ルース先生とアレス先生の魔法教室
そして翌日。
学校から帰ってすぐに魔法の訓練をする予定だったのだが、やはり知識がなければいけないだろう、ということになって、俺の部屋でルースに教鞭を取ってもらうことになった。
『今回、私が教えるものは、戦闘に役立つものの中から基本となるものだけを選びました』
なるほど、そのほうが俺も余計な頭を使わなくて済む。
『そもそも、魔法とは何か? それは、体内を流れる魔力を体外へ放出することを、私たちは一般的に魔法と呼びます。その魔法の手助けをするのが私たち魔力変換機です』
ゲレータの形態によって使える魔法が変わったり、効力が変わったりする。近接武器では魔法の種類が少なくなり、効力も落ちてしまう傾向がある。逆に、間接武器では使える種類も増え、効力も増大する。
『一番効率がいいのは魔法の補助に特化した武器。つまり、それでは武器としての機能が著しく低下してしまうもの。杖や扇なんかが該当します。まぁ、メイスや鉄扇のように使えなくもないですが、そもそも機能が違うのであまり役にたちません』
もしも、そのメイスや鉄扇で戦いたいのなら、近接武器として変化できるゲレータをお勧めらしい。
『では、次に魔法を使うにあたって最も重要な「属性」のお話しをしましょう。魔力は全て属性で分類することができ、属性は全てで「地・水・火・風」の四種類あります。所謂、元素と同義だと解釈してください』
その四属性で全ての物質が構成されていて、四大元素と同じようなものらしい。水素とか酸素とかそういったものはどうなのだと聞くと、考え方の違いというだけで地球の元素のあり方と何も変わらないらしい。ルース曰く「深く考えないほうがいいですよ」だそうだ。
『四つの属性は互いに優劣が存在し、地は水に強く水は火に強い、といった風になっています』
つまり、地は水に強く、水は火に強く、火は風に強く、風は地に強い、と四竦みになっているということだ。
「あの子は雷の槍を使ってきたけど、あれは何に分類されるんだ?」
『雷は風属性に分類されます。四大の属性の下にもいくつか属性が存在しそれも属性として数えますが、四大の中に分類されるためここではそれらも「地水火風」の括りに入れられます』
さっきの様に雷は風に、氷は水に、といった風になるようだ。
『そこで、私たちソルとブイオたちルーナの属性を見ていきたいと思います』
ソルは代々火属性の魔力が顕著に現れるらしい。対してルーナは雷の属性、つまり風属性の魔力が大きく受け継がれる。
『つまり、属性上では私たちが優勢である、と考えられます』
「でも、俺はソルの人間じゃないぞ」
『確かに、ツキミさんはソルの人間ではありません。しかし、私を通しての魔法は火属性の魔法が一番使いやすく効率が良くなります』
要するに、武器によって得意な魔法の属性が変わるってやつだ。
『家系によって魔力の属性が変わるので、魔力変換機もその家系に合ったものを選びます』
「ということは、ルーナの家系は雷属性が得意だから、ゲレータも雷属性が得意ということか」
ルースは火の属性が得意で、ブイオは雷の属性が得意。単純な優劣ならこちらが有利である。
『ですが、優劣だけで勝ち負けが決まるわけではありません。技の威力が高ければそれは覆されます』
わざわざ時間をかけて放った渾身の一撃を、相性が悪いというだけでぱっとかき消したりはできないということだ。
『勿論、これらの相性は防御にも適用されます。風属性に強い火属性は、風属性の攻撃を打ち消しやすいです。攻撃で打ち消すことも、防壁で守ることもできます。もっとも、私には防御の機能がありませんので、魔法を防ぐ場合は攻撃で打ち消すか避けるかしてください』
「前に一度だけ使った防壁はもう使えないのか?」
初めて彼女を手にしたときに、無意識に発動させた防壁。あれ以後、一度も使っていないが、どうなのだろうか。
