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魔法少女代行つきみ ~交差する太陽と月~  作者: てらい
第一章 墜ちた太陽と月
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月の少女

 静かにゆれる風が深海そらを流れる。

 深海そらには無数に輝く星たちが、人ではとても考えられないほどの時間をかけ、この地球に光りをもたらしていた。

 そして、この地球に最も近い星。月からの光は一人の少女の髪を明るく照らした。月光の照らすそれは、まるで吸い寄せられるかのように光を含んでいた。

 ビルの屋上から外界を見下ろす少女の視線は空を指していたが、しっかりと何かを見据えていた。

『あー、やっぱ来るのが遅かったみたいだね』

 この静かな夜に響いた声は、少女のものではなかった。

『しかし、なんていうか、こっちはこっちであれだけど、相手さんも偉いモン持ってるねぇ~。こりゃ、ちょいとばかし辛いかもよ?』

 少女の胸元からの声。そこには月を象った黄金こがね色に輝く首飾りが掛けられていた。

「             」

 少女は首飾りの声の主に話しかけたが、その声は夜の風に消えるほどに細かった。

『だね。まあ、しょうがないよ。遅れたぶんはこれから取り返せばいいさ。―――――で、どうするんだい? 何個かソルのお姫様に持ってかれちゃったみたいだけど』

「               」

 顔色一つ変えず、少女は話し続けた。

『ふぅ~ん。でも、場所が限られているし、すぐに鉢合わせるかもね』

「        」

『そう、ま、それはそれで良いか。じゃあ、そろそろ休も? 今夜は少し冷えそうだよ』

 その言葉に少女は静かにうなずき、夜の街に消えていった。


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