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魔法少女代行つきみ ~交差する太陽と月~  作者: てらい
第一章 墜ちた太陽と月
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ある日森の中で出会った者 再び

「〓〓〓〓〓〓〓!! 〓〓〓〓〓〓〓〓! 〓〓〓〓〓!!!」

 鳴き声、と言ってよいのか。

 とてもこの世のものとは思えない、叫び声のようなものが林の中全体に響き渡った。

「な、なんだ!?」

 響いた叫び声は木々を揺らしざわめいていた。

『さっき言ってた怪物ですよ。さあ、早く倒しに行きますよ』

 またそんなことサラッと言いやがって。

「いきなりそんなこと言われても無理っす」

『問題ありません。あなたならできます』

 一体、何を根拠にいっているのだ、この人は。人じゃないけど。

『そうこう言っているうちに怪物が近づいて来ていますよ』

「えぇ!? どこ? どこ!?」

『目の前です』

「目の前、ってえええぇぇ!!!」

 全く気付かなかった。

 ずっと目の前を見ていたのに、ほんの一瞬目を離した隙にそいつは目の前に現れた。

「〓〓〓〓〓〓〓〓〓!! 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓!!!!」

「ぬぉわ!!」

 怪物の大きさは優に俺の体の倍はある。

 ずんと身体にのしかかる威圧感。

 本能が察知する。これは人間ではどうすることもできないモノだと。

『危ない!』

 それは同時だった。

 彼女が叫ぶと同時に、怪物の手と思われるモノが上空から振り下ろされた。

「どわっ!」

 間一髪で横に飛びのきそれをかわす。勢いあまり数回転するが、すぐさま体勢を立て直し怪物と対峙する。

 ギラリと光る怪物の眼光が突き刺さる。このまま逃げてもかまわないが、その瞬間に怪物は襲ってくるだろう。面と向かったこの状態。一定の距離を置いていれば、相手も迂闊には手を出さない……たぶん。

『……なるほど、十年以上経った今でも、その能力は変わりませんか。いえ、時間が経過したからこそ、なのかも知れませんが』

 彼女は小さな声で ――――― 俺には聞こえないほどの声で何かをつぶやいた。何と言ったのかは聞き取れなかったが、何かに納得したようなそんな声だった。

『失礼、こちらの話です。とにかく変身しましょう。話はそれからです』

 どうぞ、と彼女はさも当たり前のことであるかのように言うが、勿論そんなことはできない。

「いかにも変身できるのがデフォルトみたいな言い方しないでくれよ。全く理解できてないんだけど」

『大丈夫ですよ。頭の中に浮かんだ文字を復唱すればいいだけですから』

「頭に浮かんだ文字?」

『目を閉じて心を空っぽにするんです。そうすればおのずと見えてくるはずです』

「……」

 よくわからないが、とりあえずイヌもどきを安全だと思われる場所に置き、言われるがままに目を閉じた。

 しかし、心を空っぽに、というのは難しい。常日頃、妄想が行われているこの頭は、無心なんて言葉とは程遠いものだ。

『あなたの心には邪念があるようですね』

「う、面目ない」

 何か心の中を見透かされたような気がして、羞恥を覚える。

『急いでください、あの怪物もバカではありませんよ』

 今まで冷静でいた声に少しあせりを感じた。それだけこの状況が危険だということだろう。

「あ、ああ、分かった。心を空っぽに、心を空っぽに……」

 無心、空っぽ、まっさら。そんな言葉を意味もなく並べる ――――― いや、そもそもそれが間違っていた。心を空っぽになんて考えている時点で、それは無心ではないのだ。本当の意味で何も考えないことをしなくては。


