閑話4 妖魔の血筋
陽達は屋敷の近くにある森の中で夜を待つ事にした
(夜まで時間がある、
いつかは必要だからな………話しておこう、
アリスは知っているかも知れないが…いや、多分知らないな。)
「私とアリスの家系について話しておく
これはアリスも知らないだろうから聞いてくれ。」
2人に告げると陽は話し出した
「それは昔の事だ、
私の一族にはある時期を境に妖魔の血を宿した者が時々生まれるようになった。
最初は木々と話せる位だと思われていたが、人より長く生きる事や身体能力が高い事が分かると、先祖帰りと呼ばれて敬われたり、化物の子と呼ばれて蔑まれたりしたらしい。
ちなみに最初にその様に生まれたのがアリスだと実家の書簡に書かれている。
それが何故かは分からないが、総じて妖魔との親和性が高く、妖魔と融合した事例もある。」
「それがあたし?」
アリスの言葉に頷く
「そうだ、だが他にもいる、
一人は私も知っている
がしゃどくろと言う巨大な骸の妖魔と融合した者だ。」
「誰なの?」
陽はそっと口を開いた
「それが私の双子の妹、
夕月陰だ。」
「居たんだ………妹。」
「その事は大和局長は知っているの。」
菖蒲の尤もな問いに陽は答える
「大和は間違い無く知っているな、おそらく史も知っている筈だ、余談だが妖魔の血には種族があり、その妖魔の名で呼ばれる。」
「そっか、
あたしはエペタムだね
じゃあ陽は何者なの?
もしかしてニュクスの事は知っていたの?」
「私が何者か…それは私にも分からないな、
だがニュクスの事は知っていた、
力の使い方は知らなかったがな、
だからその面ではあの夜神星華と言う女には感謝している。」
「貴方の妹と戦う事になる可能性はありますか。」
菖蒲の問いにため息をついて答える
「ほぼ間違いないだろう、
彼女はとても好戦的な性格だからな、
昔から何度も喧嘩したよ…それも本気でな、
本気出したのはアリスと陰の時位だったな。
陰と会ったら確実に戦うはめになるだろうな。」
「その子の武器は?」
「一般的に片手剣と呼ばれる物だな、
彼女の剣の長さは十握(拳十個分)で神殺しの霊力がある、
その名は十束剣遥か昔にイザナギがヒノカグツチの首を跳ねた剣だ、
その為私にもかなり効果が高いな。」
陽は苦笑いして言った
「ニュクスは神ですからね。
いつ戦う事になりそうですか?」
「福島だ、
大事故が起きたあの場所に陰はいる、彼女は死に引き付けられる所があるからな、言っておくがこれは妖魔の性質とは関係無い。」
「陽の家族って生きてたんだ。」
「私達の一族で生きてるのは私とアリスと陰だけだ、
他は事故を隠蔽しようとした国に殺された、
アリスは封印されていて、私と陰は強いから生き残ったんだ、追っ手を皆殺しにしてな。」
「その子の能力は?」
「菖蒲、だんだん史に似てきたよ。
まあいい、陰の能力は骨や死体を操る事にある、
骨を生成して地中から大量に槍みたいに突き出したり、体から骨の刃を生やして体術に殺傷力を追加したり、大量にリビングデッド(動く死体)を召喚したりと、数の暴力等で勝てる相手では無いな、
と言うより一対多の方が得意なタイプだな。」
そこでアリスが言った
「そろそろ暗くなって来たね。」
陽が頷く
「なら私が見張っているから少し仮眠をとっておけ、
アリスも眠る必要があるだろ、
私は大丈夫だニュクスの力のおかげでほとんど眠る必要が無いのでな。」
「分かりました。」
菖蒲が言った
「武器の手入れをしておくから渡してくれ。」
そうして2人を寝かせた陽は呟いた
「陰には返して貰わないとな、
私の力を抑えているあの鍵を……………」
その呟きは夜の闇の呑まれて消え去った。




