102話 ラファエル ヨルムンガンド
「弱い、もっと強い人とあたしは戦ってきた。」
「貴女が強すぎるのですよ、身体能力だけなら夕月陽を越えるのでは?」
そう、と呟いてアリスは地面の氷をとても大きくくりぬいて上空に飛ばし、落ちてきたそれを異常な脚力で相手に蹴り飛ばした。
「そうだよ、純粋な戦闘能力ならあたしは陽を越える、でもあたしは陽に勝てない。
陽の方が魔術も使えるから。」
飛んできた氷塊を魔術の風圧で撃ち落としてラファエルは頷く。
「それに愛した人に勝つ事は難しいでしょうしね、ですが私は貴女に勝てません、降参させて貰います。」
「貴方は神に仕えているんじゃ?」
「私は愛を守る事が目的、それを阻むなら神であっても逆らいます。」
「そっか、それじゃあね。」
アリスが立ち去りラファエルは味方の陣営へと飛び立った、反逆者は殺される、それか解っていてもなお、己の存在意義を守る為に・・・
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ヨルムンガンド、空に浮かぶ戦艦だねこりゃ。」
史は普通の十倍はあろうかという巨大な設置型の砲台を作り出し照準を合わせて発射する。
「こんなもんじゃ死なないか、となるとあれを使うしかないか。」
史が起動の為にバソコンを操作し始めると、天使達が襲い掛かってくる。
「あんたらの敵を倒してあげてるんだからやめろよまったく。」
史がバソコンに起動コードを打ち込むと沢山の自動迎撃システムが作動し、天使を撃ち抜いていく。
「相変わらずややこしいパスワードを作ったもんだね、今度は管理者権限も効かないし。
放出ノズル異常なし、エネルギー充填完了、出力強化完了、破壊規模限定、エネルギー収縮開始、座標確定、射出口展開、エネルギー収縮完了、ノイズ除去率百パーセント、設定完了、これでいいかな?
攻撃用衛星兵器起動、呼称【神雷】発射。」
そのコードの入力が終わると衛星に蓄えられた龍脈のエネルギーが雷となってヨルムンガンドに降り注ぐ。
「これで終わり、うん、死んだね。」
粉々になった死体をみてその死を確信すると史は射程距離を異常に伸ばした自作のライフルを手に取って構える。
「さあ、援護射撃といきましょうか。」
熾天使ラファエル 反逆
大蛇ヨルムンガンド 死




