光
人間の脳のなかには潜在意識という小宇宙が存在している。
この中に超意識という神と繋がる領域がある。
ここに繋がるとどんなトラブルも解消し願いも叶う。
先人たちは、この意識と繋がるため過酷な修行を課したり、瞑想に没頭する。
そして悟る。
そんな過酷な修行しなくても瞑想に没頭しなくても日常のなかに修行があり神様とは常に繋がっていることを。
男は現在、人を運動で健康にして元気にしていくという仕事をしている。
何人ものスポーツ選手や生活習慣病で病んでいる人たちを明るい方向へ導いている。
だが今はまだ人のことどころではない。
男もこういう道に進むとは思っていなかった。
人は目標を決めて突き進む人間と目の前のことを一生懸命やってクリアして行き、いつの間にかしっかり自分の人生を送っているタイプと成功者とはいろんな形がある。
成功者とはまだまだ程遠い男は病院から強制退院させられ家に帰るも身内に人間不振になり、日に数回襲ってくるパニック障害に耐える日々を送っていた。
男はまだ辛うじて動く足を引きずって車に乗りどうにか助かるすべはないか人に会いに行き助かるすべを模索していた!
西洋医学では対応できなかった時のことを考えて東洋医学、免疫学、漢方薬といろいろ探して回っていたが良い反応はなかった!
そして、ある有名な治療院で男は性懲りもなく今までの人生を語った。
治療院の先生は優しい顔で
「あなた楽しいことはないのですか!?何か楽しいこと見つけなさい。」
男
「こんな状態で楽しいことがあるわけがない!」
先生
「そんな暗い顔して治る病気も治る訳がない。薬は出しますけどそんな考え方じゃ薬効きませんよ!!」
男は薬は出すけど効かないという理不尽なことを言われ落ちた心を落ち着かせながら帰宅の路についた!
道中車の中で事件は起きた!!
帰りの重苦しい車内、車内には母親、兄、男!
追い打ちをかけるように母親が
「この間あなたの運勢占ったら、この10年間運が悪く来年まで最悪なのよ!」
この言葉で男の心は壊れた。
今でこれだけ苦しいのに来年までこれが続く!!
急に涙が溢れだした!
今までせき止めていたものが一気に崩れていった!
男は車の中で母親に罵声を浴びせた!
「お前!何を考えてそんなことが言えるんか!このクソったれ!」
「ここで降りろ‼死ね!お前!」くらいは言ったような気がする!
心が壊れた車の中で運転していた兄が男を見て
「大丈夫か!頭がおかしくなったのか!」と驚いた顔で男に言った。
男はほんとに孤独だった!
何もないことを知った!
誰も助けてくれないことを知った!
ドン底を見たら後は這い上がるしかない!
しかし落ちるのに底が無いことを知った!
だが! ここで奇跡が起こった!!
兄が「頭おかしくなったのか!」と、言った理由は泣いてるのと“笑ってる”顔を見たからである!!
男は泣きながら笑っていた!
泣きながら頭が狂いそうな極限状態の中で、もうどうでもいいや!という思いが笑いを引き起こした!!
肺の手術から10年間、笑ったことなどなかったかもしれない。
学生の頃から習っていた格闘技。
この格闘技で学んだ教えは痛いとき辛いとき苦しいときに“笑え”!
後で知ったこと!
笑うと脳の中にBエンドルフィンという脳内麻薬が発生するらしい。
(β-エンドルフィン(べーた-えん どるふぃん)脳内で働く神経伝達 物質の一種。鎮痛効果や気分の高 揚・幸福感などが得られるため、 脳内麻薬とも呼ばれる。脳内で働 く神経伝達物質「エンドルフィ ン」のひとつで、モルヒネと同じ ような作用をする物質です。)
闘争本能を闘うことを忘れていた男に“笑い”が起きたことで何かが変わった!!
学生の時に学んだ教えが数十年の時を越えて男を覚醒させた!!
母親という者は偉大である!
最初の病気の時は全力で男を助けた!
ホントに母親に助けられた!
何も心配しなくていい!お金のこと!病院の手配!手術のこと!あなたはただ病気に負けないことだけを考えてがんばれ!と言っていた!
しかし10数年の時で母親は老いていた!
心配性という生活習慣病になっていた!
気づかない内に自分の心配を取り除きたくて病人の男に心配を植え付けていた!
後々、思うとこの母親の行為が紙一重で男のメンタルをより強靭なものに変えていった!
良くも悪くも母親には感謝するばかりである!
ここから男は何もない真っ暗闇のこの人生に自分で光を差し明るい人生に変換していくことになる!!
つづく!