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一度ある事は二度ある

 初めてののんちゃんの部屋。

 いや、大きくなってからは、女の子の部屋自身が初めてだ。

 少しどきどきしなが、のんちゃんの部屋に入った。


 やったぜ。

 俺も女の子の部屋に入った。

 何かのんちゃんのプライベートな領域に入った事が、うれしいじゃないか。


 そして、妄想も湧き上がってくると言うものだ。

 とは言え、いきなり押し倒すのも、焦りすぎだ。まずはのんちゃんの部屋を味わおうじゃないか。


 と、思ったものの、のんちゃんの部屋はさっぱりした部屋だった。

 ベッドに机、本棚。それだけだった。


 女の子らしいと言えば、本棚に本だけでなく、ぬいぐるみがいくらか置かれているくらいだ。


 のんちゃんは制服のブレザーをハンガーにかけて、クローゼットの中にしまうと、ベッドの上に座って、その横をぽんぽんと叩いた。

 俺がその横に座る。

 高鳴る胸。どきどきと脈打つ鼓動が感じられる。


 今日、俺はのんちゃんと。

 そう思うと、高鳴る期待だけじゃなく、ちょっとした不安も湧いてくる。

 やっぱ、ここでも今すぐと言うのはちょっと焦りすぎだ。


「俺さ。女の子の部屋に入るの初めてなんだ」

「うわー。うれしい。私も初めてだよ。男の子を自分の部屋に入れたの」


 のんちゃんが飛びついてきた。あの時と同じだ。

 もう止まらない。


 俺はのんちゃんを抱きしめながら、のんちゃんのベッドに押し倒した。

 ベッドに仰向けの、のんちゃん。

 しっかりと、俺を見つめている。

 ゆっくりと、顔を近づけていく。

 このまま、キスだ。

 重なり合う俺とのんちゃん。

 のんちゃんの唇と俺の唇が触れる。


 もう俺は躊躇しない。その時にはもう右手はのんちゃんの胸の上にあった。

 柔らかなのんちゃんの胸。

 やっぱ、女の子の胸はサイコーの感触だ。

 心の奥底から欲望が沸き起こって来るが、二度目と言う事も手伝ってか、理性も吹き飛んではいない。

 マジで、このまましてしまっていいのか? 少しの躊躇はある。

 でも、知りたい。

 見たい。

 したい。

 入り混じった好奇心と欲望が理性と戦っている。

 やがて、俺の欲望が理性をノックアウトした。

 このまま本能の赴くままに。


 のんちゃんのブラウスのボタンを一気に外す。

 ブラに包まれたのんちゃんの胸が姿を現した。

 すでに経験済みとは言え、俺の鼓動はMax。

 ブラを押し上げると、あの日と同じ、のんちゃんの柔らかそうな胸が露わになった。

 今度は焦らない。

 そんな思いで、一気に右手を左胸に向かわせず、くびれた細い腰の辺りから、ゆっくりと指を這わせていく。

 胸のふくらみにたどり着いた俺の指先が、ゆっくりとそして優しく、外周かららせんを描きながら、徐々にその頂点を目指す。

 右胸は指先の代わりに、舌先で攻めて行く。


 女の子は柔らかい。サイコーだ。


 のんちゃんの左胸の頂点にたどり着いた俺の右手は、柔らかさとその頂点の感触を味わった後、この前たどり着けなかった場所を目指すため、一気にのんちゃんの体を駆け降りて、太ももに向かった。

 スカートの裾から侵入した俺の手に、のんちゃんのすべすべして柔らかな足の感触が伝わってくる。


 行くぞ!

 もうためらわない。

 そう思った時だった。


「ただいまぁ」


 マジかよ? 一度ある事は二度ある!

 俺は飛び起きた。


「何でお母さんが?」


 のんちゃんも慌てて起き上がり、慌ててブラウスのボタンを止めはじめた。


 この前の俺の姉貴のように、当然ドアを開けられてはたまらない。

 のんちゃんから離れた壁の片隅に座って、鞄の中をまさぐる。

 とりあえず、教科書。

 ちょっと混乱気味の俺の思考がはじき出した擬装。

 勉強しに来てます!


