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拝啓 世界の続きを見るキミへ  作者: 狐の余命り
旅立ちには仲間を
8/13

旅の初めに必要なのは

ユィレは鎮魂歌を演奏し終わると、ムイに向き直った。


「ダイスはワタシと旅をすることにしたようです。ムイ、あなたはこの後どうするつもりですか?」


ムイは小さく目を見開くと、穏やかに微笑みを浮かべた。


「そっか、ダイス行っちゃうんだ......あ、引き留めるとかそういうことじゃなくて、なんか、嬉しくて。やっと、前に進めたんだなって思って」


「そうですか」


「でも、俺は行かない」


そう言ったムイの瞳には強い決意がこもっていた。


「俺はこの街に残って充電場の管理をするよ。もう、絶対にこんなことが起こらないようにするためにね」


決意と少しの寂しさを含んだ瞳をまっすぐユィレに向け、万遍の笑みを浮かべた。


「頑張れ、ユィレ!!

俺はこの街トートからお前を全力で応援してる!!旅が終わったら戻ってきてくれ!!そしたら俺はお前を全力で褒める!!きっと、いや絶対大変だと思う。

でも!!俺は待ってる。絶対無事に帰って来てくれ」


ユィレは少しの間をおき、返事をした。


「そうですね。ワタシとダイスが無事であれば必ず帰ってくると約束しましょう」


「そうだな、僕は死ぬのはここって決めてるんだ」


いつの間に戻っていたダイラスも返事をした。


「準備は出来た。ユィレは行けそうか?」


「はい」


ユィレは敬礼をすると、振り返らず進んで行った。


「ムイ、寂しくなったらルックでもしろ。少しぐらいはつきあう」


そう言いダイラスもあとに続いて行った。


「余計なお世話だっつーの!」


ムイはそう言いながら腕を大きく振り、彼らが見えなくなるまでその場に留まっていた。




「ユィレ、どこに向かうつもりなんだ?」


歩き始めて少し経った時にダイラスは尋ねた。


「墓場と呼ばれた街。と言えば伝わるでしょうか」


それを聞くとダイラスは眉を顰めた。


「そこって今でもまだ争いやってるんじゃなかったか?」


「そのようですね。だからこそ、それを止めるために行くのです。戦争の終わらない、ディブへ」




ルック

ビデオ通話をしたり、メッセージをしたりできるアプリ。多くの人に利用されている。

機械同士の連絡に使う時もあるとかないとか

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