32話 影の女王
夜
九頭竜大和は一人で通天閣に来ていた
「この辺りの筈だが……あれか。」
大和の視線の先には通天閣の真下に現れた装置があった。
これはポラリスが日本各地に配置した悪魔の封印装置で、悪魔の存在そのものを封印する事が出来る物だ。
「それでは封印を解くとしよう。」
大和は携帯電話を取り出すと装置に向かって解除コードを送信した
「さあ、出てこい、影の女王よ。」
すると装置から黒い闇が吹き出て装置を覆い隠した、
その闇が晴れると装置は無く、
全身黒に統一された衣装で、年齢不詳の女性が立っていた
「お前が私の封印を解いたのか。」
「その通りだ。」
女性の問いに大和が答えると
「私はスカアハ、
お前が誰かは知っている、
その目的も、時間が無い事もな、
よかろう、
私がお前、九頭竜大和を鍛えよう、
但し時間が無いのでな、限られた期間で出来る限りの訓練を施そう、
妥協等は一切認めない。」
スカアハは冷たく言い切った
「当然だ、その為に来たのだからな。」
「ならば場所を移そう。」
スカアハが言った瞬間大和はスカアハとともに知らない場所に移動していた
「ここは何処だ?」
「ここは影の世界、
地球の空間軸の外のある世界、
ここでなら時間が地球より遅い為時間が取れます、
しかし、それでも期限は一週間、
その間にお前を鍛え上げて見せよう、あの少年に届くかは疑問だがな。」
「無論だ、始めよう。」
それから大和の特訓は始まった、
その内容は凄惨極まりない物であった、
最初に悪魔と化した獣の群れが沢山いる森の奥に置き去りにされ、1日で脱出する事が必要だった。
2日目は今度は悪霊が群がる社に一人で一泊させられた。
3日目は魔術の使い方や概念の学習に費やした。
4日目は前日に学習した事の実践に冥界の魔物と戦った。
5日目は竜脈の力の勉強をして、6日目に実践した。
そして最終日、
スカアハから最後の試練が課せられた
「私を倒して見せろ、
それでもあの少年には及ばんがな。」
スカアハは相変わらずの男口調で言った
「当然だ、
彼は強いのだからな。」
そうして2人の試合が始まった、
スカアハも大和と同じサイズの短槍を振るい戦った
「はぁ!」
スカアハの槍が大和の首に向かって目にも止まらぬ速さで伸びる、
大和はそれを紙一重でかわし、スカアハの足を短槍で払う、
「とぅ!」
スカアハは飛び上がってそれをかわし、上から槍を突きこんだ、
大和はそれを後ろに飛んでかわし、再びうちかかった。
「私の…負けです。」
幾十合の打ち合いの末、
スカアハの槍がカランと乾いた音を立てて地面に落ちた。
「貴方の力は私を越えた、
ならば貴方の助けになる事を願ってこれを授けます、
この槍はゲイボルグ、
かつてクーフーリンに与えた物と同じです、
これは雷の力を宿す槍、
貫いた敵の傷を炭化させて治癒を不可能にします、
最も地球の純生物にしか効きませんけどね、
………そろそろ時間です、
新たな人の歴史の為に行きなさい。」
礼を述べる暇もなく大和はもといた通天閣に戻された
「早くいかねば、
私はこの国を、いや、この世界をあるべき姿に戻すのだからな。」
そう呟くと大和は大阪本局に戻った。
尚、現実では5日が経っていた




