シリウスの心臓
掲載日:2026/04/29
いつだっただろうか。
私は魔法にかかったように恋をした。
その人の仕草や癖、声、その全てが愛おしいくって、夢中になった。
だけどその人はある日突然、私が想像もできない程、本当に気が狂いそうになってしまう程、考えることが途方に暮れ、出会ったことを後悔してしまう程、遠い遠い場所に行ってしまった。
彼に会いたい。もう一度声を聞きたい。あなたの笑顔を見たい。あの時、臆病になって言えなかった言葉を伝えたい。
白く輝くあなたの心臓はここからだと8年と半年前の光。
私は寂しくても、哀しくても、あなたに伝えるために歌を歌った。
あなたの声が聞こえる気がして、抑えきれない涙を流すために目を閉じた。
あなたに少しでも早く会うために風を読んだ。
1、2、3の合図で伝える光のメッセージを宇宙に飛ばした。
伝わるのは8年と半年後。
私の思いが届いた時、あなたの心臓は点滅するかしら。




