インジスと勇者
「ここから家はわかる?」
「わかります。ありがとうございました」
インジスにつくと道の端で話す。この喋り方を早くおわらせたいため男から素早く離れた。
「はぁ……あの喋り方はもうしたくないのう」
人気のない薄暗い道に行くとため息をつく。
「さて……ユウキ起きろ」
『ん……つきました?』
「ああ、ついたぞ」
俺達は入れ替わり髪の色が黒にもどる。
「これからどうします?」
『そうじゃなぁ……』
光の事を調べたいが下手な事をするとまずい気がして中々動けないでいると……。
『国民諸君』
スピーカーから出ている様な声が聞こえたので俺は道に出ると周りの人は一つの方向を見ている。城だ。
『我々に希望が舞い降りた』
王と思われる老人が横を見ると金色の鎧を着た男が現れる。
『異界よりこの世界を救う為に現れた勇者『イツキ』様である!』
イツキ…日本人だろうか?。そう考えると後ろから咆哮が聞こえた。
「龍……いや、作り物か?」
後ろを向くと龍が飛んでいるので周りの人達は悲鳴をあげている。しかしよく見るとドラゴンには魂が入っていなかった。
『中々の自作自演だな』
「何か知ってるんです?」
俺が寝ている時の話を聞いた。
「なるほど………ん?」
話を聞いて納得しながら上を見ると空にイツキが立っていた。家の屋根の裏に人がいるのでその人達が何かしらの魔法を使い空に立たせているのだろう。
『……震えておるな』
「じゃあアレはイツキに自信を持たせる為?」
『そう見て間違い無いな』
イツキは剣を抜くと頭の上まで持っていき、思いっきり振りかぶった。龍は剣の振られるタイミングに合わせて霧のように消えた。
「……俺が世界を救う!」
イツキは剣を掲げ宣言する。確かに自信がついた様である。一通り見ていた人達から歓喜の声が上がった。
「城に行きましょうか。姿を消せたりできます?」
『ああ、その程度妾には朝飯前だ!』
俺は城に向かう。門の前には警備がいたが気づかれずに入ることが出来た。……穴が空いているのは気のせいだろう。
「ふぅ、緊張した」
周りを見ながら心臓を落ち着かせる。
『……上に人が集まっているぞ』
俺は横幅の広い階段をのぼり左の道に行くと他と比べて少し大きめな扉を見つけた。
「ここですか?」
『うむ、間違い無い』
どうやって入ろうか考えていると足音が聞こえたので振り向くとイツキがきている。王はどうしたのだろうか?と思うと扉を開けて入ろうとしているので、その後に続いた。
部屋に入るとかなりの大きさの机がありそこに学生服を着た人達が座っていたがイツキが入った瞬間一斉にむらがり「かっこよかったぞー」などとにかく褒めている。
「二十人くらいか?」
少し離れた所から数える。
「とりあえず座ろう、もうすぐ来るから」
イツキが言ったそばから扉が開き大きめのワゴンが見える。それを見ると全員が椅子に座る。
「この国最高の品です。勇者様達に失礼をしてはいけませんからね」
メイド服を着た女性は一人ずつ皿を置いていく。
「勇者様、ご自身の力がいかほどの物かおわかり頂けましたか?」
イツキに尋ねる。どこか挑発している様に感じるのは気のせいだろうか…。
「はい……俺が世界を救います」
その言葉を聞いた王は笑顔になる。それを聞いた学生達は俺も私もと宣言していく。
(貴方はどうしてここに?)
(………いつから?)
王の横にいるメイドが視線だけをこちらに向け話かけてきた。
(たった今気づいたばかりです)
『あれぇ……おかしいなぁ?』
ナツキさんが不思議に思っているので相当自信があったのだろう。
(光がここから見えたので気になってしまいまして)
別に隠す事ないので正直に話す。
(なら、私について来て下さい色々お教えします)
ワゴンを持って出て行くメイドを追いかけ俺は部屋を出た。




