言えない事情
1「禁断の仲・・・?」2「気持ちの変化」3「言えない事情」の順番で読んでください。
私・・・もう、無理かもしれない。
もっと・・・一緒にいたいよ?でも・・・
周りからの圧力は、力強いものだった・・・
「いい加減別れろっての!」
「あんたなんかが菊川君の彼女とか、嘘でしょ?」
「顔・性格とともにブスなんだから」
「うん。菊川君に似合ってないのよ!」
ただいま体育館裏に呼び出され中の、高柳優花。3年1組。
今までの物語を呼んでくれたら、私のこと分かるよね。
私は、英城に好意を持ってる人達からの、毎度毎度のお呼び出し・・・
いい加減って、どっちが!?
人気がある人の彼女に圧力と根性で別れさせるこの人達は、
私より顔も性格も悪いと思う。(ナルじゃないよ)
でも、1人で太刀打ちできなくて・・・
精神的に困ってる。精神病になる前に、英城と別れたほうがいいの・・・?
大好きなのに・・・
呼び出しが終わると、れん以外教室には誰もいなかった。
放課後だからしょうがないか・・・
「優花・・・」
「どうしよう・・・英城と別れたほうが・・・いいの・・・?」
「私も・・・周也と・・・別れたほうが・・・いいのかなぁ?」
とっても辛いことだった。
好きなのに、とっても大好きなのに、別れなきゃ私達がボロボロになっていく。
「呼び出しが始まってから・・・2週間だよ・・・」
「精神病になったら・・・今度は迷惑・・・かかる・・・よね」
私の目には、涙が溜まっていた。れんの目も、潤んでいる。
「「リタイアの時期・・・なのかなぁ?」」
それを言う私とは、とっても悔しい思いでいっぱいだ。れんもそうだよね。
大好きなのに、なんで・・・?
辛いよ・・・苦しいよ・・・
熱心に考えている私とれんは、
部活なのにドアの向こうで聞いていた2人に、気付かなかった―――・・・
部活が終わる時間になって、私とれんは、昇降口に移動した。
そこには、英城と藤野君がいた。
笑顔で話す。心配をかけたくない。
顔は笑顔でも、心では泣きながら・・・
次の日の放課後。教室には1人ぼっちだった。
れんは、呼び出し中だった・・・
私は・・・どうしたらいいの・・・?
カラ・・・
ドアが開く音がして、私は振り向いた。
そこには、私の彼氏の英城がいた・・・
「英城・・・!?部活は・・・?」
私は、言葉を飲み込んでしまった。
いつもは笑顔の英城が、笑っていなかったから・・・
その言葉に英城は答えずに、私のほうに歩いてきた。
そして、私の目の前で止まると、まっすぐな瞳で私を呼んだ。
「優花」
いつもと違って、低い声だった。
「どうしたの?」
私は、できるだけ平然を装いながら答えた。
「俺って、そんなに頼りない?」
「・・・え?」
「どうして俺に相談してくれないの?俺は、優花の何?
こんなに想っているのは俺だけ?」
さっきの声とは違って切なさが出ていて、心が痛くなるような声だった。
「英城・・・?」
すると、英城は私を抱きしめた。力強く。
「もしかして・・・れんとの話を聞いてたの・・・?」
英城は、ゆっくりと頷いて、言った。
「周也と一緒にね」
「嘘・・・」
「優花が俺と別れようとしてるなんて信じられない思いだったよ」
「・・・ごめんね」
「なんで謝るの?」
「不安にさせて・・・ごめんね」
「やっぱり、俺と別れたいの?」
「英城・・・よく聞いててね」
私は、ゆっくりと話し始めた。
「うん」
「私は、あの連中のいじめには疲れた。これ以上ないくらい。
でも、英城のこと好きだから・・・だから、」
「だから?」
「何を言われても別れないよ。」
すると、英城はいつもの笑顔に戻って、もう1度私を抱きしめた。
「ありがとう。好きだよ、優花。」
「英城・・・」
「それじゃあ、あとは俺達に任せてね」
「え?俺達?何を任せるの?」
「優花をいじめた連中を、俺達、サッカー部R軍全員に。」
「へぇ?」
意味がよくわからなかった。サッカー部R軍全員って・・・11人でしょ?
