エピローグ 前編
「………何があったんじゃ?」
再び優樹と時雨の世界に入ったキツナはナツキの所に真っ直ぐ向かうとそこにはナツキが優樹に抱きつき嬉しそうな顔をして寝ている姿があった。時雨は頭を抱えて唸っていた。
「それが……」
龍弥が説明を始める。キツナが別世界に行ったあと世界を見学しようとしたが魔物の襲撃があった後だったので当然人々は混乱していたためとても見学と言う雰囲気ではなかったのだ。なので三人が協力して地球中の人々の記憶を改変した。その結果、今の状況が出来上がった。
「なるほどのう…まぁ1日寝れば回復するから心配はないぞ」
「よかった……キツナさんはどうする?」
「そうじゃなぁ…この家に泊まるかのう、ナツキもいる事じゃし」
「わかった。じゃあ俺はこれで、あとはたのんます」
「うむ、任せるのじゃ」
「ああそうだ、外に出るときはその服はやめといた方がいいな、注目の的になるから」
「わかっておる。それはもう経験しておるからな」
龍弥は何か聞きたい事があればいつでも連絡していいと言ってから家を出て行った。
「しばらくは起きなさそうじゃな……実験でもして待つか」
キツナは部屋を移動すると実験するために結界を張り道の出入り口のみを作りだした。
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「ん?………夜か…」
思いっきり抱きついているナツキさんを見て思考停止しながらも外を見る。
「起きたか、調子はどうじゃ?」
「おはようございます。俺とナツキさんは元気ですよ」
ナツキさんの状態はなんとなくわかるので答える。時雨は小さい声で唸っている。
「ほれ、起きんか、貴様もう起きてるじゃろうが」
「……バレたか」
キツナさんにほっぺをペチペチされながら身体を起こして、むすっとしながら呟いた。その後、時雨に氷水を頭の近くに吊るし俺達はリビングに座る。
「…と言うわけじゃからこの世界に居られるのは数日のみじゃ」
「むぅ、まぁしかないな妾が存在するために力を借りているのは事実だからな」
「ところで……あの部屋から別世界の力を感じるんですが?」
ちょうど真上にある部屋を指差しながら質問をする。
「ああ、あれはこの世界の力と混ざってわかりずらいがわしらの世界の力じゃな、今日は特に動く用事もないのでなけなしの力を使い実験してあったんじゃ。無断でした事はすまんかった」
「いいですよ。元々あの部屋は使ってませんでしたし。実験って何を?」
「この世界にいたままあっちの世界を管理できるようにするためじゃ。今さっき話したがわしは力の大半をあちらに置いてあるから時間制限がある。それではいちいち戻ったりしなくてはならないからな、それならばいっその事世界を常に繋げてしまい、わしが世界にいると錯覚させようと思ってな。あやつにもちゃんと話は通してあるから世界への悪影響などは心配ない。まぁあちらでもやらなければならない事があるから今回は帰る事になるが」
話終えたキツナさんは湯呑みにお茶を入れ和菓子を食べる。……その姿に違和感は感じなかった。そして家の中を色々見ていたナツキさんが隣に座ると同じように和菓子を食べる。
「晩飯にしましょうか」
そう言うと二人は同時に頷いた。その後、料理途中で起きてきた時雨にも手伝ってもらい用意が終わると四人で食事を始めた。




