時雨の力
「話のスケールがすごいことになりましたね」
クリタミに向かって歩きながら話す。
「そうじゃな、まぁ細かいことは明日にしようかのう。今日は身体を休めんとな」
「あの人何か俺達にくれたみたいですけど言い方的に何かしらの力ですよね。俺は特にヤバそうなやつ」
悪用したらだめな物をもらっても何なのかわからないので普通に怖い。
「うーむ、実験したいところじゃが悪用するなと言われた物をむやみに使うのも危険じゃからなぁ」
色々考えるが結局、明日にしようと意見がまとまるとクリタミが見えた。
「…盛り上がってますね」
「わしらが行けばもっと盛り上がるぞ」
村は外から見ても昼と変わらないような光を放っている。
「ん?……みんな!救世主様が来たぞ!」
俺達が入り口に立つと一人が気づき全員に伝えた。
「わざわざこちらに来ていただいてありがとうございます」
どうやら王都に行ったので戻ってこないと思っていた様だ。
「いえいえ、村の人達の祭りにわざわざ部外者の私達を誘って頂いたのに無視は申し訳ないですからね」
「それでは!」
「ええ、私達も参加させて頂きます」
それを聞くと村の人達はさらに盛り上がり俺達も楽しんだ。
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「……時雨、頼む」
「オッケー任せて……ん?」
「どうした?」
祭りが終わりそこいらに転がっている酔い潰れた人達に布団を被せようと時雨に任せると頭を捻った。
「…見た方が早いか」
時雨が呟き終わると手を叩き倒れている人達の上に布団が出てきた。
「大丈夫か?この数はお前の負担が…」
「大丈夫だよ。多分僕がもらったのは力の負担が無くなるのと脳の情報処理能力の底上げだ」
時雨は涼しい顔をしながらそこに立っていた。
「いやー頭痛がないっていいな。それじゃ片付けようか」
少し移動して村の外に立つと落ちていたゴミが目の前に集まった。
「よし、あとはこうして…終わり。じゃあ戻ろうか」
ゴミの塊は元からなかったように消えた。これは村を戻した時と同じ『過去の空間』を現在の空間に上乗せしたのだ。
「お前の力、汎用性がさらに上がったな」
「うん、まさかデメリットがなくなるなんてね」
話ながら使っていいと言われた宿に向かって歩いて行った。