「……我が心、汝がもとにあり。太陽の光は全てを照らす真実の光。紅く燃ゆる熱き光にこの身を捧げ、汝が力、我が力の糧とせん」


 自然と口にした言葉。頭に文字が浮かんだというよりは、勝手に言葉が出てきた。最初から知っているかのように、それが自然と発せられていた。


「プロント ――――― ルース・ド・ソル ――――― トラスフォーメジオン!」


 瞬間、光が全身を包み込んだ。

 身にまとった衣類は全て消え去り、代わりにどう見ても俺には似合わないコスチュームが装着される。

 白を基調とした防護スーツ(なぜかスカート)。青と黄色のラインが襟と裾、スカートに入っている。首もとには赤く燃えるリボン。赤いグラブとレギンス。レギンスは脛全体ではなく、踝の辺りだけを守る短ゲートル。そして魔法使いらしくマントを装着。それは真っ赤に燃える太陽のよう。そしてまたまたなぜか、髪型がツインテールになっている。

 全ての防具が自動的に装着され、体を包んでいた光が徐々に消えていく。右手には首飾りだった彼女が杖のような形をして握られていた。細長く1m弱はある先端部分にはとげとげしいモノ付いていた、叩かれたら痛そうだ。

「……」

 身体を包んだ光が小さな粒となり消えていった。そして、光の中から現れた自身の姿は、紛れも無く魔法使いの格好をしていた。

「…、……っ!」

 だ、ダサい。そして何より恥ずかしい。

『……っぷ……』

 おい、今笑っただろ。絶対笑っただろ。そんな冷静を装っても、あなたのの声は聞こえてきたのですよ!

「お前が笑うなよ!」

『な、何を言っているのですか。わ、私は笑ってなど……っ』

 おい、今も笑いそうになっただろ。

『ふ、ふふ……ちょ、ちょっと待ってください。今落ち着きますから』

 それは笑ったということ、そしてこの格好が可笑しいということをみとめたことになるぞ。

『すぅ、はぁ……時間がないので簡潔に言うと、それはマスター用のプロテクトスーツです』

 マスター用……ということはあのイヌもどきのスーツということか。

『マスターは女性ですので、勿論プロテクトスーツも女性用に作られています』

 ということらしい。つまり俺はこんな大事な場面でいきなり女装をしてしまったわけだ。しかもご丁寧に髪型まで変えられるという。

「なんの罰ゲームだよこれ」

 せめてもの救いは、ここにいるのがあの怪物だけであったということだ。こんな姿、知り合いに見られたら一生の恥となる。知り合いじゃなくてもこんなものは見られたくない。

『今は我慢してこの格好で戦ってください』

「まじで……? 格好がつかねぇよ」

『しょうがないではないですか、緊急なんですから。ほら、そんなこと言ってるとやられてしまいますよ』

「だからそんな軽いノリで言うなって」

 本当に今の状況が危ないのかどうかわからなくなってきた。いつまでこんなやり取りをしているのだ、と自分でツッコミたくなる。

「ったく、こうなったらもうやけだな」

 右手に持っていた彼女を構える。

「よっしゃあ! いくぜぇえ!!」

『そのいきです。頑張ってください』

 なんだか気の抜ける頑張れだったが、そんなことはもう気にしない。やると決めた以上全力でやる。それが俺のポリシーだ。

「ぬぅぉおおおおおおおおお!!!!」

 構えた彼女を掲げ勢いよく走り出す。

「〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓!!!!」

 怪物の咆哮が空気を震わせ伝わってくる。いまにも空気が割れそうだ。だが、そんな程度で怯むわけにはいかない。ここでやらなきゃ物語が進行しない!!

 怪物との距離を一気に詰め、懐に飛び込む。そして右手の彼女を思い切り振り上げ

「でりゃああああ!!!」

『え!? ちょ、まさか、ま……っ!』

 一気に振り下ろす!

