集合
「二人を追いかけないのか?」
「はん…敵に背中を見せるわけないだろ?」
羽と爪を伸ばした魔族と時雨はその場を動かず睨み合っている。
「それじゃ始めようかねぇ」
魔族の姿が消え、時雨の前に現れると同時に腕を振ったが地面に爪痕だけが残る。
「おーこわぁー」
魔族の後ろにいる時雨は能天気な声を出す。
「どうやって後ろに…」
「さぁどうやったんだろうね?お前と同じ高速移動かも?」
振り向いた魔族に力の抜ける声で挑発をするが魔族は冷静にしている。
「それじゃ今後はこっちからいくよー」
顔の横で指を鳴らす。
「っ!……これは、今の……」
魔族が後ろに下がるが少し遅れて顔の頬に線が入り少量の血が出る。
「さすがに自分自身の攻撃は避けれるか」
関心した声を出しながら指を鳴らしているので魔族はその言葉を聞いていない。
「……とった」
魔族は指が鳴った瞬間に近づき再び指が合わさる前に攻撃を仕掛けたが……
「なっ…動かない……いや動けない…」
「うーん、初めてするから中々のスリルだったなぁ」
魔族は時雨の後ろから攻撃したが途中で動けなくなったが時雨は振り向く事なく少し興奮した声を出す。
「さて…お前は今動けないよな?…ここで問題、今から僕は何をするでしょうか?」
「なっ!……動け…動いて…動いてよ…」
時雨が合わせた指を魔族の目の前に出すと、魔族は何をされるのかわかったのか必死に身体を動かそうとしているが途中で泣き始める。
「懺悔はあの世でしろよ?」
「嫌だ…やめて…やめて…やめ……」
震える声で命乞いをするが時雨は指を鳴らし魔族の首を切断する。
「よし、二人も終わったみたいだし木を元に戻しておくか」
死体を場所をずらし地面を元に戻してから一帯の木を全て元に戻すと風が吹き木の揺れる音が心地いい。
「戻ったぞー」
「帰ったのじゃー」
「おかえりー」
三人ともかすり傷さえ無く集まった。
「ん?ナツキの妖力がかなり減っておるが何をしたのじゃ?」
『ユウキがやって見たい事があると言ったので妾が肩代わりしてやったのだ』
具体的な内容を聞いたキツナさんは……
「その発想を出せるのは怖すぎじゃろ…」
『やはりキツナもそう思ったか…』
ドン引きしていた。
「いちおう聞いておくがお主らの世界はわしやこの世界の様に戦うような世界ではないのじゃろ?」
「「まぁ………そうですね…」」
「何故、間を開けたのかは気になるがまぁよいか」
キツナさんは時雨に紫色の球体を木箱に入れて渡す。
「時雨は疲れているか?」
「全然元気だよ。これの記憶を見ればいいんだよね?」
「そうじゃな……ユウキよこちらにこい、少し調整をするからな」
「調整?」
俺はキツナさんの元に行き、前に座る。
「その状態じゃと……三日間ずっと寝る事になるからな」
「どう言う事です?」
「まだ妖力に慣れ始めなのにナツキの妖力を使い操作するなどしたせいで身体の負担が凄い事になってあるのじゃ」
俺の背中にキツナさんが触れると妖力が流れる感覚を感じる。
「とりあえずわしの妖力で誤魔化しておくからしばらく安静にしておれ」
「わかりました」
俺とキツナさんはしばらく座って身体を休めた。




