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実力主義への道  作者: 酒呑童児
第五章 東北戦開始
24/125

番外編 嘘を司る者

4月1日なので番外編を書きました。


(これからの物語にも絡んでくるつもりですがね。)


(時系列的には17話と18話の間になります。)

4月1日、普段ならエイプリルフールと呼ばれる嘘の日、

陽とアリスの2人は大和から要請を受け、

大阪城公園の噴水がある広場に現れた妖怪を退治しに向かった


「報告によると

その妖怪に必ず勝つと直接いい放った愚者(おろかもの)が負けたらしい、

その人は強い退魔師で負ける事は考えにくいそうだ。」


「他にはないの?」


「その妖怪は

[あぎょうさん、さぎょうご、いかに]

と言ったらしい、

それが妖怪の力だと大和が言っていた、

君は何か知っているか?」


アリスが頷く


「それは有名な怪談ね、

答えは[うそ]よ。」


「それは知らなかった、解説できるか?」

「任せて、

これは[あぎょうさん、さぎょうご]を

[あ行3、さ行5]の意味で、

あ行の3番目が[う]、

さ行の5番目が[そ]、

だから答えはうそになるの。」


アリスが自慢気に解説する


「だから負けたのか、

つまりその妖怪は[言われた事を嘘にする]能力があるとみて間違いないな。」


アリスが苦虫を噛み潰したような顔をする


「それ、どうしたらいいの?」


「簡単だ、何も言わなければ良い、

他にも方法はあるが、成功するか分からないから試してみるか。」


「方法って?」


尋ねるアリスに陽は薄く笑う


「なに、行けば分かるさ…」


そして2人は大阪城に到着した、

そこにいたのは人の頭をした牛だった


「あぎょうさん、さぎょうご、いかに。」


何故、

(くだん)の姿なのかは分からなかったが、陽は考えていた言葉を言った


「お前はこの世界に存在する。」


「嘘だ。」


妖怪はそう答えると陽炎(かげろう)のように消え去った


「えっ、何で消えたの?」


戸惑いを隠せないアリスに陽が説明する


「言ったことを嘘にするなら、事実を言えば、それが存在しない事になる、

つまりあの妖怪がどれだけ強くても、

自分の存在を自分で否定すれば存在することが出来ないんだ。」


「そうなの?」


「大和に聞いたが妖怪は精神体が人々の心と結び付き、物理的な干渉力を持った存在らしい、

つまり妖怪とは情報の塊のようなものだ、

だから自分の存在を否定すれば存在出来ない。」


そこで陽は感じた


『この事を大和は知っていた事の不自然さを、

自身が妖魔であるアリスが知らない事を大和が何故知っているのかと言うことを。』


それをアリスに言うと


「前に言っていた、九頭竜さんがカインと言う遥か昔から生きている人物だったら、それも納得出来るね。」


「そうだな、大和をそれとなく探ってみたが、

それは間違いない、

それに調べたがクトゥグアの事だが、クトゥグアは炎の塊の姿で間違える筈が無い、

何故大和が嘘をつくのかは分からない。」


それを聞いてアリスが笑って言った


「そう言えば、

あたしが昔に陽と会った事があると言ったら信じる?」


「それは本当か!」


そこでアリスは怪しげに笑った


「さあね、

陽が覚えて無いなら真実はあたしだけが知っているわ。」


陽もアリスと一緒に微笑んだ


「まったく君には勝てないな。」






本当に言葉の真偽が分からないのは妖怪ではなく、人間だと陽は思いしるのだった




そして2人を背の高い木の枝に幹にもたれ掛かるように座る1人の若い遊び人風の男がいた、

「あの2人、面白いねぇ、

妖魔と同化した少女と妖魔になりかかった少年かぁ、これなら番狂わせもあり得るかなぁ、

それにしても、あっさりやられちゃったけどあんな妖怪が居たとはねぇ、

嘘と欺瞞(ぎまん)を司る(つかさどる)神の僕だけど、

楽しい事になりそうだからそのうち声をかけるかもしれないねぇ、

まあ、今はまだ早いか、

あの2人が進む道を決めた時、面白そうだったり気に入らなければ、直接会うとしようかねぇ。」


そう言うと、その男は最初から存在しなかったかのように消え去ったのだがまだ2人は知る余地もなかったのだった。

嘘と欺瞞を司る神


まだ誰とは言いません。



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