禁断の仲・・・?で出てきた大杉君と寺田君もそう。
「まぁ、これからが見ものってこと。」
「あ、うん」
「俺は部活に戻るよ。あ、体育館裏で大野さんと一緒にいてよ」
「いいけど・・・何があるの?」
「いいから、任せてよ」
話もそこそこに、英城は部活に行ってしまった。
「何が起こるの・・・?」
とにかく、れんのとこに行こう!
私は、体育館裏へ向かった。
「あんたさぁ、藤野君の迷惑になってるって思わないの?」
体育館裏に近づけば近づくほど、私にも浴びさせられた声が聞こえてくる。
私は、急いでれんの隣に立った。
「は?菊川君の彼女気取りした奴が来たけど。」
「何しに来たのよ、いじめられに来たわけぇ?」
「優花・・・!なんでここに来てんの・・・!?」
ケラケラ笑っている連中を睨んで、私は言った。
「あんたら・・・ちょっと黙って?」
さっき英城と別れないと決めてから、なんだか強くなった気がする。
れんは、こっちを見て驚いている。私は、れんの耳に囁いた。
【サッカー部R軍に任せたから大丈夫】
れんは唖然としていたけど、コクコクと頷いていた。
「1人増えても変わらないんだけど。というか、あんたら早く別れてよ」
れんは、私の言葉で自信を持ったようで、連中を睨んで、言った。
「は?何言ってんのか、分かんないんだけど。」
れん・・・さすがは黒い奴だ。
「っ!!この、生意気がっ!!」
「いい気になってんじゃねーよ」
「どっちが?」
・・・この声・・・!!私とれんは、見合わせた。
私とれんが言った言葉じゃない。
それを連中は気付いていない。頭に血がのぼっていたからかな。
「てめーらに決まってんだろ!」
連中の1人は、木の棒を拾って手を振り上げた。
私とれんは、目をつぶった――――・・・
パシッ
誰かが、振り下ろされる直前でつかんだ。
「「え・・・?大杉君・・・!」」
サッカー部R軍の大杉君は、振り上げられた手を掴んだままこっちを見る。
「大丈夫?」
「「うん」」
いつの間にか、私達の周りをサッカー部R軍が取り囲んでいた。
私の隣には英城が、れんの隣には藤野君がいた。
「俺達の彼女に手を出すなんて、本当いい度胸してるよね」
「今まで知らなかったけど、僕達の気持ちまで傷つけたってこと、分かってる?」
英城と藤野君が、低い声で言う。ゾッとする・・・
連中は、開いた口が塞がらないというように、すごすごと去っていく。
時折小さな舌打ちが聞こえたが・・・
「ね、僕達に任せてって言ったよね?」
藤野君は、れんの顔を覗き込んでいる。すると、れんは藤野君に飛びついた。
「不安だったけどね・・・」
藤野君は、飛びついたれんをしっかりと抱きしめていた。
「周也の彼女は大胆だな~」
英城は、藤野君とれんのほうを向いて、にやにやしながら言った。
「クスッ。羨ましいの?英城。」
「そんなことない!」
「高柳さん、英城を抱きしめてあげてよ」
英城が藤野君をからかっていると思ったら、いつの間にか逆になっていた。
「って周也~。それって反対だよ!」
反論する英城を、私はクスクスと笑った。
「笑うなんてひどいぞ、優花~」
「はいはい、ごめんね。英城」
笑いは収まらない私だけど、英城をしっかりと抱きしめた。
英城の反応、可愛い!照れてる!
「可愛いよ、英城!」
「なっ・・・」
私は、またまた笑い出した。れんも、藤野君も笑ってる。
英城は、照れながら私を抱きしめている。
私を抱きしめた英城は、私の耳に口を寄せ、囁いた。
その言葉に私は首を振って、笑いかけた。
そして、私達は同じ道を手を繋ぎながら帰り道を歩いて行った――――・・・
―――――今まで気付かないでごめんね、愛してるよ―――――
最後まで読んでくれて、ありがとうございました!
これで最後かなぁ・・・
でも、続ける努力をさせていただきます!
もし、5話以上続く場合は、シリーズを作ろうかなと思います。
ということで、よろしくお願いします!




