047 ロキとシャルの冒険2
川は北の方角に流れているようだ。しばらく川を下っていくと、大きな滝が現れた。滝の上から下を眺めると、湖があり、そこからまた川が流れているようだ。
「なかなかの絶景だけど、滝を飛び降りるには高すぎるね」
「何か方法はないかなぁ?」
「あ、そういえばロープを買ってあるよ。滝上の木にロープをかけて懸垂下降しよう」
「いいよ!面白そう!」
「シャルは絶対に落ちないようにね!フリじゃないからね!」
「分かってるよぅ!」
シャルと2人で懸垂下降した。特に何事もなく降りられてよかった。
湖は深い青色をしている。水深が深そうだ。
「あ、魚が泳いでるよ!」
「本当だね。美味しいのかな?」
「獲ってみんなに自慢しようよ!」
「そうしよう!」
シャルと2人で槍を持って湖に潜る。けっこう歩いたり戦闘したりして汗をかいていたので気持ちがいい。目の前を40〜50センチはありそうな魚が群れで泳いでいる。
槍で突き刺した魚は死んで動かなくなるので、収納胃袋に回収する。もう10匹は獲っただろうか、そろそろ終わろうかと思っていると。
湖底から巨大魚が現れた。見た目はナマズだが、装甲を纏っている。大きな口を開けると鋭利な牙が並んでいる。口の中に★を見つけた。何故大きな口を開けているかというと、僕達を食べようとしているからだろうね。
僕は急いでシャルに合図を送る。一旦、湖から逃げる合図だ。だが、シャルは巨大ナマズに向かって泳いでいく。ガンガンいこうぜの合図だと思ったようだ。こうなったら戦うしかない。
持っていた槍を【死撃】で撃ち出す。しかし、巨大ナマズの装甲に弾かれてしまった。
シャルは泳ぎも得意なようで機敏な動きで巨大ナマズと戦っている。しかし、ナマズの装甲に苦戦しているようだ。
シャルに離れるように合図を出すと、今度はちゃんと伝わったようで離れてくれた。巨大ナマズにはとっておきの技をお見舞いすることにした。
収納胃袋から直径40センチほどの球を取り出す。金属製で既に錆びた状態でボロボロだ。その金属球を持ったまま巨大ナマズを引きつける。まだだ。もう少し。
……今だ!その金属球を【死撃】で撃ち出す。金属球は巨大ナマズの口の中に入った。
【死球】!
巨大ナマズの口の中でボロボロに錆びた金属球は新品の状態に戻った。【死んだふり】が解除されたのだ。新品の金属球は四方八方に槍が取り付けられていた。巨大ナマズは体内から槍で串刺しにされることとなった。
よし!【死球】を実戦で初めて使ったけど、想定以上の威力だということが分かった。死んで動かなくなった巨大ナマズを収納胃袋に入れて、湖から上がった。
「ロキ!凄いね!あの巨大ナマズが一発だったよ!」
「いや〜、ギリギリだったよ。あれで倒せなかったらこっちの息も続かなかっただろうし」
「これで★3個目だね」
「もう少し探したら戻ろうか」
「うん!そうしよ!」
もう少し探したら戻ることに決めたのだが、島で一番大きな木の上や、たまたまシャルが落ちた落とし穴の中など様々な場所で★を見つけてしまった結果、★の合計は7個となった。
「思ったより★を見つけちゃったね」
「もう帰ろう。暗くなってきたし」
「了解!」
その後、ダッシュで来た道を戻り、暗くなる前になんとか拠点にたどり着いた。