『うぎゃん!! ……あぅ』

「〓〓〓〓〓〓!!!」

 ゴォンと鈍い音が怪物から……いや彼女からした。と、同時に怪物の悲鳴の様なものも聞こえた。

「お、おい、だいじょうぶか!?」

 怪物との距離をとり彼女の安否を確かめた。

『だ、だだだ、だいじょうぶなわけがないでしょうがあぁぁあああ!! あ、ぁあなたはアホですか!? ってかアホですか!! むしろバカですか!?!? 生身でぶっ叩かれたら痛いに決まってんでしょうがっ!!!』

 叫び声とも取れる怒声が響く。今までの彼女とは別人のような声だ。

「あ、いや、あの、どういう状況なのかわからないが、とりあえず謝る」

『はぁはぁ……っ……はぁ。い、いえ、こ、こちらも取り乱して、申し訳ありませんでした』

 若干の怒りを残しているようにも聞こえるが、とりあえず落ち着いたようだ。

『い、いいですか? 例によって簡潔に説明しますが、今の私の状態は待機モード。簡単に言うと丸裸同然ということです。この状態では私を鈍器として扱うことは自殺行為です。私にとっても。というか私の身が持ちません』

 今この状態で使えるのは初級魔法のみ。威力は弱いが詠唱が必要ない。それで戦うのが、この待機モードの定石らしい。

『しかし、逆に言えばそれ以外の攻撃方法がないということです。つまり応用が利かないということです。まぁ怪物相手には応用も何もないと思いますけど』

「まぁ何でもいいさ。魔法が使えるってわかっただけでも十分だ」

『ホントに大丈夫ですか?』

「ああ、魔法ってこれだろ?」

 そう言ってポンと掌に丸い球体を作った。

 直径10cmほどの小さな球体で、体の中にある魔力を練りだして作り上げたエネルギー弾。同時に複数個は作り出すことができ、放ってからもコントロールが利くので使い勝手がよい。

『何も聞かずによくできましたね』

「ん~、なんていうのかな。指を動かすのと同じだよ。初めからそれができる、みたいな?」

『はぁ……』

 なんかあまり納得のいっていなさそうな声だ。

「ともかく、これでようやく魔法使いっぽくなったわけだ。一気に攻めるとしよう!」

『怪物も律儀に待っていてくれたみたいですしね』

「たぶんそれは、お前のトゲトゲが結構痛かったみたいだからだと思う」

 彼女のそれは鋭く尖り、ある意味鈍器としては使い勝手のいいほうなのかもしれない。

「〓〓〓〓〓!!!〓〓〓〓〓〓!!」

「なんか怒ってる?」

『みたいですね』

 やはりトゲトゲが痛かったようだ。

「まぁなんだ、元気出せ」

『励ましの言葉は無用です』

「そ、そうですか……よし、じゃあ改めて」

 再び彼女を右手に掲げ怪物と立ち向かう。

「いくぞ怪物。この俺に手を出したこと後悔するんだな」

 掌にエネルギー弾を造り出す。

「くらえーっ!!」

 そして、そののエネルギー弾を怪物めがけて投げつける。

 まっすぐに飛んでいったそれは見事怪物に命中した。が、びくともしない。

『効いていないようですね。どうやら、耐性があるようです』

「耐性?」

『ええ、それに、単純な威力不足もあると思います』

 ということは、これよりももっと強い弾を作れば良いと言う事になる。しかし、この状態で初級魔法以上のものは造れない。ならば、どうすればそれ以上の魔法が使えるようになるのか。

『簡単ですよ。モードチェンジすれば使えるようになります』

「モードチェンジ? 剣とか槍とかに変形するのか?」

『それも可能といえば可能です。ですがそれよりももっと効率の良い砲撃モードというものがあります』

「砲撃モード……」

 某魔法少女みたいに超極太ビームが撃てたりするのだろうか?

