防衛戦と擬似世界
「人の避難が先だ!あの二人が来るまで俺達で頑張るぞ!」
思考会話で男が声を上げるとそれに続いて返事が返ってくる。現在この世界は優樹達が相手にしている神が魔物を送り込んだため混沌としていた。
『北海道にもう一人きて!』
『俺が向かいます!』
『九州にゴーレム複数!応援頼む!』
『二分かかる!』
全世界で魔物の被害が出ているが人数的に日本が限界である。一応海外に移住している者もいるが焼石に水な程度だ。
「龍弥、そんなに長く持たないぞ」
「わかってる。だがあの穴を防げるのはキツナさんだ。とにかく耐えるしかない……」
市瀬は龍弥に話しかけると龍弥は悔しそうに答える。空中に突然現れた穴は魔物が出てくるたびに大きくなっていき現在は北海道が丸々入るくらいだ。
「早くしてくれよ……」
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「あり得ない……そんな事出来るわけない…一人で世界を作るなど」
神は信じられない物を見たような顔をしてキツナを見ている。
「別に形だけを作るのは難しい事ではない」
「作る事があり得ないのだ…ゼロから一を生み出す事が……」
「何を言っている?貴様ら神は一を生み出すのも役目の一つじゃろ?」
その言葉を合図に再び戦いが始まる。神は身体を屈めてから指を鳴らし雷がキツナの方に来るが横に一歩だけずれ回避すると神が隣にいたがすぐに移動し上から踵落としをするが片手で掴まれた。
「これが全力か?拍子抜けじゃな」
「なっ---くっ……これは…」
足を掴んだまま一回転して崖に投げるが神は翼を羽ばたかせ、ぶつかる直前で止まるが自身の身体の違和感に気づく。
「不思議では無かろう?この擬似世界はわしの世界であり貴様の世界ではないのじゃから」
「形だけでなく存在すら創り出すだと……」
段々と力が抜けていき飛ぶどころか立つ事すらできなくなった神は膝に手をつき激しい息切れを起こしている。
「では、終わらせるか」
その世界は光に包まれた。
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「くそが!どんどん強さを上げんじゃねぇよ」
魔物が穴から絶え間なく出てきており、後から出てくるほど強さが上がっていたので徐々に押されていた。
「住人の避難は終えた!変わる!」
「頼んだ!」
龍弥は市瀬と変わるとすぐに周りの状況を把握する。
(九州と北海道が押されている…人の避難は出来ているから下がらせるか)
建物は時雨が直せるため人の避難が終わったのならそれ以上そこに残ってもジリ貧になると思い『下がれ』と言おうとした時だった。突然火の海だった街が綺麗になりまるで何も起こっていなかったと感じてしまう。
「おせぇよお前ら」
『結構遠かったんだよ』
優樹と時雨は龍弥の元に降りて行った。




