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1 その2人


「話が違うよ!」


まだ幼さを残す、しかし力強い声が上がる。

今日はいつもより静かで良いと機嫌のよかった酒場の店主は、厄介ごとは御免だぞとでも言いたげな目でチラリとそちらを見た。


「こういうのも修行なんだよ。

 いいから文句ばっか垂れずに食え。」


年は40くらいに見える、身形は決して良いとは言えない男が面倒だと言わんばかりに返事をした。

黒く長い髪を頭上で結って汚くは感じないのだが、身につける衣服のボロさがそれを帳消しにしていた。

南の方の出身だろうか、肌は若干黒く焼けているような色をして、物騒なことに背中には大剣を背負い、腰には少し反りのある長い刀をさしている。


対して年は15歳くらいだろうか、先ほど声をあげていた少年はテーブルの向い側で食い物について何か納得いかないようで、片手にフォークを持ちながらプルプルと震えている。紺色のように見える髪は男とは対照的にボサボサのようだが、服は似通ったように薄汚れている。周りから見ると近寄りがたい2人だ。




思い返せば先程

「なるべくうまい肉、一番高いやつね。それを1つ。

 あとなるべく安いので良いから

 ボリュームのある肉と野菜のセットを1つ。」

とオーダーを受け食事を運んだ事を思い出す。

どうせ少年が安物を食べさせられることに

不満を抱いたのだろうとあたりをつけた。


はて?だが運んだときには少なくとも文句も言わず少年は野菜と肉のセットを嬉しそうに受け取っていたはずだが?



どう言うことだろうと作業していた布巾を置き、店で暴れられるのも勘弁して欲しいと声をかけることにした。


「どうしましたか?お客さん。

 あまり周りの迷惑になられては困るのですが。」


店主の言葉に一瞬驚いたような顔をして、明らかに気まずそうな顔をした少年。


「ごめんなさい!すみませんでした!」


謝罪したあとは先程のが嘘のように静かに食事をし始めた。しかし、おかしいのはテーブルの上の皿だ。

位置的に少年の食べている皿は見えないが、確かに安物の肉がなぜか男の方に移っている。もしかして、高い肉じゃ足りず少年の肉にまで手をつけようとしているのか?


「あんた、まさかこの子から肉を取り上げたんじゃ…」


さすがにあんまりだと思った店主だったが、驚いた事に少年の前に厚切りのうまそうな肉とサラダが並べられていた。


「すまん。うちのバカ弟子が好き嫌いしてるだけなんだ。これ以上は騒がしくさせないから安心してくれ。」


まぁ面倒を起こさないのならと、良くわからない出来事に首をかしげながら作業に戻ることにした。





戻って行った店主を横目で見ながらヒソヒソと話しかける。


「バカ、おまえのせいで追い出される所だったぞ。」


「だって今日は野菜が食べれるって言ってた。

 師匠はすぐ嘘をつくから。」

男を見習うように少年も口の横に手を当てて喋る。


「野菜だけを食べさせるなんて一言も言ってねえ。

 それに肉をしっかり食うのも修行のうちだって毎回教えてるだろうが。」


全うなことを言っているようだが、おちょくっているかのように口の端が上がっている。

少年はそれを見て何を言っても無駄だと、少し不機嫌さを滲ませながら食事に戻った。


「オルオが稼いだのに…」


「弟子にしてやる交換条件としてお前は定期的に金を渡す約束だろう?

 それとも弟子を辞めるか?」

「やる。辞めないもんね。」


即答する弟子を見て、

「なら肉はしっかり食って、俺の言うことを聞くこと。それが弟子の役目だ。」

と頬杖をつきながら男も食事に戻るのだった。



すごい、全然話を進められない!

文章力の無さに脱帽!

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