何の用だ。」


陽が聞くと鬼はニヤニヤと笑う


「俺は酒呑童子(しゅてんどうじ)とりあえずお前らボコルから覚悟しな。」


そう言うなり酒呑童子は陽に殴り掛かる


「馬鹿馬鹿しい、

吹き飛べ。」


女神の姿になった陽が手を振ると衝撃波が巻き起こり鬼を吹き飛ばす


「すげぇなあお前、それに美人だしなぁ。」


「潰れろ。」


陽の魔力に呑まれて辺り一面が闇に包まれる

そして陽が手を降り下ろす

闇が質量を持って鬼にのし掛かる


「強えぇなあ。」


「止めだ、消え失せろ。」


何故か余裕綽々な鬼に手を向けて魔力を解き放つ


行った事の理屈は簡単、だが他に出来る者は居ない、

陽は魔力を凝縮、夜の空に舞う星星の並びそのものに意味を持たせそれぞれに関連性を見出だし、術式へと変える、そこに神力を流して神術を発動する、

夜の女神の神格を持つ陽にしか出来ない術だった


天空から降り注いだ黒い柱が鬼を消去する寸前、それがかき消えた


「誰だ!

そう聞くのは無駄かな?」


「そうじゃのう。」


そう言って物影から現れたのは狩衣(かりきぬ)を着た70歳ばかりの男だった


「貴方は!」


アリスが呟く


「アリスは面識があったのだったな、

そう、こいつは安倍晴明、稀代の大陰陽師だ。」


「そうとも呼ばれて居るのう、

そいつはわしの命でそなたらの力を量っただけだ、許してやってくれ、

どうでも良いが、今のは陰陽道の根源を司る木火土金水の均等を用いる事で消去しただけの事だ。」


「それだけでは無かろう、

神術を防ぐにはかなりの力が必要だ、

かなり力は抑えたがそれでも強い力を見受けられる。」


「そうかそうか、

まあそれは良い、今回は願いがあって参ったのだ、聞いとくれんか?」


そう言って安倍晴明は返答を待たずに話し始めた


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