『以前にも言いましたが、防御魔法が使えないのは私を通してのことです。自分で使うのなら問題はありません。ただし、それは変身していない時に限ります』
だから、俺があの時に防御魔法を使ったのはおかしい、って話だったのか。
「でも、一度使えたんだから、また使えたりしないかな?」
『どうでしょうね。私の中ではあり得ない事象として捉えていますが、現にあなたは防御魔法を発動させた。ならば、使えなくはないのかもしれません』
それならば、戦いを有利に運ばせることができるかもしれない。防御ができないのはルースが攻撃に特化したゲレータだからだ。それはつまり、防御魔法に使う能力を攻撃魔法に追加したということだ。ゲレータの中でも攻撃という点では彼女に勝るものは無いのかもしれない。その中で防御魔法が使えるというのは大きなアドバンテージになるはずだ。
『しかし、あまりに不確実です。一度使えたからといって、これからはいつでも使えるわけではありません。何より、私の機能がそれに対応していないのです。一番大事なときに使えなければ意味はありませんし、使えるかどうかもわからないものに頼るのは危険です』
「う~ん、ダメかぁ。まぁしょうがないよな」
楽して強くなるなんていうのは無理なことだ。地道に頑張るしかない。
『以上で説明を終わりますが何か質問はありますか?』
「え、もう終わりなのか?」
やけにあっさりとした内容に拍子抜けする。
これなら、設定がごちゃごちゃしたRPGの戦闘のほうが覚えることが多い。
『無論、これが全てではありませんよ。もっと深く知りたいのでしたら、それは専門的な知識になります。別にあなたは物理学者や化学者になりたいわけではないでしょう?』
ルースの言う通りだった。今必要なのは戦うために必要な知識であって、成り立ちや原理などではない。
後は身体で覚えるしかない。魔法の使い方、魔法を使った戦い方を。
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アレスは背中に生えたその羽を上下に羽ばたかせ、風に乗るように空を飛んでいた。
向かっているのは双子山の頂上。あまり人目のつかない場所で訓練を行いたい、ということで向かうことになった。
道中で何故か鯛焼きを買うことになり、財布の中から百円が消えていった。
まぁ授業料と思えばいいだろう。
「つきクンはあの子と戦ったとき、何か変だと思うことはなかった?」
と、着いて早々、アレスは問いを投げかけた。
「変、って言われてもなぁ」
その時は何も考えずに戦っていたし、そもそもそれは初心者でも気付くものなのだろうか。
「じゃあ、あの子のゲレータ、ブイオの特性について考えてみようか」
ファルスコールのゲレータ、ブイオ。ルーナに代々伝わるゲレータで、ソルのルースとは姉妹の関係である。
その関係と関連性があるのか、ルースは火属性の魔法が得意でブイオは雷属性が得意。つまり「姉に勝る妹などいない」みたいな関係だ。
ともかく、ブイオは雷属性が得意で尚且つ近接武器に変化できる。しかし、意外にも変化できるのは剣のみで、ルースのように様々な武器には変化できないようである。
「へぇ~意外だな。ルースと同じような機能だと思ってた」
姉妹なのだから似たような感じだと勝手に思い込んでいた。
「それが意外でもないんだよ」
と言うアレスは説明を続けた。
「ブイオの変化形態は大きく分けて二つ。一つは接近戦用の剣、もう一つは魔法強化用の杖。剣状態のときは魔力の循環が効率よくなって、肉体の強化も通常時より増加する。加えて使用する魔法にあまり制限がないんだ。そして杖状態のときは魔力変換の効率がよくなって消費魔力が減少し、威力も増大する。もちろん、使用可能な魔法の量は剣状態よりも多い。二つともルースにもできるけど、倍率はブイオの方が遥かに高い。変形できる数は少ないけど、攻撃に特化してるところは一緒なんだ」
