表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
実力主義への道  作者: 酒呑童児
第七章 鼎の軽重
45/125

39話 夜と槍使い

先に動いたのは大和だった


「はぁ!」


「…ふん」


一筋の閃光の様に首に迫る槍の穂先をかわして陽は大和の足元を払う

大和はそれを跳んで避けて頭上から打ち込み、打ち合いは続いて行く


「凄い戦いね。」


それを唖然として観ていたアリスは言った


「いえ、二人共本気ではありません、

兄様は大和殿の実力を知る事が目的ですから当然ですが、大和殿が本気を出さないのも同じ理由ではないでしょうか?

……まあ、あの実力は羨ましいですね。」


「それはいいけど、問題はそこにいる誰かさんね。」


そう言って振り返ったアリスの視線の先には見知らぬ男が骸骨兵を引き連れて立っていた


「貴方は先日史殿に頂いた資料に載っていた死霊術師ですね、

騒ぎのどさくさに紛れて逃げ出した挙げ句に復讐の為に来たのですね。」


呆れた様子で陰が言葉を重ねる


「死霊術で私に勝つ事は兄様でも出来ませんよ。」


陰がパチンと指を鳴らすと骸骨兵は崩れ落ち、塵となって消えた


素早く男の背後に回り込み後ろから首に刀を突き付けた陰は底冷えする声で言った


「貴方の命は貴方の物です、好きに使えばいい、

ですが兄様の試合を邪魔する輩を赦すほど私は甘くはありません、

…ちょうど喉が渇いたので貴方の血を全て頂きましょうか?」


陰の言葉に青ざめた男は必死に謝罪の言葉を並べる


「馬鹿馬鹿しいですね、

政治屋の実行を伴わない『検討します』やとりあえず言っておくだけの『哀悼の意を表明します』とか、一度言った言葉は変わらないのにどんな妄言や迷言を吐いても赦される免罪符となっている『発言を取り消します』等と同じその場しのぎにしか聞こえませんね、

まあ貴様らの様な下等者の血等不味くて飲めないでしょうから止めて差し上げます、

代わりに貴方から死霊術の能力を剥奪します。』


冷たく言い放った陰は男から魔術の能力を奪うと拘束した


陽と大和はまだ戦っていた


「そこだ!」


「無駄だよ。」


大和は突きをいなされると陽に言った


「何故女の姿のままで戦う?」


陽は微笑むと言った


「この姿の方が戦闘力は高いからね、

なんだい?

女だからと言う理由は戦わない理由にはならないよ、

そんな事では実戦で意味がありませんからね。」


アリスが呟く


「…陽ってあんな性格だっけ?」


「兄様は男と女の姿で話し方等が違いますから、一人称は私ですが。」


そうしている間に陽の槍が大和の槍を撥ね飛ばして決着がついた


首に突き付けていた槍の穂先を下ろすと陽は男に戻って言った


「九頭竜大和、

貴方の敗けだ。」


大和は言った


「そうだな、

どのみち実力不足だ、

お前達はお前達の道を行くと良い、

私は諦めんがな。」


「何を言っている、

今はお前と共に国を倒す為に動くさ、

その後私達が取る選択が気に入らないならもう一度挑んでくると良い、

今度はお前としてな。」


「ふっ、お前には全てお見通しか、

協力してくれるならありがたい、

頼むぞ。」


「あたしは陽の決定に従うわ。」


「私も今は同じ思いです。」


「二人もこう言っている、

さあ、行こうか。」


陽はそう言って膝をついている大和に手を差し伸べた


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