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v1.0.30 彼女の独白
◇ ◇ ◇
その夜。
「ケント君は、変わらないな……」
彼女は一人、空間に展開したたくさんのウィンドウを見ながらつぶやいた。
「私、馬鹿みたい」
彼女は机に置かれた小さな腕輪を愛でるように撫でながら、小さく笑った。
それは子供向けの、安っぽいプラスチックの腕輪で、この部屋にも、彼女の雰囲気にもまるでそぐわない。
「ほんと、あの頃と変わらない。私の想像できない答えを見つけて、私の想像できないことをする」
彼女はもう一度小さく笑うと、「kent」というフォルダを開いた。
フォルダの中には、たくさんのテキストファイルと、一つの画像ファイル。
それは、彼女にとって、かけがえのない、とてもとても大切な宝物――




