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戦慄の魔術師と五帝獣  作者: 戸津 秋太
一章 戦慄の魔術師の帰還
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十四話

 教室に戻ると生徒たちがにぎやかに話し合っていた。

 その雰囲気は休み時間のそれだった。

 なんとか一時間目の授業には間に合ったようだ。


「よお、フェイ。遅かったな、もうすぐ二時間目の授業が始まるぞ」


……なんとか、二時間目の授業には間に合ったようだ。



 アーロン先生のノリノリの授業も午前中が終わり、食事の時間になる。

 それにしても、鼻歌歌いながら腰を振って授業をしている教師の姿って、結構精神的にくる……。


 とりあえず、食事をするため例のごとく食堂へ向かう。

 食堂内を見渡し、ブラムの姿がないことを確認する。

 そのことに気づいたのか、ゲイソンが俺を安心させるように言ってくる。


「おいおい、そんなに探してもボネットのお坊ちゃまは見つからないぜ。なんせ今日は登校してないからな」

「そうなの?よく知ってるね」

「俺の情報網をなめるなよ!」


……いや、そんなに親指突き出して「どうだ、俺凄いだろ!な、凄いだろ!」アピールしなくても。


「相変わらずあんたはうざいわね」

「何を!」


 案の定、アイリスがゲイソンに突っかかる。

 とにかく、今日は落ち着いて食事をとれる。



 適当に食事を頼み、席に座る。

 ちなみに今日はメリアも一緒だ。


「ところでさあ、フェイ君。どうして今日メリアと一緒に登校してたの?」

「ん、メリア?呼び捨てなんだ」

「いやー、メリアって話してみると結構面白いんだよね。ほら、食わず嫌いってやつ?」


……なんだそのたとえ。メリア気を付けろ、食われるぞ!


「まあとにかくアイリスと仲良くなれたみたいで、よかったねメリア」

「はい、フェイ様!」

「今更だけど、そのフェイ様ってやめて欲しいんだけど……」

「では、なんとお呼びしたらいいんですか?」

「普通にフェイでいいよ。同級生なんだし、敬語もなしで」

「は、はい!……えと、フェ……フェ……」


 ボシュッ!っと音を立てて机に頭を付けるメリア。


「ん?メリア?」

「……フェイ君、いちゃいちゃするのはいいけど、私の質問にも答えてよね!」


 口を尖らせながら不機嫌そうに言ってくる。


「俺も気になるぜ!」

「ゲイソン……お前もか。たまたま教室に入る前に出くわしただけだよ」

「うそね!」

「うそだな!」

「何で急に息ピッタリになるの!?」


……本当、この二人は仲が良いのか悪いのか……。


「もしかして、家から一緒に来たとか?」

「あ、僕これから用事が……」

「こら、逃げるな!」


 立ち去ろうとした僕の服の袖をアイリスが掴んでくる。

 振りほどこうとした、その時。


「ちょっといいですか?」


 その声の主は、生徒会副会長セシリア=ボネット。


「ゲイソン、呼ばれてるぞ」

「え、俺か!?」

「私はフェイ=ディルク君に用があります」

「……何の用ですか?」

「生徒会室に来てくれますか?フェイ=ディルク君」


 うん、落ち着いて食事をとれるわけないんだよね、僕が。

 まあ、もう食べ終わっていたんだけど。


「良かったわねー、用事が出来て」


 アイリスが冷やかすように言ってくる。




 後で、覚えとけ……。


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