『某魔法少女を知らないのでなんともいえませんが、その超極太ビームは砲撃可能です』

「おお!!」

 なんというロマン。厨二病にとってビームという名前は心躍らないわけがない。

『注意事項ですが、砲撃までに5秒ほど時間がかかります。人によって差がありますが、今のあなたならばそれくらいでしょう』

「5秒か……よし、だったらその間あいつを動けなくしたらいいんだな」

『ええ、ですが相手の動きを封じるのは少々厄介ですよ。それにモードチェンジのやり方だって……』

「さっきと同じ要領でやればいいんだろ? まぁ、なんとかなるって」

『はぁ、そうですか』

 楽天的な俺の言葉に、半分呆れたような声でため息をつく彼女であった。

 ――――――

 あの怪物を足止めするために必要な弾数はいくつだ。

 頭の中でシミュレートするがあまり意味がなさそうである。

「ああもう、わかんねぇから適当だ! エネルギー弾、装填準備」

 体内に存在する魔力を練り上げ、エネルギー弾を作り出す。

「装填数十一……全弾待機」

 作り出したそれら全てを周りに展開させる。

「よし」

 準備はすべて整った。だが――――――

『危ない! 避けて!』

「〓〓〓〓 〓〓〓〓〓〓!」

 彼女の声と怪物の声は同時だった。

 怪物の全身が唸りを上げる。2メートルはある巨体で軽々と跳躍し、一気に間合いを詰めてきた。暴風を轟かせ木々をへし折る。そして、振り上げた腕のようなモノを鞭のように、ひゅ、と風を切り叩きつけた。

