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6 「無実びとの手」
アフリカの西海岸に伝わるお話。無実の窃盗犯で捕まり、裁きによって両の手を切られた男がいた。
男が無実を訴えると、切られた手が置かれた土の中からむくむくと蘇り動き出した。
手は本当の犯人を見つけ、その犯人をつかんで離さなかった。裁きはもう一度行われ、無実の罪は晴れた。
了
200字に満たないのでここで制作ばなしを。とんでもない(殺されてしまう)刑罰で裁かれた人が、実は無実だった場合に殺されてもずっと祟ったり、無実を訴えたりするお話は世界中に普遍的にあるようです。過去には日本にも首を切っての死罪はありましたし、取り返しの付かない刑罰と無実の罪の兼ね合いはいつでも難しい問題のようです。