情報①
「これはやりすぎ……」
「「はい…」」
キツナさんとナツキさんは林を直した時雨に怒られている。
「木を飛ばすのはまだ良いけど地面を抉るのはだめ」
「「はい…」」
時雨の力で逃げ道を無くしているので二人とも大人しく正座して話を聞く。
「次から木を飛ばしたらそこで終わる事」
「「はい…」」
飛ばすのはいいんだ……と思っていたらナツキさんと入れ替わる。
「逃げましたね」
『ううっ…だってぇ…』
怯え泣く声が響く。
「まぁいいや。じゃあ今から分かった事を教えようか」
時雨は少し下がりその場に座る。
「それじゃあまずは多分この世界にとって一番大変な事から………近いうちに『魔王』が生まれる」
「ほう、復活ではなく生まれるか…と言う事はこの世界はまだ新しいのか」
「いやただ魔王が生まれなかったこの世界に僕達の世界の人が来たから世界の道がずれて魔王が生まれた世界と繋がってしまった」
「なるほど……それならこの世界の神をぶっ飛ばしても文句は言われないな」
他の世界から強制的に連れて来れるのは神のみなので迷う事なく結論をだす。
「魔王が生まれる具体的な日はわかるか?」
「いや、この人に関わった人達全員『近いうち』しか言ってなかった」
分からないならしょうがないと切り替え次の話を聞く。
「後は魔族の戦力かな…魔族四天王、獣人族、鬼族、巨人族、オーク、ゴブリンぐらいだね、ほかにいると思うけど」
「じゃあ敵は少なくても万体位くらいか…」
キツナさんの世界で経験済みなので別に問題はない。
「それで……そこの魔族は何か用?」
「あらあら、いつから気付いてたの?」
ガサガサと音を鳴らしながら女の魔族は俺達の前に姿を現した。
「お前がここに来てからかな」
「そう、それじゃ私が君達に気づく前から君には気づかれていたのね」
時雨と魔族は普通に会話している。
「お前らが魔王を誕生させる理由はなんだ」
「……あなたの力なら聞かなくても私を倒せば知れるじゃない」
「へぇ、じゃあお前が今しているのは何なんだろうなぁ」
「何を言ってるんだい?」
魔族は自然体で立っているためはたから見たら何もしていない様に見えるだろう。
「怪しむなら早く攻撃しなさいよ」
「別にお前がどちらを選んでも結果は変わらないからな」
魔族の顔が微妙に動く。
「そうかい……ならその慢心が命取りだと教えて上げるよ」
魔族が話を終えると遠くから気配を感じる。
「……精霊か」
「これは予想外だろう?」
「確かに予想外だけど、たかが一種族増えた程度だしな」
こちらに来ているのは魔族、オーク、ゴブリン、吸血鬼、精霊だ。
「むしろありがたいな」
「どう言う事だい?」
おそらく来ている数は万体位だろう。魔族はその数が来ているのに「ありがたい」と言われ不思議に思っている。
「単純だよ、こっちが動かなくても敵の戦力を減らせるからだ。………木は避難させておこう」
時雨は指を鳴らすと周りの木は元からその場に存在していなかったかの様になくなり見晴らしがよくなる。
「目の前で見せてよかったのかい?」
「別に問題ないよ。どうせお前らは対応出来ないからな」
魔族は爪を鋭く伸ばした。
「やってみたら案外出来るかもしれないよ?」
背中から羽が出てくると魔族は前屈みになる。