 のんちゃんは立ち上がって、ブラウスのすそをスカートの中に入れ、机の上に置いてあった鏡で、髪を整えている。


「のんちゃん。誰か来てるの?」

「うん。お友達」


 そう答えて、ちらりと俺に目を向けてから、付け足した。


「勉強、一緒にしてるの」


 受験を控えた高校生。

 勉強と言う言葉はある意味免罪符的なものである。


 玄関の靴を見れば、その一緒に部屋にいる友達が男である事は分かっているはずだ。

 たとえ、男の子を連れ込んでいたとしても、勉強を教えてもらうの。と言えば、許される可能性だってある。


 のんちゃんはやましい事はしてませんでしたよって、アピールのためか、脱いでいた制服のブレザーまで来て、自ら部屋を出て行った。

 とたとたと階段を駆け下りる音が聞こえてくる。


「お母さん。今日はお出かけじゃなかったの?」

「お友達の息子さんが体調崩してるんだって。なので、早く帰らなきゃいけなかったのよ」

「そうなんだ。で、帰って来たんなら、おやつに何か出せるかなぁ?」

「そうねぇ」


 耳をそばだてれば、階下の会話のやり取りが聞き取れた。

 どうやら、怪しまれてもいないし、俺が部屋に上がり込んでいる事も怒ってはいなさそうだ。


 しばらくすると、のんちゃんがアイスクリームを持って戻ってきた。

 フーゲンダッツのアイスクリーム。

 俺の好きなクッキー&クリームと正統派バニラ。


「ねぇ。アイス食べない?」

「食べる。食べる」


 再び二人、ベッドの上に並んで座った。


「どっちがいい?」


 のんちゃんの右手にはバニラ、左手にはクッキー&クリーム。


「クッキー&クリーム」


 のんちゃんの左手を差しながら言った。


「はい」


 のんちゃんが左手を差し出して、手にしていたクッキー&クリームとスプーンを渡してくれた。

 受け取ったアイスのカップとシールを剥がして、スプーンを突き刺す。

 硬い。もう少し温まってからの方が美味しい。


 胸のあたりにあったアイスを持つ左手を膝の上において、のんちゃんに目を向けた。

 アイスを食べようとしていたのんちゃんは、その仕草を止めて、俺に顔を向けた。


「お母さん、何か言ってた?」

「ううん。何も」


 のんちゃんの表情の中に安堵感が読み取れる。


「それはよかった」


 マジでそう思う。

 にこりと返した俺の前に、のんちゃんがスプーンを差し出してきた。

 のんちゃんのアイスが乗っていて、高さ的には俺の口の高さ。


「バニラも食べる?」


 こ、これは間接キス。

 濃厚なキスをしている間柄とは言え、俺としては人生初の間接キス。拒む理由など無い。


「食べていいの?」


 一応、そう確認だけしてみる。のんちゃんがにこりと頷いて、俺の口にスプーンを近づけてきた。


 開いた俺の口にアイスが乗ったスプーンが入る。

 口を閉じると、アイスの美味しさと、初めての間接キスと言う感激が込み上げてくる。

 閉じた俺の口から、のんちゃんがスプーンを引き抜いて行く。

 スプーンが引き抜かれる最後の瞬間、俺の上唇がぷるんとした気がした。


「俺のも食べる?」


 嬉しそうに頷くのんちゃん。

 まだ固いアイスにスプーンを突き刺し、一口分の量を掬い取り、のんちゃんの前に差し出す。

 ぱくっ。って、感じで俺のスプーンがのんちゃんの口の中に消えた。

 なんだか、幸せなひと時だ。


 二人でいる。

 やましい事をしたい気が無い訳じゃないけど、そんな事していなくても、二人でいる。それだけでも十分、心が温まる気がした。

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