魔王誕生
「もうすぐだね」
隣にいる時雨が上を見ながら教えてくれる。
「いやぁこんないい天気………じゃ無くなったな」
俺が喋っている時に空が青空から毒々しい色になった。
「……これは魔力か」
押し潰されそうな圧を持った魔力が風に流されてくる。村の人達は強力な魔力にあたりバタバタと倒れていく。
「予想通り魔物が大量発生してる」
魔物の大群は結界に当たって消滅を繰り返しているが終わりが見えない。
「では行くぞ」
「「はい・うん」」
俺達はカミノさんを迎えに行くため空を走り始める。羽根を持つ魔物もいるが無視する。
「ふむ…あれなんか良さそうじゃな」
左を向くと人型で全身岩になっている魔物が五体いたので連れて行く事にした。
「む…少し速度を下げるぞ、このままでは距離を離し過ぎずからな」
岩の魔物は移動速度が遅いのでキツナさんの射程範囲から外れてしまうのだ。
「チッ…こんなところで道草を食いたくないのじゃが」
キツナさんが威圧を放ち周りにいた岩の魔物以外の魔物は消滅する。
「はぁ…はぁ…殺気だけでこんなに削られるのか…」
上で息を切らしている魔族がいる。
「四天王がどうしてここに?」
「あぁ…なんでしってんの?」
「いや……後ろに…」
「えぇ?………」
時雨は呆れた顔をして後ろを指差して魔族が後ろを向いた瞬間キツナさんに視線を送り行動を起こして俺が瞬きをする間に終わった。
「……もはや可哀想」
魂がなくなった魔族の身体は地面に落ちると灰になる。
「どうした?行くぞ」
「あっ…はい」
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「おお、これは凄い」
俺達は王都の上で地上を見ている。地上では終わりの見えない魔物の大群と召喚者達が戦っていた。王都の東西南北にそれぞれ五人ずつが配置されている。
「お待ちしていました。……あれが?」
カミノさんが隣に来て挨拶をしてから岩の魔物を見つめる。…巫女服を着ているがどの世界でも共通なのか?。
「それじゃな、だがあの数を相手にしながらは流石に可哀想じゃからな…片付けるか」
キツナさんは再び威圧を放ち空から見える範囲の魔物が全て居なくなる。
「時雨、よいぞ」
合図と共に四体の岩の魔物が四方向にそれぞれ一体ずつ現れる。残り一体はキツナさんが消滅させた。
「………俺いる?」
『落ち込むで無い、ユウキもキツナと同様の事が出来るようになる』
ナツキさんが慰めてくれる。
「ほう…戦いの無い世界にいた者を数日でここまで育てるのは苦労したじゃろう?」
「そうですね。特に苦労した魔法関係です、あれは私でも干渉できませんから」
キツナさん達は戦いを見ながら話している。召喚者達はヒットアンドアウェイを心掛けているのでやられる心配はないだろう。
「では行くぞ」
俺達はもっとも強い気配を感じる方向に向かった。




