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062 火氷ダンジョン2

 次の階層に進むと氷のエリアになっていた。氷と炎の階層が交互になっているみたいだ。


「ここの階層に万年氷があるよ」


「おー!意外と浅い階層にあるんだね。どんな見た目なの?」


 シャルがイーヴァルディに尋ねる。


「見た目は普通の氷だよ」


「じゃあ、どうやって探すの?」


「こうするんだよ」


 イーヴァルディは持っていた松明(たいまつ)を氷に近づける。氷は熱で溶けていく。


「こうやって氷が溶けなければ万年氷だよ」


「なるほど!溶けない氷なんだね!」


「それいいですね〜。お風呂上がりの飲み物に入れたら良さそうです〜」


 ロザリーさん天才ですか!


「いいね!万年氷たくさん取って帰ろう!」


「「「おー!」」」


 各自で松明を持ち、氷を確認しながら進む。広い場所に50センチくらいの氷の塊がいくつも置かれている。もしかしたら、この氷の塊のどれかが万年氷かもしれない。


 期待しながら氷の塊に近づいていく。すると、上から巨大な何かが落ちてきた。5メートルほどの巨大な氷塊が落ちてきた。


「あれは魔物だよ!気をつけて!」


 イーヴァルディが警告する。


「グオオオオオオオ!!」


 魔物は地の底から聞こえてくるかのような低い声で鳴いた。


「あれは長く生きて巨大化したアイスタートルだな」


 サラが解説してくれる。巨大な氷だと思ったのは甲羅だったようだ。アイスタートルは青い頭を甲羅に引っ込めて、身体を回転させた。


「危なっ!」


 アイスタートルの甲羅から氷の塊がいくつも飛んでくる。まさか、地面に落ちていた氷の塊は全部これだったのかな?


「【死盾(デス・シールド)】!いつまで回転するんだー!」


「矢が全然刺さらないよ!」


 シャルが矢を撃つが氷の甲羅に弾かれる。


「あたいに任せて!ファイア!」


 イーヴァルディの火魔法でアイスタートルの回転が段々と遅くなり止まった。


「グオオオオオオォォォォ!!」


 火で炙られて怒っているのだろうか?


「でも、攻撃が止まった今がチャンス!【聖なる光の剣(クレイヴ・ソリッシュ)】!」


 アイスタートルはとっさに頭を縮めたが間に合わなかった。アイスタートルの頭は吹き飛ばされ、消滅した。直後ドスーンと胴体が地面に横たわった。


「回転攻撃が厄介だったね」


「倒しちゃうなんて凄いね!爺ちゃんはアイスタートルが出たら狭い通路に逃げてたよ」


 なるほど、そのほうが簡単だったかも。アイスタートルの胴体は収納胃袋に入れる。


「その袋も凄いね!中はどうなってるの!?」


 イーヴァルディが興味津々に見てくるので仕方なく教えてあげる。


「これは収納胃袋と言って見た目以上に物が入るんだよ。でも、とても貴重品だから持ってることは秘密にしてね」


「へぇ〜、あたいは絶対秘密にするよ!ちなみにアイスタートルが甲羅から飛ばしてた氷が万年氷だよ」


 胴体はもう収納してしまったので、その辺りに落ちている万年氷を採取する。


「採取方法はね。火属性のツルハシを使うんだよ」


 イーヴァルディが火属性ツルハシを取り出して万年氷に打ち付ける。火花が散って、万年氷にヒビが入り、良いサイズの万年氷が採取出来た。

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