「なら、単純な強化ならブイオの方が勝ってる、ってことか」
それこそ意外だった。攻撃特化を謳っているルースよりもブイオの方がより攻撃に特化されている気がした。
「そう、純粋な力比べなら、ルースよりもブイオの方が勝ってる。でも、ルースの強みはそこじゃない。ほぼ全ての、人の手に扱える武器ならば、ルースは変化することができる。つまり、攻撃のバリエーションが一杯あるってこと。たぶん、無限って言葉が似合う位に」
無限の攻撃バリエーション。確かにそれは相手にとって脅威だ。
剣と剣で戦うなら、剣の戦い方を知っていればいい。だが、ルースの場合は違う。その武器ごとに戦い方が変わる、無限の攻撃パターン。
剣で戦っていたと思ったらいつの間にか槍に変わり、そのまた次は弓へ、はたまた銃にも変われる。同じ近接武器でも戦い方が変わるというのに、それが急に間接武器になったり、魔法攻撃に変わったりする。相手にとっては戦いにくいことこの上ないだろう。
「・・・・・・あ、もしかして」
考えていると、ふと思いつくように一つの仮説が生まれた。
ブイオには少なくとも二つの形態が存在する。それは白兵戦に最も有利なアドバンテージを持つであろう剣形態。そして、魔法攻撃に特化し、魔法戦でも遅れを取るはずがないであろう杖形態。
ルースと比べて攻撃のパターンは少ないかもしれない。だが、この二つは白兵戦、魔法戦、どちらでも遅れをとるようなものではない。むしろ、ブイオに勝る剣と杖はないのかもしれない。
どちらにも不利な武器、状況はある。しかし、それを覆せるほどの能力をその身に持っている。ならば何故、ファルスコールはその戦いをしなかったのか。何故、あえて白兵戦だけを挑んだのか。
あの時、ファルスコールは疲弊していた。ならば尚更、相手との距離がとれる魔法戦を仕掛けるべきだったのではないか。
「剣だけで戦いたかった。それか、剣だけで戦わざるをえなかった?」
前者についてはなんとなくだが、彼女の性格上ありえそうな気がする。武士とでも言おうか。そんな気配を彼女から感じるのだ。
まぁ、武士なんて見たこともないし、どういうものなのかもわからないので、憶測であることは否めない。だが、言い方はアレだが、剣を持った彼女は楽しそうに戦っている気がする。それを武士として見て良いかはわからないが、少なくとも彼女は剣で戦うことが戦いの基本だと言うだろう。
「でも、あの子がそれを本当に思っていたとしても、一番に優先するべきことなのか?」
ファルスコールの目的を遂げる為には、必ず勝たなければいけない。であるにも関わらず、彼女は最良の戦いをしなかった。勝ちに執着する必要があったのに。
「勝ちに執着していなかった? 一般人である俺と戦うことに躊躇した?」
否、そんなことはあり得ない。彼女ははっきりとした意思で言ったのだ。ルーナの民を守ると。覚悟を問い、その意思を突きつけた彼女が、今更、躊躇うはずがない。
「ということは、あの子は剣だけで戦わざるをえなかった、ってことか?」
「可能性としては、そっちの方が高いね。じゃなけりゃ、わざわざ剣だけで戦ったりしない。こう言うのもなんだけど、つきクンは戦いに慣れてないから、ちょこっと戦い方を変えるだけで一気に攻められちゃうもん」
アレスの言う通りなので何も言えない。
素人が戦えるほど世の中甘くはないのだ。今までの戦いはまぐれと、ルースやファルスコール曰くの潜在能力、そして何よりルース本人の力を借りたからこそ生き残っている。自分自身の地力は素人かそれ以下である。
どこか運動部にでも入って身体を鍛えていれば、とつくづく思う。
「まぁそれはともかく、ゲレータの変形機能が使えない、なんてことあるのか?」
「ちゃんと契約した人なら、100パーセントとは言わないけどそのゲレータの力を使えるはずだよ。変形機能は本来、契約した人なら誰にでも使える機能なんだ。それ自体は魔法じゃないからね」
