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実力主義への道  作者: 酒呑童児
第十章 唯一神との闘い
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101話 ガブリエル

「心は・・・読めませんか。」

「当然でしょう、あやかし風情に天使の心が読めるとでも?」

「でも・・・貴方達が敵だという事が解って居ればそれで良い。」

「こちら側に付く気はありませんか?嫌な記憶も忘れるほどの幸せが味わえますよ。」

その誘いに対し小夜子はそっと答える。

「とても嬉しい誘いですね、でもあの方を裏切る事は出来ないし、わたしの居場所はここですから、例え幸せでなくても私はここに居る。」

「そうですか、己の役割さえ無ければ共感できたかもしれません。」

でも、と小夜子は口を開く。

「わたしは貴方達の顔が恐怖に歪むのを見てみたい。」


言い放った小夜子は素早い身のこなしでガブリエルに肉薄し、斬りかかる。

「くっ、流石はニュクスの戦闘能力をコピーしているだけはありますね。」

その言葉を聞いた小夜子は言い放つ。

「あの方の剣術をこの程度と思わないで下さい、わたしなどあの方の足元にも及ばないのですから。」

小夜子はそう言って飛びかかり上空から刀で斬りつける。

それを片手剣で防いだガブリエルはそのまま魔術で出した炎で焼き払う。

「姿が消えた?」

呟いたガブリエルの足元に唐突にヒビが入り氷を吹き飛ばして小夜子が現れ隠したナイフで切り付ける。

「下は海、凍てついた水の中を泳いでくるとは・・・」

「この程度あの方の為なら。」

ガブリエルはひらりと上空に飛び上がると魔力を集束させる。

「時間切れです、そろそろ終わりにしましょう。」

「なにをする気?」

「殲滅ですよ、貴女達のね。」

「熱い、この辺り一帯は焼け野原になるかも・・・・」

「恐らくそうなるでしょう、ソドムと同じです、全てを焼き尽くす葬火を捧げましょう。」

そう言ってガブリエルは炎の塊を打ち下ろし全てを焼き殺した。

「さて、終わりましたね、それでは帰りましょうか。」


「まだだよ?」

そう聞こえると共に胸に痛みが奔り見ると後ろから刀を突きたてられている。

「何故・・生きているのです?焼き尽くされた筈では?」

「何を言っているの?炎なんて一度も使ってないのに。」

眼下を見ると確かに炎の姿は無く、その形跡も無かった。

「幻覚・・・いつから?」

「心が読めないって言ったぐらいから?」

「・・・最初ではありませんか、最初から負けていたのですね、勝利の夢は本当に心地よかった。」

「そうですか、さようなら。」

小夜子に刀を引き抜かれ落ちて行きながらも聞こえる声に耳を傾ける。

「いい夢見れましたか?」

・・・ああ、見れたよ、最後に良い夢を。


ガブリエルはゆっくりと海の底に沈んでいき二度と浮かび上がる事は無かった。



熾天使ガブリエル 戦死

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