城に行く
「それでは準備はよいか?」
「うん」
「うむ」
月が真上にある頃俺達は村の入り口に立っている。ちなみに俺はナツキさんと入れ替わっている…なんでも「陽の光がない時の妖力は扱いが難しくなるのじゃ」
との事らしい。
「ではいくぞ…時雨よ木を避けながら行っては時間がかかるため空を走るがよいな?」
「うん、大丈夫」
キツナさんが空に立つと時雨も後に続く。
「あっ…予想よりちょっときつい」
「地上にするか?」
「いや…大丈夫…いける」
空に立つのを維持するために脳をフル活用しているため言葉が途切れ途切れになる。
「あまり無理するでないぞ?」
「うん…」
三人は王都に向かって走り出す。
「少し休むか」
キツナさんは時雨を見ながら言うと下にある木一本を燃やし座れる場所を作る。
「休めたら言ってくれ」
「うい〜」
仰向けになった時雨がふやけた声で返事をする。
「木を戻すのはわしがやるから気にする事はないぞ」
見張りをしながら時雨が休むのに集中出来るように声をかける。
「ふむ…妾はどうするか…」
『キツナさんの反対を見てればいいのでは?』
「むむぅ…」
キツナさんの見張りの反対側を見ながら暇そうにしている。
『夜の妖力って何が違うんです?』
「ん?別に難しい話ではないぞ…ただ強化されるだけだな」
『強くなるだけなら変わる必要ないですよね?』
「そうだな…問題は自然に強化される事なのだ。…自己的に調整していない妖力は身体への負担が通常の三倍になってしまう」
『なるほど…今の消費した俺じゃ練習すら出来ないんですね』
「そうじゃな…今ユウキがでたらすぐに身体が壊れてしまうな」
ナツキさんと会話していると時雨がもう行けると言ったのでキツナさんが木を直し王都へ向かった。
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「メイドがこんな時間に起きていて大丈夫かのう?」
「普段ならもう寝ていますが勇者召喚に成功パーティーが現在開催されておりますので」
王都に上から入り城の屋根に立つとカミノさんが頭を下げるとカミノさんは自分の部屋に案内してくれた。
「こんなタイミングで来たと言うことは王の記憶を見に来たのですね?」
「うむ、話が早くて助かる」
「なら…私も同行してよろしいですか?」
「よいぞ。ちょうどこちらからも誘おうと思っておったからな」
その後カミノさんは仕事に戻り俺達は部屋で待機していた。
「それでは行きましょうか」
しばらくして戻ってくるとすぐに案内すると言ったので姿を隠した俺達はその後について行ったが……。
「こんなところで何をしている?」
「………私はお掃除を。王子様はどちらに行っておられたので?王様がご心配されておりましたよ」
王子とやらの質問に答えることなく自分の質問で流れを変える。
「少々外に出ていただけだ」
黒い髪をフサァ…とするとキメ顔をきめる。
「…そうでしたか。入浴の準備をしますのでお部屋でお待ち下さい」
「そうか、わかった」
俺達の反対方向に王子は歩いていった。
「では行きましょうか」
「よいのか?」
「ええ、もう全ての片付けは終わらせていますのであの人には部屋に入ると寝るようにしてあります」
「そ…そうか…」
また片付けるのは面倒くさいと言うオーラが出ているのでキツナさんが少し引いている。その後再び歩きだし王の部屋にたどり着いた。
妖力の強化が入るのは0時からです。
[月が真上にある=0時]と認識して下さい