彼女の言葉が正しいなら、ファルスコールはブイオと契約していないということなのだろうか。
「あり得ない話じゃないかもね。契約せずにゲレータを使うとその能力の半分も力を出せない。もちろん、変形機能も制限される」
しかし、ルーナ国のお姫様、つまりルーナにとってはエリザベッタの世継であるファルスコールが契約していないなんてことはあるのだろうか。
「もし、ブイオの引継ぎがまだ行われていないのなら、契約をしていない可能性はある。もしくは、他に世継がいるか・・・・・・」
「他に世継・・・・・・?」
つまり、ファルスコールは正式な世継ではなく、他に誰か世継がいるということである。
「単純に考えたら、あの子は長女ではない、ってことだね。それなら、ブイオと契約していないのは納得できる。ただ、そうなると、何故あの子がブイオを持っているのかがわからない」
そう、それがわからない。
仮にファルスコールが世継でなく他に正式な世継がいたとして、何故ブイオをファルスコールが持っているのか。正式な世継が他にいるのなら、その世継にブイオを契約させるのが普通ではないのだろうか。
「まだ引継ぎをしていない、という可能性を考慮しても、おかしなことが多いね。一体どうなってるのかな?」
「わからないことが多すぎるな。本当なら全部ちゃんと考えなきゃいけないんだろうけど、今はそんな時間ないからな」
今はあの子に勝てる力をつけて、それから話を聞く。それが俺にできることだ。
「そうだね、考えてもわからないものはわからない。だったら身体を動かしてた方がマシだよ」
というわけで、アレス先生の魔法講座が始まったのである。
「そうだ、結局アレスの言ってたあの子の変なところ、っていうのは白兵戦だけを仕掛けてきた、で当たってるのか?」
「うん、そうだよ。ブイオの能力なら、二つの攻撃方法を組み合わせるだけでどんな相手でも対等以上に戦える。でもそれをしなかった。理由はともあれ、相手が白兵戦だけを挑むなら、こちらも対処のしようがある」
それはありがたい。
彼女とはまだ本気のほの字も出していない状態でしか戦っていない。それでいてこちらはいっぱいいっぱいなのだ。そんな状況で剣の腕前だけで勝つなんて到底無理だろうと思っていたところだ。
「さっきも話したけど、攻撃手段が多ければ多いほど相手を翻弄できるし、魔法を使えばかなり有利に戦いを運ばせることができる。ルースの能力を100パーセント発揮すれば、勝機は見えてくる・・・・・・はず」
何故そこで弱気になる。
「う~ん、やっぱり難しいんだよねぇ。攻撃手段が沢山あるってことは、その種類の分だけ戦い方を知っていなければいけない。ただ使えるだけじゃ意味はないんだよ。私だって数えるくらいしか使えないんだもん」
アレスの言う通りである。使えない武器では宝の持ち腐れだ。使えるようになって初めて攻撃手段として用いることができる。
素人の俺がそんなに簡単に使えるわけもなく、今までに扱ってきた三種の武器も、満足に使いこなしていなかった。
「武器の扱いや攻撃魔法はそう簡単には使えるようにならないから、今回は補助魔法について教えるね」
補助魔法。今まであまり出てこなかった言葉だった。ルースから一度だけ聞いたような気がするが、あまり覚えてはいない。
「補助魔法って言うのは、その名の通り補助するための魔法。魔法の効力の増強や身体の動きを手助けするものなど、これらのことを総称した名前が補助魔法。それで、これからつきクンに覚えてもらうのはこれ」
と言ってアレスは腕を出し、その小さな掌の上に赤い球体を作り出した。
「これって初級魔法のエネルギー弾じゃないのか?」
「と思うでしょ? ところがどっこい、これを見よ」
アレスの言葉と同時に、その赤い球体がはじけるように散った。
