104話 ロキ
「何故陽に付きまとうのですか?」
「面白いからに決まってるだろう、僕は面白い事を見ている者だからね。」
「火にガソリンをぶちまける様な性格の貴方がそれを言いますか。」
薙刀をゆっくりと構え、螢は息を吐く。
「仕方ないねぇ、僕も本気を出すとしようか。」
ロキの背中に蝙蝠の様な翼が現れ、本人の姿も悪魔に近い物になる。
「巨人と神の間に生まれた災いの子ロキ、貴方を撃破します。」
「威勢は良いねぇ、それがいつまで持つかな?」
「貴方を倒すまで。」
短く答え、螢は斬りかかる。
「物騒だねぇ、女の子がこんな物を持ってさぁ。」
「他にも居るでしょう、ヘルも女の子ですよ。」
「そうだけどねぇ、年齢的に女の子かどうか分からないけどね。」
「それは・・・人の基準から考えるのは無理ですね。」
「まあ、実際には君の方が年上だけどね・・・僕よりも上だし。」
「一々癇に障る、さっさと消えろ。」
螢の薙刀はロキの首を刎ねたように見えた。
「ここだよ~。」
ロキは遠くに現れ手を振って見せる。
「幻術、流石欺瞞を司る神ですね。」
螢は目を閉じて気配を探る。
「・・・ようやく解りました、貴方は面倒だった。」
「それで君の答えは?」
「貴方はここに居ない、今居る貴方は幻影、でも本体はここに居ない。」
「正解だよ、バレちゃったらここに居ても意味ないし何処かに行くよ、じゃあね。」
ロキの姿は掻き消える。
「最後まで人を馬鹿にした奴・・・これからも目を光らせなければ。」
それと同時にロキの軍勢も引き上げていく。
「大将が引き上げたのだから賢明でしょう、ですが後の脅威になりかねないでしょう、ここで減らしておきましょうか。」
螢は多くのゴーレムを作り出し、巨人軍へと向かわせる。
「取り敢えずはこれで良いでしょう、数を減らすことが目的ですから、次は天軍ですね、ゴーレムに飛行能力はありませんし・・・こうしましょうか。」
螢はゴーレムに岩を投げさせる。
「腕を投げる為に適した形にした、雑ですがまあ良いでしょう、後は支援、皆の下に向かいましょう。」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「アリスさん大丈夫ですか?」
一人で戦っていたアリスの下に螢がたどり着くとアリスは振り向く。
「うん、大丈夫だよ。」
「そうですか・・・これは?」
螢が見たのは天使の死体だった、しかしそれは食い散らかされたようになっていた。
「あたしは人食い刀エペタム、切った者を喰い裂くの。」
「そうでしたか、私も援護します。」
「うん、よろしく。」
邪神ロキ 逃亡