「……っぐ!」

 思わず目を瞑り、手を前に出し顔を防ぐようにする。そんなことに意味は無いと分かっているのに。

『――――――!』

 彼女から息を呑む音が聞こえた。

『これは、物理防壁シールド。一体……どういう……』

 顔を覆った手を中心に、赤く半透明に染まった薄い膜のようなものが円を描き、怪物の鞭を防いでいた。

「なんかわかんないけど、防御魔法ってやつだな。そんなら、こいつはどうだっ!」

 丸く円を描いた防壁を思い切り押し出す。それは、怪物の巨体をも軽々と吹き飛ばした。巨体は宙を舞い、ドスン、と音を立て地面に落下した。

『なんて滅茶苦茶な……』

 彼女は呆れを通り越し絶句する。

「今度は、こっちの番だ。全弾……突撃!!」

 展開されたエネルギー弾が全て打ち出される。打ち出された弾は怪物を雨のように襲った。

 時間は5秒。その間に全ての過程を終わらせる。

 精神を集中させ全ての意識を彼女に注いだ。不思議な感覚。暖かく心安らぐ。そして、彼女に手を伸ばした。

 彼女の在り方。彼女の構造が手に取るように理解できる。今、自身が求めている姿も容易に見つけ出すことが可能だった。


「モードチェンジ ――――― シーリングモード」


 そうつぶやいた。言葉だけでは意味がない。しかし、今ならば何をどうすべきか理解できる。

彼女は光り輝き姿を変える。自身の望む姿に。

 杖の先にあった太陽は、機械音を立て二股に分かれたU字のレールに変化した。

「俺の全てをこの一撃に注ぎ込む!!」

 彼女を怪物に向けまっすぐと構えた。そして、体中に存在する魔力を彼女に注ぎ込み、その魔力を互いに反するように一気に回転させた。

「はぁぁぁぁぁ……」

 空気が割れる。キシキシと音を立てて。杖の先を中心に空間が悲鳴をあげ、渦を巻くように歪む。

「っく……」

 腕に力が入らない。足も身体を支えることができない。力が抜ける、そんな感じだった。

『無理をしすぎです! これ以上魔力を放出すればあなたの体が危ない!』

 しかし、彼女の言葉は一切耳に入らなかった。

「うおぉぉ! 爆ぜろ俺の魂ィィ!!」

 体内に生成される魔力を彼女へと送り込む。送り込まれた魔力は爆発するように彼女の中で眩いほどに光り輝いた。

 二股のレールが唸りを上げ、弾丸をねじ込むように押し出す。

「くらえ! 貫き通す紅蓮の炎砲ソル・ブラストォォォ!!!」

 彼女に込められた全ての魔力を一気に解き放つ。

 金切音が鳴り響き魔力と魔力が回転し擦れる。

「〓〓?〓?」

 怪物からもれる奇怪な声。

 身体には一筋の赤い光がまっすぐと突き刺さっていた。

 赤く染まる熱線は一筋の光となり怪物を貫き通した。身体に開いた小さな穴。そこから激しく炎が燃え広がる。

 もがき苦しむも、その炎からは逃れることはできない。

「〓〓〓〓!!!」

 堪えられるはずもなく、炎は全身を覆いそして怪物の体は消滅していった。


「はぁはぁ……っ……ふぅ」

 一気に魔力を消費したせいか疲れがどっと襲ってきた。

 轟と鳴り響いたその一撃の余韻が、いまだにこの林の中で渦巻いている。

『まったく、あなたには色々な意味で驚かされますね』

「む、どういう意味だよ」

 なんだかバカにされたような言い方に大人気なく腹を立てる。

『そうですね、予想の範囲内でありながら、その全てが常軌を逸している。ということですかね?』

「なんだそれ?」

『そのことも含めて、あなたにはお話しすることが多そうですね。しかし、今はそれよりも目の前に落ちているものを優先しましょう』

 と言う彼女の言葉通り、目の前に落ちているものに目をやる。

「……ん?」

 そこには消滅した怪物の体から落ちて出た小さな石があった。石は、深く黒く漆黒の色をしていた。そしてその漆黒の中に光のようなものを感じた。

『それはとても大事なものなので、きちんと保管しておいてください。』

「大事なもの、ねぇ。これを集めるためにこの世界に来たとか?」

 なんかあり得そうな展開だ、と少し妄想してみる。

『目的のひとつではありますが、それは追々話すことにします。いまはあのイヌもどきを無事この雑林から助け出すことが先決です』

 その妄想は当たっていたらしい。しかし彼女の対応があまりにも普通すぎて面白くない。もっとこう驚いてほしいものだ。

「ふぅん、ま、いいや。じゃあ、とっととこの不気味な雑木林から出るとするか――――――うおっと」

 気が抜けたせいかバランスを崩してしまった。

『ほら、言わんこっちゃありません。無理に魔力を変換させたせいで、体の中の魔力がうまく循環まわっていないみたいですね』

「は、はは、ま、まあなんとかなったんだし、結果オーライってことで。」

『……』

 彼女は何も言わなかったが、どこか不満げな様子だった。

『別にあなたが倒れるのは構いませんが、そうなるとあの人を運ぶ人が居なくなるので倒れないで下さい』

 そんなことを言いつつも彼女は彼女であの娘を心配しているのだろう。ツンデレ……? ではないか。

「……あれ?」

『どうかしましたか?』

「ああ、あいつ何処に置いたっけかなぁ、と思って」

 あいつとは当然あのイヌもどきのことである。怪物と戦う前に安全な場所に、ということでどこかに置いたのだがそれが見当たらなかった。

『確かその木の影に……いない』

 彼女の言う木の影というところは一度探した場所だった。俺も確かにそこに置いたと思ったのだが見つけることはできなかった。

『恐らく戦っている間もこの空間は捻じ曲がっていたみたいですね。その影響でどこかに飛ばされたのだと思います』

「どこにいるかわかるか?」

『いえわかりません。あの人の今の魔力はほぼゼロに等しいですから位置の特定は難しいですね』

 なんか、また面倒なことになった。つまりこの林のどこかにはいるけど、そのどこかがわからないと。

「えーっと、探さなきゃダメ?」

『当たり前です!!』

「ですよね……」

 こうしてまた、この入り組んだ雑林をさ迷い続けるのだった。

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