と思ったら、それは大きな正方形の網へと変わっていた。大きさは俺の身長と同じくらいだ。
「伸縮自在の万能ネット~! 見てくださいこの網。なんと自在に大きさを変えられ、耐久性も抜群なんです。これで空から隕石が降ってきても大丈夫! やんわりと受け止め世界の危機を救おう!」
内容はともかく、まるで通販番組を見ているような気分だった。
「っていうキャッチコピーの元、開発された魔法なんです。これさえ使えるようになれば、相手を一時的に拘束することができるようになる。戦いにおいて敵の動きを封じることは大きなアドバンテージだよ」
「おお、それは便利な魔法だ」
相手を傷つけずに無力化させるには、最も必要な魔法だろう。
しかし、キャッチコピーとは何なのだろうか。
「もともとこの魔法は漁業に使われる網として作られたんだ」
そうなると、キャッチコピーが全く関係無くなるが、気にしないでおこう。
「魔法っていうのはね、生活に役立つものとして開発されたものが殆どなんだ。そもそも、魔法自体がそう言う目的で作られたからね。この間の消滅の魔法だって、本当は医療用に作られた魔法なんだよ」
「医療用?」
消滅の魔法が医療用の魔法。全く想像がつかない。
「消滅の魔法は効果範囲が極小って言ってたでしょ。あれはね、体内にできた人の手では届かないところの腫瘍を取り除くためのものなんだ。だから効果範囲は極小。目では到底見えない範囲」
「な、なあ、ちょっと思ったんだけど、いくら目に見えないくらいの効果範囲でも、その魔法ってかなりヤバイんじゃないのか?」
消滅の魔法は、文字通りどんなものでも消滅させる魔法。しかも、その範囲は魔法陣によって効果範囲を広げることができる。そんな危険なものが世間に知れ渡っていたら、いつ、どこで、どんな事件が起こるともわからない。
「そうだね、ものすごく危険な魔法だよ。だから、これを開発した魔法学者たちは、世に知れないように開発の工程を記した文献をすべて破棄した。誰も作れないようにするためにね」
「でも、作ることができる魔法なら、他の誰かが作る可能性もあるだろ?」
「それは私も思ったんだ。でも、この魔法を作るには、国家機密であり国だけしか持っていないとあるモノが必要らしいんだ。それは私も知らないモノ。もしかしたら知ってるかもしれないけど、それが正しいものなのかはわからない」
実質的には、もうこの魔法を作ることはできない、ということである。
「使用方法とその開発の工程を知っているのは、医者の中でも限られたごく僅か。指で数えるほどしかいない。そのせいで、せっかく作った魔法なのにあまり使われなくて、しかも医療費がすごい掛かるんだって」
人の役に立つ魔法を作って、でもそれを活かすことはできなかった。しかも今度は、その魔法で誰かを傷つけてしまうかもしれなかった。開発した人たちにとっては、なんともやりきれない気持ちだろう。
「どんなに便利な魔法でも、使い方を少し変えるだけで戦うための道具になる。これはもう、知能を持った生物ならどんな生物でも通る道なんだと思う。でもやっぱり、誰かを助けるために作った魔法を、誰かを傷つけるためには使いたくないよね」
「ああ、そうだな」
魔法と言えば敵を攻撃するためのもの。ゲームやアニメを見て、そういう風に勝手に思っていた。でも、それは違う。魔法だって最初は生きていくための知恵として生まれたんだ。
それを今、あの子を、ファルスコールを傷つけるために学ぼうとしている。望む結果が全てを守ることであっても、過程で彼女を傷つけてしまう。
守るために傷つける。矛盾したことだけど、やらなきゃいけない。彼女にわかってもらうために。
「仕方ない、で片付けたくは無いけど、戦いは避けられない。だから、なるべく彼女を傷つけずに説得する方法を考えよう」
そのためには強くならなきゃいけない。せめて、彼女と対等に立てるように。