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世界のお話  作者: すー
7/12

7 「鳳凰(ほうおう)」

 日本のお話。あるところに輿入り前の娘がいました。娘は若者と恋に落ち、互いに歌まで交わすようになりました。


 けふ(今日)とても が名を呼びし そらに息(娘)


 あの雲なりしか 君の横顔(若者)


 娘には頑固な父親がいました。父親は娘が可愛くて仕方がありませんから、若者に無理難題をふっかけます。

鳳凰ほうおうの羽を取って来い。そうすれば娘と祝言を挙げさせてやろう」

 鳳凰は伝説の鳥です。火に包まれた体をしており、高らかに鳥の歌を歌うといいます。

 美しい火山である富士山の火口に住んでいるというので、若者は旅支度をして出発しました。

 山を登っていると、確かに歌声が聞こえてきます。

「鳳凰よ、鳳凰よ、汝が羽の一枚を頂きたい」

 若者は鳳凰を呼び止めました。

 真っ赤な体をした鳳凰はうなずいたかのように見えました。

 ぱっと鳳凰が飛び立つと、羽根が残されていました。

 若者は意気揚々と山を下り、娘の父親に羽根をそっと差し出しました。

「間違いないな」

 さらに問題を吹っかけようとする様子の父親を、娘がいさめました。

「父上様。わたしはこの方に嫁ぎたいのです」

 娘は若者と共に屋敷を出て行きました。後に父親が亡くなる前に鳳凰の羽根を二人に渡したため、今でもその一族は羽根を持っているそうです。

竹取物語の婚姻譚はアレンジがしやすかったです。若者と姫君、そして姫君の父親との確執は物語の格好の題材かもしれません。

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